ジンバルメーカーのHohemが、カメラ部分を取り外して身に着けられるポケットジンバルカメラ「Eyepic」をIFA 2026で公開しました。手持ちでは3軸スタビライザーとして、外せば帽子や首から下げるウェアラブルカメラとして使える2WAY構成で、縦位置のまま4K解像度をフルに使って撮影できる点が最大の特徴です。市場投入は2027年第1四半期を見込んでいます。

1台で手持ちとハンズフリーを行き来する

Eyepicは、Hohemがスタビライザー専業から映像機器全般へ広がっていく起点として位置づけている製品です。基本形はグリップ付きの3軸ジンバルですが、先端のカメラユニットが丸ごと外れます。

外したカメラは、帽子用クリップやランヤードで身に着けられます。家族での外出、旅行、サイクリング、犬の散歩といった、手がふさがる場面を想定した使い方です。磁力で金属面に貼り付けることもでき、水深10メートルまでの防水性能を備えるため、水中や水しぶきのかかる環境でも撮影を続けられます。

カメラを外すとジンバルのアーム部は自動で縮んでロックされます。残ったグリップ側は撮影用のリモコンとして働き、2.51インチのタッチスクリーンで最大10メートル離れた位置から1080pのライブビューを確認しながら設定を変更できます。撮る本人が自分の画角を確かめられる構成になっているわけです。

縦位置4Kを切り出しではなく物理回転で撮る

もう1つの柱が、縦位置動画の扱い方です。多くのカメラは横位置で撮った映像から縦長の範囲を切り出しますが、この方式では解像度が目減りします。

Eyepicはタッチスクリーンを片手で回すと、それに追従してカメラ本体が物理的に向きを変えます。縦位置では2160×3840、最大60fpsで記録でき、横位置映像のトリミングではない本来の解像度そのままの縦4Kが得られます。回転の挙動はメニューから設定を変えられるとしています。

TikTokやInstagramのリール、YouTubeショートに出す映像を、撮影の時点で最終的な形に合わせておけるという発想です。編集段階で縦横を作り直す手間と画質の劣化を、撮る前に片付けてしまう設計と言えます。

スマホ用ジンバルとワイヤレスマイクも同時に披露

IFA 2026のブースには、Eyepicと並んでスマートフォン用ジンバル2機種とワイヤレスマイクも並びました。

iSteady V4 Ultraは、取り外せるタッチスクリーン式リモコンにライブビューを表示し、追尾したい被写体を画面から選ぶFrame-to-Track機能を備えます。iPhoneの標準カメラアプリなどで動作するApple DockKitのネイティブ追尾にも対応します。iSteady X4も同じくDockKit追尾に対応し、本体側にタッチ操作パネルと360度回転し続けられるパン軸を持ち、パノラマ撮影に向く構成です。

ワイヤレスマイクのMic 2は、受信機1台に対して送信機を最大4台まで組み合わせられます。インタビューやパネルディスカッションのような複数人収録が狙いで、送信機は1台7.7グラム、48kHz/24bitで録音し、環境に応じて効き方が変わるAIノイズキャンセリングを備えます。無線到達距離は最大300メートルとしています。

発売はまだ先、価格も未定

注意しておきたいのは、今回公開されたものがすべて先行公開の段階だという点です。最終的な仕様、構成、価格、発売日はいずれも後日改めて案内するとされており、Eyepicの市場投入時期として示されているのは2027年第1四半期という幅のある表現にとどまります。日本での取り扱いについても現時点で情報はありません。

Hohemは2014年設立で、2021年にスマートフォン用ジンバルで端末側の処理によるAI追尾を実現した経緯があります。現在は70か国以上、500万人を超える利用者を持つとしています。スタビライザーで積み上げた機構の技術を、カメラそのものを作る側へ持ち込めるかどうかが、Eyepicの評価を分ける部分になりそうです。

なお展示はベルリンのメッセ・ベルリン20ホール、ブースH20-123で、会期は9月4日から8日までです。

まとめ

Hohem Eyepicは、3軸ジンバルとして手持ち撮影に使いながら、カメラ部を外してウェアラブルカメラにも切り替えられるポケットサイズの2-in-1機です。タッチスクリーンの回転に合わせてカメラが物理的に向きを変え、切り出しに頼らない2160×3840・60fpsの縦4Kを記録できます。水深10メートルの防水と、離れた位置から使えるリモコン機能も備えます。ただし価格も正確な発売日も未定で、実力を判断できるのは2027年に入ってからになりそうです。