Appleは2026年6月8日、App Storeにデベロッパ向けの新機能を相次いで追加すると発表しました[1]。アプリのマーケティング手段の拡充、ユーザーへのおすすめの個別最適化、グループ購入を含む新しいサブスクリプションの仕組みまで、アプリビジネスの成長を後押しする更新が並びます。多くは今年中に順次提供される予定です。

アプリのマーケティングを強化する新機能

今年から、デベロッパは製品ページのヘッダや検索結果に表示されるリッチな画像やビデオを使い、App Store上で自分のアプリをより多彩に紹介できるようになります[1]。標準的なスクリーンショットやプレビューに加えて、ブランドの強調やシーズン限定オファーの告知、新コンテンツの紹介に活用できます。カスタムの製品ページや製品ページの最適化にも対応し、どの見せ方がユーザーの反応を得やすいかをテストできます。

あわせて、クリエイティブアセットやアプリプレビューのビデオ、スクリーンショットを1か所で管理できる新しいアセットライブラリも導入されます[1]。アップロードの重複をなくし、カスタムの製品ページやアプリ内イベントでアセットを再利用できるため、プロモーション全体の効率が上がります。デベロッパはアプリのアップデートとは別にアセットを提出してApp Reviewの承認を受けられるので、シーズンごとの画像差し替えやApple Adsのキャンペーンとの連携もタイミングを逃さず行えます。

パーソナライズで「見つけてもらう」体験を拡充

ユーザー側の発見体験も強化されます。App Storeは、ユーザーの関心にもとづく新しいパーソナライズコレクションと、特定のアプリをおすすめする理由を示すアプリノートを導入します[1]。これらは「アプリ」「ゲーム」「検索」の各タブに表示され、利用状況やダウンロード履歴に応じて少しずつ進化していきます。パーソナライズコレクションとアプリノートは今週、米国で英語版から提供が始まり、対応言語や地域は順次拡大される予定です。

ゲーム分野では、エディトリアルチームにゲーム内オファーや期間限定割引のプランを提案できる「フィーチャーノミネーション」機能が加わります[1]。提案が採用されると、特別なオファーをApple Gamesアプリに表示してプレイヤーの関心を引き付けられます。

グループ購入や一括購入など新しいサブスクリプション

収益化の面では、Appleのアプリ内課金を強化する新しいサブスクリプションの仕組みが用意されます[1]。StoreKit 2では、グループや組織向けにアプリ内課金を有効にする2つの構成オプションが追加され、複数ユーザーでの課金体験を実現しやすくなります。

具体的には、Apple BusinessおよびApple School Managerを通じた一括購入と、グループ購入の2種類です[1]。一括購入は、すでに大規模にアプリを調達している企業や教育機関の購入者にサブスクリプションを届ける仕組みで、ライセンスの割り当ては既存のデバイス管理ワークフローで管理できます。グループ購入は、1人の登録者が単一の購入を行ったあと、ほかのメンバーを招待して同じサブスクリプションへ参加してもらえる仕組みです。各メンバーは自分のアカウントで参加するため、誰が利用しているかの確認や管理も容易です。一括購入は今年の秋、グループ購入は今年の冬に利用可能になる予定です。

さらに、複数のデベロッパのアプリをまとめてお得な価格で提供できる新しいApp Store Bundlesや、解約手続き中に特別なオファーを提示できるリテンションメッセージも追加されます[1]。リテンションメッセージはApp Store Connectのすべてのデベロッパに提供されます。

提出の効率化と子どもの安全に配慮した「許容時間」

App Reviewまわりの効率化も進みます。複数のアプリ内課金と関連アイテムをグループ化し、1つの統一されたApp Reviewへの提出にまとめられるようになります[1]。Mac App StoreではアプリやゲームのIntelへの対応が不要になり、デベロッパはAppleシリコンのみのバイナリを配布できるため、複数ビルドを維持する手間が省けます。

子どもの利用に配慮した機能も加わります。iOS 27、iPadOS 27、macOS 27では、保護者が子どもやティーンエイジャーのアプリ利用時間を「エンターテインメント」「ゲーム」「ソーシャルメディア」などのカテゴリ単位で柔軟に管理できる新しい許容時間機能が用意されます[1]。これに対応するため、7月からApp Store Connectの年齢制限に関する質問がアップデートされ、デベロッパは自分のアプリにソーシャルメディア機能が含まれるかどうかを明記します。アプリは「ソーシャルメディア」「エンターテインメント」「ゲーム」「その他」の適切なカテゴリに分類され、保護者がより正確な情報にもとづいて設定を選べるようになります。

まとめ

今回の発表は、マーケティング、ユーザーへの発見、サブスクリプションの販売方法、提出プロセス、そして子どもの安全という幅広い領域にまたがるものです。一括購入やグループ購入といった新しい収益化の選択肢は、個人クリエイターから企業・教育機関まで対象を広げており、アプリビジネスの裾野を押し広げる内容と言えるでしょう。多くの機能は今年中に順次提供される見込みで、デベロッパは早めに対応の準備を進めておきたいところです。

出典:https://www.apple.com/jp/newsroom/2026/06/apple-expands-app-store-capabilities-to-help-developers-grow-and-reach-new-users/