DJIが8月13日、全天球カメラの第2世代となるOsmo 360 IIを中国で発表しました。外観は初代とほとんど変わりませんが、傷が付いたレンズを利用者自身で交換できるようになり、360度映像の記録は8K60fpsへ引き上げられています。価格は3,299元(約7万8,000円)からで、初代と同水準に据え置かれました。
レンズを自分で交換できる構造になりました
全天球カメラは前後に飛び出したレンズを保護しにくく、鞄の中でぶつけて表面を傷めてしまう事故が起きやすい製品です。レンズの傷は左右の映像をつなぐ処理にも影響するため、これまでは修理に出すか、傷ごと使い続けるかの二択になりがちでした。
Osmo 360 IIは、このレンズを利用者が自分で取り外して交換できる構造に変わりました。レンズ表面にはイオンスパッタリングによる硬化コーティングが施され、傷が付きにくいようにも手当てされています。交換部品を買い足せば現場復帰できるという点は、旅先やアクティビティで使う機材としてかなり実用的な変更です。
一方で本体の見た目や大きさは初代を踏襲しています。発表前のリークやティザーで示されていた通り、変更点は内側に集まりました。
8K60fpsと14.5ストップ、夜はAI SuperNight 2.0
撮像素子は1/1.1インチのセンサーを2基、レンズのF値は1.9です。360度映像の最高記録設定は初代の8K50fpsから8K60fpsへ上がり、ダイナミックレンジは最大14.5ストップになりました。初代の13.5ストップから1段分の余裕が生まれた計算です。
暗所については、AIによるノイズ処理を組み込んだAI SuperNight 2.0が用意されました。従来はフレームレートを落とす前提だった夜間撮影を、8K60fpsのまま処理できる点が今回の売りです。記録ビットレートも170Mbpsから220Mbpsへ引き上げられており、動きの多い場面でのデータの余裕も増えています。
スローとタイムラプスも幅が広がりました
記録モードの追加も細かく効いてきます。360度映像では4K240fpsのスローモーション、片側のレンズだけを使うシングルレンズ撮影では4K120fpsが選べます。タイムラプスは初代の8Kから16Kへ拡張され、この設定でのビットレートは600Mbpsに達します。写真は1億2,000万画素のHDR全天球撮影に対応しました。
バッテリー容量は1,950mAhから2,150mAhへ、内蔵ストレージは105GBを確保しています。取り付け部は上下どちらの向きでも装着できるマグネット式に改められ、スマートフォンとの接続はNFCをかざすだけで済むようになりました。被写体を追いかけるトラッキングモードも追加されています。
価格は3,299元から、海外展開は未定
中国のDJI公式ストアでの価格は、標準構成が3,299元(約7万8,000円)、予備バッテリーなどを含むAdventure Comboが3,999元(約9万4,000円)です。初代と同じ価格帯を維持しており、初代のOsmo 360は値下げした状態で併売されています。
※1元=23.6円換算(2026年8月17日時点)
現時点で発表されているのは中国市場向けのみで、米国での価格や発売日は明らかにされていません。日本を含むその他の地域についても、DJIは具体的な予定を公表していません。同社は先にOsmo Pocket 4Pを中国で先行投入した際、海外展開までに数週間を要しています。
なお、この分野ではInsta360がOsmo 360 IIの発表直前にX6を投入しました。X6も1/1.1インチのセンサーを2基備え、8K50fpsの全天球記録に対応します。センサーサイズと記録性能で肩を並べる製品が同じ週に出そろった形で、選択の判断はレンズ交換のような運用面の作りに移りつつあります。
まとめ
Osmo 360 IIは、8K60fpsへの引き上げや14.5ストップのダイナミックレンジといった画質面の底上げに加えて、レンズを自分で交換できるという実用寄りの変更を持ち込んだ第2世代機です。価格を3,299元に据え置いたまま内蔵ストレージ105GBやAI SuperNight 2.0を載せてきた点は素直に評価できます。残る不安は入手性で、日本を含む海外での価格と発売時期が示されるまでは、初代と同様に中国先行のまま様子見となりそうです。
