DJIが2026年8月4日、ワイヤレスマイクの新製品「DJI Mic Mini 2S」を日本で発売しました。4月に登場した「DJI Mic Mini 2」の筐体をほぼ引き継ぎながら、上位機「DJI Mic 3」にあった32bitフロートでの内部収録、レシーバー1台に対するトランスミッター4台接続、2段階のAIノイズキャンセリングを取り込んでいます。価格は2TX+1RX+充電ケースの構成で27,720円です。

小さいまま、上位機の機能を受け取った

Mic Mini 2Sは、7月29日にDJIの日本語サイトで告知されていた製品です。中国での投入に続き、日本でも購入できるようになりました。

位置づけとしては、Mic Mini 2の上位モデルにあたります。サイズと重量はMic Mini 2からほぼ変わっておらず、衣服への装着もクリップとマグネットの2ウェイ式のままです。レシーバー1台にトランスミッター1台、または2台を組み合わせる売り方も踏襲しています。

つまり外から見た印象は据え置きで、中身だけが上位機寄りに置き換わった格好です。小型ワイヤレスマイクを選ぶ人にとって、本体の大きさは妥協したくない部分ですので、この割り切り方は分かりやすいと言えます。

内部収録と4台接続が最大の変更点

Mic Mini 2で対応していなかったトランスミッター単体での音声記録が、Mic Mini 2Sでは可能になりました。しかも記録形式はMic 3と同じ32bitフロートに対応します。

32bitフロートは、収録時の入力レベル設定に失敗しても、後編集で音割れを救いやすい記録方式です。ワンオペで撮影する場合、レベル調整に手が回らない場面は避けられませんので、保険として効いてきます。レシーバーとの電波が途切れた場合でも、トランスミッター側に音が残っている点も見逃せません。

接続台数も変わりました。レシーバーに接続できるトランスミッターは、Mic Mini 2の2台からMic 3と同じ4台に増えています。座談会や複数人のインタビューを1台のレシーバーで受けたい用途では、この差がそのまま機材構成の差になります。

さらに、Mic Mini 2にはなかった2段階のAIノイズキャンセリングが加わりました。「レギュラー」「ブライト」「リット」の3種類のボイストーンプリセットもMic 3から継承しています。レシーバーには振動機能も追加され、接続開始などの動作を手元の振動で確認できるようになりました。

上位機「Mic 3」との差は容量とタイムコード

とはいえ、Mic 3を完全に置き換える製品ではありません。差は主に記録まわりに残っています。

内蔵ストレージはMic 3の32GBに対して14.5GBにとどまり、内部収録時間も24bitモードで最長28時間です。Mic 3は同じ条件で57.3時間ですので、およそ半分の余裕しかありません。加えて、Mic 3で使えるタイムコードはMic Mini 2Sでは利用できません。

複数カメラの素材を後から同期させる制作では、タイムコードの有無が編集の手間に直結します。そうした現場ではMic 3、身軽さと価格を優先するならMic Mini 2Sという棲み分けになりそうです。

なお「Osmo Pocket」「Osmo Action」などにレシーバーなしで直接つながる「DJI OsmoAudio」は引き続きサポートされます。DJIのカメラを併用している人にとっては、レシーバーを持ち歩かずに済む場面が増えます。

価格とアクセサリー

国内価格は以下の通りです。いずれも税込です。

  • DJI Mic Mini 2S(2TX+1RX+充電ケース):27,720円
  • DJI Mic Mini 2S(1TX+1RX):14,300円
  • DJI Mic Mini 2S(1TX+1モバイルRX+充電ケース):14,300円
  • DJI Mic Mini 2S トランスミッター:10,120円
  • DJI Mic Mini 2S 充電ケース:5,720円

見た目を変えるアクセサリーも用意されています。Mic Mini 2と同時期に登場した色付きのウインドスクリーンが装着でき、スケルトンカラーのフロントカバーはMic Mini 2S用のセットが用意されました。マルチカラーのマグネット式フロントカバーセットが3,300円です。

イラストレーターのVicto Ngai氏とのコラボレーションによる「タイムシリーズ マグネット式フロントカバー」にも、Mic Mini 2Sモデルが加わりました。こちらは6,930円です。衣服の胸元に着けるマイクは意外と目立ちますので、色を選べることは実用上の意味も持ちます。

まとめ

DJI Mic Mini 2Sは、小型筐体を保ったまま32bitフロートの内部収録、4台までのトランスミッター接続、2段階のAIノイズキャンセリングを備えた新モデルです。ストレージは14.5GB、内部収録は24bitモードで最長28時間で、タイムコードには非対応という制約は残ります。2TX+1RX+充電ケースで27,720円という価格を踏まえると、Mic 3の機能をどこまで必要とするかが選択の分かれ目になりそうです。