「眼鏡市場」を展開する株式会社メガネトップは、視界に翻訳文や台本を映し出せる新型スマートグラス「Linse Display」を披露しました。価格は11万9,000円で、10月23日からクラウドファンディングサービスを通じて先行予約を受け付けます。従来モデルには無かったディスプレイとAI機能を組み合わせ、単なる撮影用グラスから一歩進んだ製品を目指しています。
両眼ディスプレイでAIグラスへ進化
Linseは、メガネトップが手掛けるスマートグラスシリーズで、これまでカメラ搭載モデルの「Linse」と、音声中心の「Linse Lite」を展開してきました。今回発表されたLinse Displayはシリーズ第2弾にあたり、両眼のグリーンMicro LEDディスプレイを新たに搭載したことが最大の変更点です。これまでのLinseシリーズはAI機能を持っていませんでしたが、Linse DisplayではAI処理にも対応し、名実ともに「AIグラス」の仲間入りを果たしました。
翻訳やテレプロンプターなど4つの新機能
新搭載の機能は、周囲の会話をその場でテキスト化する文字起こし、相手の発言を訳して視界に表示する翻訳、原稿を表示できるテレプロンプター、そして徒歩・自転車移動向けのナビゲーションの4つです。翻訳は英語、日本語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語の9言語に対応します。ナビゲーションは現時点で電車移動には未対応で、今後はAIアシスタント機能の追加も予定されています。操作はボイスコントロールでも行えます。
カメラは前面中央に、駆動時間は用途で変動
撮影機能は約1,200万画素のカメラを引き続き搭載しますが、レンズと点灯ランプの位置は初代Linseのフレーム両端から前面中央へと変更されました。撮影中はランプが点滅し、周囲に録画中であることを知らせるプライバシー配慮も備えます。本体重量は約50グラム、バッテリー容量は200mAhで、通常利用なら8時間ほど、翻訳などのAI機能を連続で使う場合は4時間程度が駆動時間の目安です。レンズは無色で度付きレンズにも対応し、通信はBluetoothとWi-Fiを利用します。なお発表時点はプロトタイプのため、量産までに仕様や外観が変わる可能性があります。
AR技術はCellidと共同開発
ディスプレイ部分の光学設計には、AR向けの表示・空間認識エンジンを手掛ける企業Cellidの技術が使われています。Cellidが光学とハードウェアの設計を担い、メガネトップは眼鏡専門店としての開発知見と全国約1,036店舗の販売網を組み合わせる体制です。撮影時に検査担当者の視界を記録して履歴に残したいという食品検査業界からの引き合いをきっかけに、製造・保守・検査といった業務用途への展開も検討が進んでいるといいます。
眼鏡市場は10月に20周年、鯖江の自社工場も刷新へ
眼鏡市場ブランドは10月6日に誕生20周年を迎えます。2024年度の全店売上高は1,000億円を突破し、2026年3月末時点で国内1,036店舗、海外35店舗を展開しています。同社は、眼鏡専門店ならではの強みとして、店舗での度数調整や単焦点レンズの即日加工、遠近両用レンズの短納期対応を挙げており、Linse Displayでも同様のサポート体制を提供する方針です。あわせて、産地として知られる福井県鯖江市の自社工場を刷新し、2027年7月には製造工程を一般公開するオープンファクトリーとして稼働させる計画も進めています。
まとめ
Linse Displayは、撮影機能中心だった従来のスマートグラスに翻訳やテレプロンプターといった実用機能を加え、眼鏡専門店ならではのフィッティングやレンズ対応力を武器にする新製品です。価格は11万9,000円、10月23日にクラウドファンディングでの先行予約を開始する予定で、量産に向けた仕様の変更や、業務用途への展開の広がりにも注目が集まりそうです。
