Googleが新カテゴリーのノートPC「Googlebook」の予約受付を、米国時間の9月21日午前9時(東部時間)に始めます。公式サイトで日時だけが先に告知された形で、価格も対象機種も出荷時期も現時点では伏せられたままです。5月の発表から4カ月、ChromeOSとAndroidを1つにまとめたGoogleの答えが、ようやく購入できる段階に入ります。

「OS」ではなく「インテリジェンスシステム」を名乗る理由

Googlebookは、Googleが5月12日に公表したノートPCの新カテゴリーです。同社はChromebookを世に出してから15年以上が経ったことを踏まえ、クラウド前提で設計された当時の発想をもう一度作り直すと説明しています。キーワードになっているのが、オペレーティングシステムからインテリジェンスシステムへ、という言い回しです。

土台になるのは2つの資産です。Google Playのアプリ群と、インテリジェンス向けに整えた現代的なOSを持つAndroid。そして世界で最も使われているブラウザーを抱えるChromeOS。この両方を統合したうえで、Geminiの支援を中核に据えたのがGooglebookという位置づけになります。

既存のChromebookが置き換えられるわけではありません。Googleは公式のFAQで、Chromebookは手軽さと速さ、効率を優先した日常使いの製品であり、Googlebookは上質な素材と高い性能、そしてAndroidスマートフォンとの連携を備えたフラッグシップ級の新カテゴリーだと、2つを明確に線引きしています。

変わるのはマウスカーソルの役割

Googlebookで最も分かりやすい変化は、マウスカーソルの扱いです。Googleは、カーソルは右クリックが加わって以降ほとんど進化していない道具だと指摘しています。そこに手を入れたのが「Magic Pointer」で、Google DeepMindと共同で開発した機能です。

カーソルを少し動かすとGeminiが反応し、指し示した対象に応じた提案が出てきます。メール本文の日付をポイントすれば予定の設定につなげ、自分の部屋の写真と新しいソファの写真を2つ選べば、組み合わせた状態をその場で確認できる、といった具合です。画面上の何かを選んで、質問する、比べる、作る、という操作を挟み込むイメージに近いものです。

もう1つの目玉が「Create My Widget」です。欲しいダッシュボードを言葉で頼むだけで、Geminiがウィジェットを組み立てます。GmailやGoogleカレンダーといった自社アプリに接続したり、ウェブを検索したりして情報を集められるため、たとえば旅行なら航空券とホテル、レストランの予約、出発までのカウントダウンを1カ所にまとめる、という使い方が想定されています。デスクトップ画面そのものを自分用に組み替える発想です。

なお、Magic PointerとCreate My Widgetはインターネット接続が前提で、利用は18歳以上が対象と案内されています。

スマートフォンを持ち出さずに済ませる作り

Androidの技術スタックの上に構築されていることは、スマートフォンとの行き来にそのまま効いてきます。分かりやすいのが「Cast My Apps」で、スマートフォンに入れているアプリを、ノートPC側にインストールし直すことなくそのまま開けます。作業中に食事を注文したい、語学学習アプリの当日分を片付けたい、といった数分の用事のために画面を離れずに済みます。

ファイルの扱いには「Quick Access」が用意されます。Googlebookのファイルブラウザーからスマートフォン内のファイルを直接開き、検索し、そのまま文書に差し込めるため、転送という手順自体が不要になります。ただしこの2つを設定するには、Android 17以降のスマートフォンが必要です。

ハードウェア面では、天面や側面に入る「glowbar」と呼ばれる発光する帯が共通の目印になります。Googleはこれを、機能的であると同時に見た目の主張にもなるデザイン要素だと説明しています。第1弾はAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovoの5社が手掛け、サイズや形状は複数用意される見通しです。

予約開始の時点でも分かっていないこと

今回告知されたのは、あくまで予約が始まる日時だけです。価格帯、最初に並ぶ具体的な機種、搭載されるプロセッサーやディスプレイの仕様、そして実際に手元に届くタイミングは、いずれも公表されていません。Googleは出荷を今秋としており、5社がどのような価格で足並みを揃えるのかは、9月21日を待つことになります。

日本国内の扱いについても現時点で情報はありません。予約開始が案内されているのは米国向けの公式サイトで、国内での発売時期や価格は明らかになっていない状態です。Chromebookが日本では教育市場を中心に広がった経緯を考えると、フラッグシップ級で売るGooglebookがどの層に向けて投入されるのかは、国内の販売戦略を見てから判断したいところです。

まとめ

Googlebookの予約は9月21日に始まりますが、公開されたのは日時だけで、価格も機種も出荷時期も伏せられたままです。ChromeOSとAndroidを統合し、Magic PointerとCreate My WidgetでGeminiを操作の中心に置く、というコンセプトは5月から一貫しています。実機の仕様と価格が出そろう予約開始日が、この新カテゴリーの現実的な評価を下す最初の機会になります。