Googleが、対話型AI「Gemini」アプリと検索の「AI Mode」上で、ECサイトを開かずにその場で商品を購入できる新機能の試験を始めたことがわかりました。インドの通販大手Flipkartと連携する形で一部ユーザー・一部商品に限定して提供されており、AIが単なる商品探しの窓口から、決済まで完結する購買チャネルへと役割を広げる動きとして注目されています。
AIの回答画面から離れずに決済まで完了
今回試験導入された仕組みでは、GeminiやAI Modeの検索結果にFlipkartの対象商品が表示されると、通常の商品情報に加えて「購入」ボタンが並んで表示されます。ユーザーがこのボタンをタップすると、Flipkartのブランドを冠したチェックアウト画面がAIの会話・検索画面の中に直接開き、外部の通販サイトへ移動することなく注文を完了できる設計になっています。これまでAIによるショッピング機能は商品の比較や提案にとどまるケースが大半でしたが、決済そのものをAI体験の内側に取り込もうとしている点が今回の特徴です。
対象はインドの一部ユーザー、スマホ・家電が中心
試験の範囲は現時点でインドに限定されており、対象ユーザー数・対象商品数もごく少数にとどまっています。表示される商品カテゴリーはスマートフォンや家電、モバイルアクセサリーが中心とされ、まだ全カテゴリーへの展開ではありません。なお同じ検索結果内にはAmazonの商品も表示されますが、こちらには購入ボタンは付与されておらず、今回のワンタップ購入機能はFlipkartに限定した取り組みとなっています。
FlipkartはGoogleの出資先、以前から「エージェント型」連携を模索
FlipkartはインドでWalmart傘下の大手通販企業として知られていますが、Googleは2024年にFlipkartへ約3億5,000万ドル(約546億円)を出資し、少数株主として資本関係を持っています。※1ドル=156円換算(2026年9月28日時点) 両社は以前から、AIエージェントが商品の検索から購入までを代行する「エージェント型コマース」の提携パートナーとして名前が挙がっており、今回の購入ボタンの試験導入は、その構想を具体的な機能として実装した第一弾と位置づけられそうです。Google側は今回の件について、新機能や新しい体験を随時テストするのは通常の取り組みであるとしたうえで、現時点で明かせる詳細はないとコメントしています。
10月には拡大の見込み、インドの商戦期をにらむ
Googleはこの購入機能について、10月により幅広い形で展開を広げる計画を持っているとされています。10月はインドで大型セール「ビッグ・ビリオン・デイズ」をはじめとした年末商戦の需要期にあたり、通販各社が1年で最も力を入れる時期の一つです。今回の試験がこの商戦期の直前というタイミングで明らかになったことからも、GoogleがAI経由の購買体験を早期に軌道に乗せたい狙いがうかがえます。ただし現段階はあくまで限定的な試験段階であり、対象地域や対象パートナーが今後どこまで広がるかは明らかにされていません。
まとめ
Googleは、対話型AI「Gemini」と検索の「AI Mode」において、Flipkart商品をその場で購入できる「購入」ボタンの試験をインドで開始しました。対象はまだ一部のユーザー・商品に限られていますが、10月には拡大が見込まれており、AIが商品提案だけでなく決済まで担う新しい購買体験の先行事例として、今後の展開が注目されます。
