ASUS JAPANのWi-Fi 7対応ルーター「RT-BE3600J Pro」が、2026年9月11日に発売されました。デュアルバンドで最大3,600Mbps、2.5Gbps対応の有線ポートを2基備えながら、メーカー希望小売価格は1万6,920円です。同社のメッシュ機能AiMeshにも対応しており、1万円台で自宅の回線を2.5Gクラスへ引き上げたい人にとって、現実的な買い替え候補になりそうです。
2.5GbEが2ポート、これが1万円台に降りてきた
RT-BE3600J Proでいちばん目を引くのは、2.5Gbps対応の有線ポートを2基搭載している点です。しかも片方がWAN専用という作りではなく、2基ともWAN/LANのどちらとしても使える自動検出方式になっています。10Gの契約まではいらないけれど1Gでは頭打ち、という家庭が増えてきた今のタイミングでは、ちょうど手が届く構成だと言えます。
有線ポートがこの構成であることの効きどころは、メッシュを組んだときです。AiMeshで2台目以降のASUSルーターをつなぐ際、ルーター同士を2.5Gの有線バックホールで結べるため、無線で中継する場合につきものの速度低下を回避できます。壁が厚い、鉄筋で電波が通りにくい、階をまたぐといった住宅では、この選択肢があるかどうかで体感がだいぶ変わります。
なお本機にUSBポートは搭載されていません。ルーターに外付けHDDをぶら下げて簡易NASにしたい、といった使い方を想定している人は、ここは割り切りが必要です。
Wi-Fi 7の中身は5GHz帯で最大2,882Mbps
無線側はデュアルバンドのWi-Fi 7(IEEE 802.11be)で、最大通信速度は5GHz帯が2,882Mbps、2.4GHz帯が688Mbpsです。合計で最大3,600Mbpsという数字が製品名の由来になっています。6GHz帯には対応しないため、いわゆるトライバンドの上位機とは立ち位置が異なります。
Wi-Fi 7の中核機能はひととおり入っています。2.4GHz帯と5GHz帯を束ねたり自動で切り替えたりするMLO(マルチリンクオペレーション)、1つの信号により多くの情報を載せる4K-QAM、160MHz幅のチャネルに対応します。4K-QAMについてASUSは、Wi-Fi 6/6Eの1024-QAMと比べて伝送効率が最大20パーセント向上するとしています。
本体は内蔵アンテナ4本と、高性能フロントエンドモジュール4基という構成です。外部アンテナが生えていないぶん見た目はすっきりしていて、放熱にはナノカーボン表面処理を施したヒートシンクを使っています。中身の処理系はQualcomm IPQ5322(1.5GHzクアッドコア)とRAM 512MBで、同時接続は最大40台まで対応します。
用途ごとにSSIDを切り分けられる
ソフト面の目玉は、ネットワークを用途別に分ける「Smart Home Master」です。IoT機器だけをまとめるIoTネットワーク、子ども向けに利用時間やアクセスできるサイトを制限するキッズネットワーク、VPN経由で通信させるVPNネットワークを、それぞれ専用のSSIDとして作れます。
家の中にスマート家電が増えるほど、素性のよく分からない機器がメインのネットワークに同居する状態は気持ちのいいものではありません。SSIDを分けて隔離できるのは、地味ですが効いてくる機能です。ペアレンタルコントロールも年齢別のプリセットやスケジュール設定が用意されていて、追加のサブスクリプション契約なしで使えます。
セキュリティ機能のAiProtectionはトレンドマイクロの技術を採用しており、ルーター自体のセキュリティ診断や悪質サイトのブロックを行います。VPNはWireGuardに対応し、有線経由で最大300Mbps、OpenVPNでは最大150Mbpsとされています。設定や日々の管理は、スマートフォンの「ASUS Router」アプリからまとめて行えます。
主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 無線規格 | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax/be |
| 最大速度 | 5GHz帯 2,882Mbps/2.4GHz帯 688Mbps(合計最大3,600Mbps) |
| アンテナ | 内蔵4本+高性能フロントエンドモジュール4基 |
| 有線ポート | 2.5Gbps WAN/LAN×2(自動検出) |
| USBポート | なし |
| CPU | Qualcomm IPQ5322(1.5GHz クアッドコア) |
| RAM | 512MB |
| セキュリティ | WPA/WPA2/WPA3-Personal、WPA/WPA2/WPA3-Enterprise |
| 同時接続台数 | 最大40台 |
| 動作モード | ルーター/リピーター/アクセスポイント/メディアブリッジ |
| 本体サイズ | 140×70×140mm |
| 重量 | 約511g |
| メーカー希望小売価格 | 1万6,920円 |
| 発売日 | 2026年9月11日 |
予約受付は9月4日に始まっており、ASUS Storeでの販売価格は1万6,820円です。
まとめ
RT-BE3600J Proは、Wi-Fi 7のMLOや4K-QAMに対応しつつ、2.5Gbps対応ポートを2基載せて1万6,920円に収めたモデルです。6GHz帯を使わないデュアルバンド構成と引き換えに価格を抑えており、10Gまでは必要ないが1Gでは足りなくなってきた、という層に狙いを定めた作りになっています。AiMeshで2.5Gの有線バックホールを組めることと、SSIDを用途ごとに分けられるSmart Home Masterが、同価格帯の中では効きどころになりそうです。

