Amazon は 2026 年 4 月 23 日、グローバルストアにおけるお客様・販売事業者様・ブランド保護の取り組みをまとめた初の「Trustworthy Shopping Experience Report」を公開しました[1][2]。執筆はワールドワイドカスタマー・アンド・パートナートラスト部門統括責任者の Rohan Oommen 氏で、AI を活用した予測的な検知に軸を移し、2025 年には数億件と推定される偽レビューを掲載前にブロックしたことが明らかにされています[1][3]。
AI で偽レビュー数億件を掲載前にブロック
Amazon は 2021 年から毎年「Brand Protection Report」を公開してきましたが、今回は模倣品対策にとどまらず、組織的な小売犯罪・製品安全・詐欺防止・レビューの信頼性まで対象範囲を広げたうえで、初のレポートとしてリブランディングしています[1]。
レビュー信頼性の領域では、商品ページに表示される前のレビュー数十億件について、1995 年まで遡るレビューデータを含む数千のデータポイントを分析する自動システムが稼働しています[1]。同社はこの仕組みによって、2025 年だけで数億件規模の偽レビューを掲載前段階でブロックしたと説明しています[1][3]。
商品ページ側でも、自動化技術と AI が出品者の活動と詳細ページへの変更試行を毎日数十億件スキャンし、テキスト・画像・出品行動・サプライチェーンのパターンといった多モーダルなシグナルを統合して不正の兆候を検知する構成です[1]。さらに 2025 年は、商品リスト掲載前に安全関連の重要情報の可読性を機械学習で検証する「Omniscan」を、米国・カナダ・英国・トルコ・サウジアラビア・ヨーロッパのフルフィルメントネットワークに展開し、1,200 万点以上の商品の画像セットを生成したとしています[1][4]。
早期警告と SENTRIX で IP 共有前から侵害出品を遮断
予測型の運用も具体的な数字で示されました。新ブランドや新商品に対する脅威をカタログ登録前に検知する「早期警告システム」は、ソーシャルメディアや他の小売業者からのリアルタイムシグナルを統合し、ブランドオーナーが新しい知的財産権(IP)を共有する前の段階でも侵害可能性を推定できる構成です[1][2]。2025 年の事例として、ソーシャルメディアでトレンド化していた新ブランド商品への悪質業者の攻撃をいち早く察知し、ブランドオーナーが IP を共有するより 8 日前に侵害リスクのある出品をブロックしたと紹介されています[1][3]。
詐欺サイト対策では、フィッシングサイトを自動検出する AI 技術「SENTRIX」を導入済みで、フィッシング URL の削除成功率を 10 % 以上向上させたとしています[1][4]。2025 年に Amazon が法的措置を講じてフェイクレビューや詐欺を助長していた閉鎖サイトは 100 を超え、米国全土の司法長官が主導する組織的小売犯罪(ORC)タスクフォースにも 10 件参加しました[1][3]。
模倣品犯罪対策チーム(CCU)の累計実績にも触れられており、2020 年の発足以来、14 か国で 32,000 件以上の悪質業者に対して訴訟や刑事告発を行ってきたとされています[1][2]。2025 年単年では、世界中で 1,500 万点以上の模倣品を突き止めて押収し、中国の法執行機関およびブランドとの連携で模倣品の製造・流通業者に対する 70 件以上の強制捜査が成立したと報告しています[1]。
日本では「あんしんメール」6,000 万通、ベビーケア安全ハンドブックを展開
日本市場固有の取り組みも個別のセクションで紹介されました。2017 年に開始した独自プログラム「あんしんメール」では、特定商品の購入者に消費者安全の専門家や公的機関からの情報を届けており、2025 年は日本のお客様向けに 6,000 万通以上の安全情報メールを配信したとしています[1]。
米国で先行展開していたベビーケア安全性ハンドブックは、2025 年 12 月から日本でも提供を開始しました[1]。赤ちゃんの移動・食事・安全な睡眠など 7 つの安全性カテゴリーを網羅する内容で、新しく家族を迎える顧客向けのリソースとして位置付けられています[1]。毎年 11 月の Amazon Product Safety Month(製品安全総点検月間)では、経済産業省や日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)、製品評価技術基盤機構(NITE)などと連携し、14 回の社内外セッションを開催したと記されています[1]。
7 か国で 34 の消費者団体と連携し、71 の重要テーマで安全情報を提供したことも今回のレポートで初めて開示された数字です[1][2]。「リコールと商品の安全性に関するお知らせ」ページでは、政府がリコールを発表した際に対象のお客様へパーソナライズされた通知が届く仕組みも公式に説明されました[1]。
まとめ
Amazon は「Trustworthy Shopping Experience Report」の公開で、模倣品対策中心だった従来の Brand Protection Report を、予測型 AI を軸にした包括的な信頼性レポートへと再編しました。偽レビュー数億件のブロック、IP 共有前の侵害出品検知、模倣品 1,500 万点押収といった数字を一括で開示した点が今回の特徴で、レポート全文は Trustworthy Shopping サイトで公開されています[2]。
出典:https://www.aboutamazon.jp/news/innovation/amazon-2025-trustworthy-shopping-experience-report
出典:https://trustworthyshopping.aboutamazon.com/2025-trustworthy-shopping-experience-report
出典:https://www.aboutamazon.com/news/policy-news-views/amazon-trustworthy-shopping-experience-report-2025
出典:https://trustworthyshopping.aboutamazon.com/eight-ai-innovations-enhancing-trust-amazon-shopping
