米国の大手食品小売Albertsons Companiesが、OpenAIとの取り組みを広げています。従業員向けのChatGPT Enterpriseの導入に加え、OpenAI APIを使った顧客向け体験や販促分析にも活用を進めるとのことです[1]。その一環として、ChatGPT内で夕食のアイデアからSafewayでの会計までつなげる新しい買い物体験が登場しました[1]。
2,200店舗超の意思決定にAIを組み込む
Albertsons Companiesは、AlbertsonsやSafeway、Vons、Jewel-Osco、Shaw's、ACME、Tom Thumbといったブランドで、2,200店舗以上を運営しています。1週間に利用する顧客は3,600万人を超えます[1]。
小売の現場では、どの商品を推すか、店舗スタッフをどう支援するか、開発者が次に何を作るかといった小さな判断が、巨大な規模で積み重なります。OpenAIはこうした場面にAIを入れていく取り組みとして、今回の協業を位置づけています[1]。
社内ではChatGPT Enterpriseを段階的に展開
社内向けには、ChatGPT Enterpriseとその他のAIツールを通じて、一部のチームが業務の効率化や意思決定の改善を試しています[1]。対象は小売向けのテクノロジーを開発するチームのほか、AIの効果が見込める事業部門です[1]。
まず範囲を絞って成果を確かめ、再現できる進め方を固めてから、全社的なイノベーションの土台にする方針です[1]。
ChatGPT内のSafewayは、レシピや写真から買い物かごまで
目玉となるのが、ChatGPT内に追加された新しいSafewayの体験です。ユーザーはレシピや写真、デジタルリスト、あるいは簡単な依頼文から買い物を始められます[1]。
紹介されている依頼の例は、次のようなものです[1]。
- 4人分のピザナイトを計画して
- デリ商品で手早く夕食を整えて
- 自社ブランド品で朝食やスナックを補充して
ChatGPTは関連する商品やお得な情報を示し、カートの作成を手伝います。そのうえで、会計はSafewayのサイトやアプリへ誘導する流れです[1]。購入の最終段階はSafeway側で行う点が特徴です。
この体験は、Albertsonsが以前から提供しているAIショッピングアシスタントやAsk AIの機能を発展させたものです。今後はSafewayだけでなく、Albertsons、Vons、Jewel-Osco、Shaw's、ACME、Tom Thumbなど他の食品ブランドにも広げる計画とされています[1]。
OpenAIは、dunnhumbyが2026年2月に公表した米国の消費者動向調査を引き合いに、買い物客は他の商品分野より食料品でAIを使うことに前向きだと説明しています[1]。
OpenAI APIで販促や推薦の裏側も強化
顧客向けの機能では、買い物かごの組み立てや定番品の再購入、好みや入力情報に合わせたレシピ・献立の提案など、よりパーソナルな支援を目指しています[1]。
裏側では、予測モデルと生成AIを組み合わせ、根拠を説明できるデータ駆動の推薦や販促のインサイトを提供します。商品担当者が事業面の判断をしやすくする狙いです[1]。従業員向けツールからコマース向けアプリ、広告ソリューションまで、OpenAIの各種機能を社内に広げられる構成だと説明されています[1]。
Albertsons CompaniesでデジタルカスタマーエクスペリエンスのSVPを務めるJill Pavlovich氏は、「日常の買い物の手間を減らすための、もう1つの実用的なAI活用」とコメントしています[1]。
まとめ
今回の発表は、店舗運営や販促分析といった社内業務から、ChatGPT内で完結する買い物の入り口までを、OpenAIの技術でつなぐ取り組みです。チャットで献立を相談し、そのままカートを作って店舗の会計へ進めるという導線は、食料品のオンライン購入のあり方を変える可能性があります。他ブランドへの展開時期は明らかにされておらず、今後の続報に注目したいところです。
