Amazonのノート機能付き電子書籍リーダー「Kindle Scribe」シリーズが刷新され、6月10日に国内で出荷が始まりました。最大の目玉は、シリーズで初めてカラー表示とカラーでの手書きに対応した「Kindle Scribe Colorsoft」の登場です。あわせて通常モデルとフロントライト非搭載モデルも一新され、全モデルで薄型化・軽量化・高速化が図られています。本記事では新シリーズの中身と価格を整理します。

カラーで「読む」だけでなく「書ける」Colorsoft

Kindle Scribe Colorsoftは、Kindle Scribe史上初のカラーディスプレイ搭載モデルです。カラー対応の電子書籍やPDFを色付きで表示できるのはもちろん、手書きノートにも10色のペンと5色のハイライターを使えます。マンガの注釈や資料のマーキングなど、これまでモノクロで我慢していた用途に色という情報量が加わるのは大きな変化です。

ディスプレイには、Amazonが独自にカスタマイズしたColorsoftディスプレイ技術を採用しています。カラーフィルターと窒化物LEDを使ったライトガイドを組み合わせ、ディテールを保ったまま色彩表現を高めつつ、目が疲れにくい柔らかな発色を狙った設計です。さらにカラー手書きのために新しいレンダリングエンジンを開発し、色を表現しながらも高速で滑らかな書き味を確保したとしています。

アーティスト向けには、なめらかなグラデーションや繊細なトーンを表現できるシェーディング機能も新たに搭載されました。ラフスケッチやアイデア出しの道具として使いたい人には気になる追加要素です。

注意したいのは、カラー表示の対象はカラーに対応したコンテンツのみという点です。モノクロの書籍を自動でカラー化するような機能はないため、手持ちのライブラリがモノクロ中心の人は、カラーの恩恵をどこで受けられるかを購入前に考えておくとよいでしょう。

全モデル共通で薄型・軽量・高速化

新シリーズは3モデルとも本体デザインを刷新し、厚さ約5.4mm、重さ約400gという薄型・軽量ボディになりました。ディスプレイは従来より大きい11インチの反射防止仕様で、フルサイズの文書も読みやすく、メモ取りにも余裕のあるサイズです。11インチクラスの端末で400gという重さは、タブレットと比べてもかなり軽い部類に入ります。

書き心地まわりの改良も多岐にわたります。新しいテクスチャ成形ガラスがペン先に紙のような適度な抵抗感を生み、再設計されたディスプレイスタックによって視差(画面とペン先のズレ)もさらに縮小されました。フロントライトは小型化したLEDを従来の2倍搭載してディスプレイに密着させる方式となり、ベゼルの狭さと照明の均一さを両立しています(フロントライト非搭載モデルを除く)。

性能面では新しいクアッドコアチップと増量されたメモリ、最新のOxideディスプレイ技術により動作が全体的に俊敏になりました。通常モデルとフロントライト非搭載モデルでは、手書きとページめくりの速度が2024年発売の前モデル比で約40%向上したとされています。

ノート機能はクラウド連携が大幅強化

ソフトウェア面の進化も今回の世代の見どころです。新しいホーム画面にはクイックノートが追加され、思い付いたことをすぐに書き留められるようになりました。Google DriveとMicrosoft OneDriveからの文書インポートに対応し、取り込んだ文書にそのままメモを書き込めます。作成したノートはMicrosoft OneNoteへエクスポートでき、PC側で編集を続けることも可能です。

ノート・本・文書をフォルダー別に整理できるワークスペース機能も加わり、仕事の資料置き場として運用しやすくなりました。電子書籍リーダーでありながら、デジタルノートとしての完成度を高めてきた印象です。

ラインアップと価格 カラーへの上乗せは1万7000円

国内で販売される新シリーズの価格は以下の通りです(いずれも税込)。

モデル容量価格カラー
Kindle Scribe Colorsoft32GB106,980円グラファイト
Kindle Scribe Colorsoft64GB115,980円グラファイト、フィグ
Kindle Scribe32GB89,980円グラファイト
Kindle Scribe64GB98,980円グラファイト
Kindle Scribe フロントライト非搭載モデル16GB72,980円グラファイト

同じ32GBで比べると、Colorsoftと通常モデルの差額は1万7000円です。カラーでの読書や手書きに価値を感じるかどうかが、そのままモデル選びの分かれ目になります。一方、なるべく出費を抑えてペン入力対応の大画面Kindleを手に入れたい人には、7万円台のフロントライト非搭載モデルという選択肢が用意されたのも今回の世代の特徴です。

アクセサリーとしては、Amazon純正の植物性レザーカバー(13,480円)、プレミアムレザーカバー(17,980円)に加え、新たに手帳型プレミアムレザーカバー(20,980円)もラインアップされています。

まとめ

新しいKindle Scribeシリーズは、カラー対応のColorsoftという新たな最上位モデルを加えつつ、全モデルで書き心地と携帯性を底上げした世代交代です。クラウド連携の強化により、読書端末とデジタルノートの境界はさらに曖昧になってきました。カラーが必要ならColorsoft、モノクロで十分なら通常モデル、価格重視ならフロントライト非搭載モデルと、選択肢が明確に整理されたのも歓迎できるポイントです。電子ペーパーで読み書きする環境を検討している人は、この機会にラインアップを見比べてみてはいかがでしょうか。