10型クラスの小型ノートを作り続けているCHUWIが、MiniBook Xシリーズの新モデル「MiniBook X U300」を投入しました。これまでのN100やN150といった省電力4コアから、Pコアを1基持つIntel U300へ中身を入れ替えたのが今回の要点です。360度ヒンジで4通りの姿勢に変形する構造と920gという重さはそのままに、処理性能とグラフィックス性能を一段引き上げてきました。

変わったのは中身、Pコアが1基入った

MiniBook Xの型番に付く「U300」は、そのまま搭載プロセッサーの名前です。Raptor Lake世代のIntel Processor U300で、構成は5コア6スレッド、最大4.4GHzで動作します。キャッシュは8MB、製造プロセスはIntel 7です。

これまでのMiniBook Xが積んでいたN150は4コア4スレッドで最大3.6GHz、N100は同じく4コア4スレッドで最大3.4GHzでした。いずれも高効率コア(Eコア)だけの構成です。対してU300はPコアを1基とEコアを4基組み合わせたハイブリッド構成なので、シングルスレッド性能の伸びしろが大きく、ブラウザーの表示やOfficeの操作といった「1つの処理を素早く終わらせたい場面」で差が出やすくなります。

グラフィックスの変化はさらに分かりやすく、実行ユニット(EU)が24基から48基へ倍増しました。最大動作クロックは1.1GHzです。4K動画の再生や軽めの写真編集、負荷の軽いゲームでの余裕が、数字の上では2倍近くになった計算になります。

画面は10.51型WUXGA、16:10で縦が広い

ディスプレイは10.51型のIPSタッチパネルで、解像度は1920×1200ドットです。アスペクト比は16:10、色域はsRGBカバー率100パーセント、輝度は最大300ニトとされています。画面占有率は90パーセントで、ベゼルはかなり細く仕上がっています。

10型台前半という画面サイズは、Webブラウズや文書作成には足りるものの、表計算やコード編集で複数のペインを並べるには厳しい領域です。ただし16:10で縦方向に1200ドットあるため、16:9の1366×768といった一昔前のネットブックとは体験がまったく違います。

4モードに変形、920gで最薄部11mm

360度回るヒンジによって、ノートPC、タブレット、テント、スタンドの4つの姿勢を取れます。手書きメモを取るときはタブレット、動画を見るときはスタンド、狭い机で資料を見せるときはテントといった具合に、置き方を場面に合わせて選べるのが2-in-1の利点です。

本体サイズは244×166.4×17.2mm、重量は約920gです。CHUWIは最薄部で11mmとしています。筐体は航空機グレードのアルミ合金によるユニボディで、価格帯を考えると質感には力を入れた作りです。

キーボードは、この本体サイズでもフルサイズのキー配列を確保し、バックライトを備えます。周囲のフレームは3mmまで詰められており、10型ボディでキーピッチを稼ぐための設計だと分かります。タッチパッドも面積の大きいものが載っています。

メモリーは固定、ストレージだけ交換できる

メモリーは16GBのLPDDR4Xで、基板直付けのため後から増やせません。ストレージは512GBのPCIe 3.0接続SSDで、こちらはM.2 2280スロットが1基空いており、PCIe 4.0対応のSSDやSATA III接続のSSDに載せ替えられます。容量が足りなくなったときの逃げ道が用意されているのは、長く使ううえで効いてくる部分です。

冷却は空冷ファンにヒートパイプと銅フィンを組み合わせた構成です。ファンレスではないぶん、負荷が続いてもクロックが落ちにくい設計を狙っているとみられます。

端子は最小限、電源はUSB Type-Cに統一

インターフェースはフル機能のUSB 3.2 Gen 1 Type-Cが2基と、3.5mmオーディオジャックが1基です。USB Type-Cの2基はどちらもデータ転送、PD給電、DisplayPortでの映像出力に対応しているので、左右どちら側からでも充電でき、外部ディスプレイもつなげます。

USB Type-A端子やカードスロットは省かれているため、周辺機器を多くつなぐ人はハブが前提になります。付属の電源アダプターは12V/3A、つまり36W出力のUSB Type-C仕様です。バッテリー容量は28.88Wh(7.6V/3800mAh)と控えめで、外出時は充電器を持ち歩く前提の設計と考えたほうがよさそうです。

無線はWi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応し、前面カメラは200万画素です。

OSがWindows 11 Proに格上げされた

見落としやすい変更点として、プリインストールされるOSがWindows 11 Proになりました。従来のMiniBook XはWindows 11 Homeでしたので、BitLockerによるドライブ暗号化やリモートデスクトップのホスト機能、グループポリシーの管理機能などが標準で使えるようになります。

小型ノートを社内資産として配布したい、あるいは持ち出し用のサブ機として暗号化を効かせておきたいといった使い方では、この差は小さくありません。Homeから単体でProへアップグレードすると1万円以上かかることを考えると、実質的な値引きに近い意味を持ちます。

価格は469ドル、N150モデルとの選び分け

MiniBook X U300は、発売時点でのプロモーション価格が469ドル(約7万4000円)に設定されています。30ドル(約4,700円)の割引クーポンも用意されており、割引の適用期間は2026年8月19日までとされています。

※1米ドル=157.6円換算(2026年8月4日時点)

CHUWI自身が公開している比較表では、U300モデルを「ビジネス用途やマルチタスク、軽量重視」、N150モデルを「学生や日常のオフィス作業」、N100モデルを「予算重視で基本的な作業」と位置づけています。処理性能とWindows 11 Proが要るかどうかが、そのまま選び分けの基準になります。

項目 MiniBook X U300 MiniBook X N150 MiniBook X N100
CPU Intel U300 Intel N150 Intel N100
アーキテクチャ Raptor Lakeハイブリッド(Pコア1+Eコア4) Twin Lake(Eコア4のみ) Alder Lake-N(Eコア4のみ)
コア/スレッド 5コア/6スレッド 4コア/4スレッド 4コア/4スレッド
最大クロック 4.40GHz 3.60GHz 3.40GHz
キャッシュ 8MB 6MB 6MB
GPU UHD Graphics(48EU/1.10GHz) Intel Graphics(24EU/1.0GHz) UHD Graphics(24EU/750MHz)
OS Windows 11 Pro Windows 11 Home Windows 11 Home

まとめ

MiniBook X U300は、10.51型WUXGAタッチパネルと360度ヒンジ、920gの筐体という従来の骨格を残したまま、プロセッサーをPコア入りのIntel U300へ、GPUを48EUへ、OSをWindows 11 Proへ引き上げたモデルです。メモリー16GBは固定ですが、512GBのSSDはM.2スロット経由で交換できます。端子はUSB Type-C2基と3.5mmジャックのみと割り切っており、バッテリーも28.88Whと控えめです。発売時のプロモーション価格は469ドル(約7万4000円)で、小さいだけのマシンから一歩踏み出した構成になっています。