Appleが9月9日、オープンイヤー型の新モデル「AirPods 5」を発表しました。耳をふさがない形状のまま、アクティブノイズキャンセリング(ANC)で除去できる雑音の量を従来比で最大50パーセント増やしたのが最大の変更点です。価格は23,800円(税込)、ワイヤレス充電ケース付きモデルが27,800円(税込)で、予約は9月9日から、発売は9月18日となります[1]。

耳をふさがずに雑音を50パーセント多く消す

オープンイヤー型のイヤホンは、耳の穴を密閉しないぶん装着感が軽く、長時間つけていても疲れにくい代わりに、外の音がそのまま入ってきます。ANCとは本来相性が悪い形状で、密閉型ほど効きにくいのが常識でした。

AirPods 5はここに新しいマルチポートの音響アーキテクチャと、改良したコンピュテーショナルオーディオのアルゴリズムを持ち込みました。Appleの説明では、アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4と比べて最大50パーセント多く雑音を除去できるとしています。この数値はIEC 60268-24の規格に沿って、2026年7月にiPhone 17とペアリングした状態でテストされたもので、比較対象は当時市販されていた販売台数の多いワイヤレスオープンイヤーヘッドフォンです[1]。

消す方向だけでなく、取り込む方向も手が入っています。外部音取り込みモードは声や周囲の音をより自然に再現するようになり、周囲の状況に応じて外部音取り込みとANCを動的に混ぜる適応型オーディオ、話し始めると音量が下がる会話感知も引き続き使えます[1]。

音づくりはAirPods Pro 3から引き継いだ

音質面では、上位機であるAirPods Pro 3の設計思想を持ち込んだと説明されています。マルチポートの音響アーキテクチャに次世代のアダプティブイコライゼーションを組み合わせ、耳の形の個人差が大きくても破綻しにくい鳴り方を狙ったものです[1]。

オープンイヤー型は装着位置がずれやすく、低音の量感が人によって大きく変わります。イコライザーを装着状況に合わせて動かす方向で詰めてきたのは、その弱点への回答と読めます。パーソナライズされた空間オーディオもより立体的になるとされています[1]。

ハンズフリーのSiri AIとライブ翻訳

Apple Intelligenceに対応したiPhoneと組み合わせると、AirPods 5からハンズフリーでSiri AIを呼び出せます。iOS 27でベータ提供されるSiri AIは、メッセージやEメール、写真といった手元の情報を踏まえて答えたり、アプリの操作を代行したりできるアシスタントです。メッセージで友人がすすめていた曲を再生させる、Eメールに埋もれた予約確認からディナーの予定を引き出す、といった使い方が挙げられています[1]。

応答の仕方も変わります。Siriに返事をするとき、うなずけば「はい」、首を横に振れば「いいえ」として伝わるため、声を出せない場面でも操作できます。ライブ翻訳は両方の軸を同時に押すか、「Hey Siri、ライブ翻訳を開始」と話しかけるか、iPhoneのアクションボタンから起動でき、この機能はAirPodsの全ラインナップで使えるようになりました[1]。

ただし時期には注意が必要です。Apple Intelligenceは9月15日にiOS 27で利用できるようになりますが、Siri AIは同日にベータとして提供が始まる段階で、対応言語は当初英語のみです。日本語への対応は10月が予定されています[1]。日本のユーザーが発売直後からSiri AIをフルに使えるわけではない点は押さえておきたいところです。

4,000円差のワイヤレス充電ケース付きモデル

上位にあたるワイヤレス充電ケース付きAirPods 5は、標準モデルとの差が明確です。オープンイヤー型としては初めて音量スワイプに対応した感圧センサーが載り、軸を上下になぞるだけで音量を変えられます[1]。

バッテリーも再設計され、ANCを有効にした状態で1回の充電あたり最大5時間の再生が可能になりました。アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4より1時間長い計算です。充電ケースと合わせればANC有効で最大22時間再生でき、ケースはApple Watchの充電器、Qi規格の充電器、USB-Cのいずれにも対応します[1]。

環境面では、本体全体で再生素材を40パーセント使用し、ワイヤレス充電ケースには再生プラスチックを70パーセント、バッテリーには再生コバルトを100パーセント使っています。製造時の再生可能エネルギー比率はサプライチェーン全体で35パーセントとされています[1]。

価格と発売日

日本、米国を含む65以上の国と地域で9月9日から予約を受け付け、9月18日(金)に発売されます。価格は標準モデルが23,800円(税込)、ワイヤレス充電ケース付きが27,800円(税込)です[1]。米国での価格は129ドル(約2万円)と149ドル(約2万3,000円)で、日本の税込価格とは開きがあります[2]。

※1米ドル=154円換算(2026年9月9日時点)

防塵性能と耐汗耐水性能も従来モデルより高められており、日常的に持ち歩く前提での耐久性を意識した作りになっています[1]。

まとめ

AirPods 5の焦点は、オープンイヤー型という装着感を保ったまま、これまで密閉型の領分だったANCをどこまで引き上げられるかという1点にあります。従来比で最大50パーセントという数字が実際の通勤電車やカフェでどう効くかは実機を待つほかありませんが、23,800円という価格でここまで機能を詰め込んできたのは確かです。一方でSiri AIの日本語対応は10月以降となるため、その部分を目当てに買う場合は少し待つ判断もありえます。

出典[1]:Apple Newsroom(日本)

出典[2]:Apple Newsroom(米国)