ソニーが8月4日、35mmフルサイズ対応Eマウントの超望遠ズームレンズ「FE 100-400mm F5.6-8 OSS」(型番SEL100400)を発表しました。発売は9月4日、市場推定価格は14万円前後です。同じ100-400mmの焦点域を持つG Masterと比べて開放F値を絞り込み、質量を約654gまで落としたのが最大の特徴になります。予約受付は8月18日10時から始まります。

400mmまで伸ばして654gという設計

超望遠ズームが敬遠されがちな理由は、価格よりもまず重さです。100-400mmクラスは1kgを大きく超える製品が珍しくなく、三脚や一脚を前提にした運用になりがちでした。今回のレンズは外形寸法が約78.2×164.5mm、質量が約654gで、フィルター径も67mmに収まっています。数字だけを見れば標準ズームに近い重さで、手持ちで一日持ち歩く前提の設計だと分かります。

その代わりに払っている対価が、開放F値です。ワイド端でF5.6、テレ端ではF8まで暗くなるため、日中の屋外や明るいスタジアムが主戦場になります。夕方の鳥や薄暗い体育館まで狙うなら、ISO感度を上げる余地のあるボディと組み合わせるのが現実的です。

光学系はレンズ構成が10群15枚で、EDガラスを2枚、非球面レンズを2枚使っています。EDガラスは色収差、いわゆる望遠で出やすい輪郭の色にじみを抑える役割を担う素材です。絞り羽根は9枚の円形絞りで、背景のボケが角張りにくい構成になっています。

寄れる超望遠としての一面

意外に効いてきそうなのが最短撮影距離です。ワイド端で1.13m、テレ端で0.86mまで寄れて、最大撮影倍率は0.41倍に達します。0.41倍というのはハーフマクロに近い数字で、超望遠ズームとしてはかなり寄れる部類です。遠くの被写体を引き寄せるだけでなく、花や昆虫を圧縮効果込みで大きく写す使い方まで1本でこなせます。

さらにテレコンバーター「SEL14TC」(1.4倍)と「SEL20TC」(2.0倍)の装着にも対応しています。2.0倍を付ければ焦点距離は最大800mmに届きます。当然その分だけ開放F値は暗くなりますが、月や遠方の野鳥を狙う場面で選択肢が増えるのはありがたいところです。

操作系とフォーカスモード/レンジ切り替え

AF駆動にはリニアモーター駆動を採用し、α9 IIIでの最大120コマ/秒の高速連写にも追従します。光学式手ブレ補正も内蔵しており、手持ちで振り回す使い方を前提にした構成です。

鏡筒には、カスタマイズ可能なフォーカスホールドボタン、フォーカスモード/レンジ切り替えスイッチ、ズームロックスイッチが並びます[1]。フォーカスモード/レンジ切り替えスイッチは、AF/MFの切り替えとフォーカスリミッターを1つのスイッチにまとめたものです。フォーカスリミッターはピント合わせの範囲を制限してAFの迷いを減らす機能で、遠くの被写体を追い続ける超望遠では実用度が高い装備です。動きの速い被写体を追っている最中に、指の位置を変えずに設定を切り替えられる点が効いてきます。

各部にはシーリングを施し、防塵・防滴に配慮した設計としています。付属品には丸型バヨネット式の専用レンズフード「ALC-SH188」が含まれます。

価格と入手のしやすさ

日本国内の市場推定価格は14万円前後(税込)で、予約は8月18日10時から、発売は9月4日です。米国での希望小売価格は849.99ドル(約13万4,000円)で、こちらも9月の発売が予定されています。

※1ドル158円換算

100-400mmという焦点域は、これまで開放F4.5クラスのG Masterが担ってきた領域です。そこに開放F値を落とした軽量モデルが加わることで、超望遠を試したい人が最初に手を出す1本という位置付けがはっきりします。上位機のような明るさは望めませんが、望遠端の画角と携帯性を優先するなら十分に釣り合う内容です。

まとめ

FE 100-400mm F5.6-8 OSSは、100-400mmの焦点域を約654gにまとめた超望遠ズームです。開放F値をF5.6-8に抑える代わりに、質量と価格の両方を下げてきました。0.41倍の最大撮影倍率、テレコン対応、AF/MF切り替えとフォーカスリミッターを兼ねたフォーカスモード/レンジ切り替えスイッチなど、実用面の作り込みも入っています。市場推定価格は14万円前後で、予約開始は8月18日10時、発売は9月4日です。

参考リンク