キヤノンが小型・軽量のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R8 Mark II」を2026年10月29日に発売します。2023年4月に登場した「EOS R8」の携帯性はそのままに、ボディーデザインを直線基調へ刷新し、初代には無かったボディー内手ブレ補正機構とマルチコントローラーを新たに搭載しました。上位機に近い操作性を小型ボディーに詰め込んだ、扱いやすい1台に仕上がっています。
曲線から直線へ、EOSの顔つきが変わった
今回もっとも目を引くのは外観です。これまでのEOSシリーズは曲面を基調としたなだらかなフォルムが定番でしたが、EOS R8 Mark IIは直線と円弧を組み合わせたシンプルでモダンな造形に切り替わりました。軍艦部から前面にかけて面が平らに近くなり、写真で見比べると同じシリーズとは思えないほど印象が違います。
デザインが変わっても、フルサイズ機としては小型・軽量という立ち位置は変わっていません。描写性能と持ち運びやすさの両立という初代EOS R8のコンセプトを引き継いだうえで、見た目を今風に仕立て直した格好です。
初代に無かった手ブレ補正とマルチコントローラー
中身で最も大きい変更点は、ボディー内5軸手ブレ補正機構の搭載です。EOS R8には無かった機構で、レンズ内光学式手ブレ補正を備えたRFレンズと協調制御させると、中央で最大7.5段、周辺で最大7.0段の補正効果を発揮します。この数値はCIPA2024規格に準拠したもので、RF24-105mm F2.8 L IS USM Zを焦点距離105mmで使い、電子シャッターで撮影した条件での値です。
画面周辺まで補正段数を明示している点は実用上ありがたいところで、広角側で端が流れやすい動画撮影でも効いてきます。
操作面では、AFフレームを素早く動かせるマルチコントローラーが追加されました。こちらもEOS R8には無かった装備です。2025年11月発売の上位機「EOS R6 Mark III」に匹敵する操作性を備えたとキヤノンは説明しており、小型機だからと妥協しなくてよくなりました。
秒40コマの連写と、人物を覚えるAF
センサーは有効画素数最大約2420万画素のフルサイズCMOS、映像エンジンはDIGIC Xです。静止画撮影時の常用最高感度はISO102400まで伸びます。
連写は電子シャッター使用時にAF・AE追従で最高約40コマ/秒。動きの速い被写体を追いかける用途でも不足はなさそうです。ただし被写体や撮影条件によってはローリングシャッター歪みが出る場合があるとされているので、そこは電子シャッター機共通の注意点として頭に入れておきたいところです。
AFはデュアルピクセル CMOS AF IIで、高速連写中も精度と追従性を保つ設計です。加えて、あらかじめ登録した特定の人物を優先して検出・追尾する登録人物優先機能を備えました。性能は2021年11月発売の「EOS R3」と同等とされ、カメラ内に最大10名を登録でき、登録情報はカードに最大10ファイルまで保存できます。つまり運用次第で最大100名分を持ち歩ける計算です。運動会や発表会のように、大勢の中から特定の1人を追いたい場面で威力を発揮しそうです。
動画は6Kオーバーサンプリングの4K/60p
動画では、センサーから6K相当で読み出した情報を4Kにまとめる6Kオーバーサンプリングに対応し、4K/60pをクロップなしで記録できます。フルHDは最大約180pのハイフレームレート記録に対応するため、滑らかなスローモーションも作れます。
階調面ではCanon Log 3に対応し、最大14ストップのダイナミックレンジを確保します。撮影後にしっかり色を作り込みたい人にとっては、小型ボディーで扱える選択肢が1つ増えることになります。
フィルム調を足したカラーフィルターは16種類に
表現機能も拡張されました。静止画と動画の両方で使えるカラーフィルターに、フィルムの色味を再現するNegativeFilmtoneとPositiveFilmtoneが加わり、全16種類になりました。効果量は11段階で調整できるため、かかりを弱めて下地として使うような運用もできます。
手持ち夜景モードで使えるカラー設定も拡充され、5種類の色調から選べるようになりました。なお、撮影時に選んだフィルターの種類や色味、効果量は撮影後に変更できません。夜景向けのカラー設定はJPEG撮影のみの対応となる点も、あらかじめ押さえておく必要があります。
価格と周辺アクセサリー
希望小売価格はオープン価格で、発売日は2026年10月29日です。実売の目安としては、ボディー単体が275,000円、RF45mm F1.2 STMレンズキットが317,900円、RF24-105mm IS STMレンズキットが324,500円と案内されています。
同時に、ホールド性を高めるエクステンショングリップ EG-E2、スピードライト EL-5(Ver.2)、トライポッドグリップ HG-1000TBRといった周辺アクセサリーの情報も公開されました。キヤノンは包装材の脱プラスチック化も進めており、製品そのもの以外の部分にも手が入っています。
まとめ
EOS R8 Mark IIは、初代の小型・軽量という性格を保ちながら、ボディー内手ブレ補正とマルチコントローラーという実用面の弱点を埋めてきたモデルです。最高約40コマ/秒の連写、登録人物優先AF、6Kオーバーサンプリングの4K/60pと、静止画・動画のどちらから入っても不満の出にくい構成になりました。フルサイズ機を軽く持ち歩きたい人にとって、10月29日は待ち構える価値のある日になりそうです。
