MSIの小型デスクトップ「Cubi 5 1M」が、米国で販売を開始しました。容積0.83リットルの筐体にIntelのCore 3-100U、Core 5-120U、Core 7-150Uのいずれかを収め、メモリとストレージを載せていないベアボーン構成なら329.99ドル(約5万3000円)です。全構成が2026年8月1日から出荷されます。製品自体は1年ほど前に披露されていたもので、ようやく実際に買える段階へ進みました。

手のひらに載る大きさで、モニター裏に隠せる

本体の寸法は124×124×53.7mm、容積にすると0.83リットルです。重量は0.6kgで、モニターの背面に取り付けるためのVESAマウントは75×75mmと100×100mmの両方に対応します。電源は65WのACアダプターですので、机の上に置く場合でも配線は電源1本と映像1本から始められます。

小型デスクトップは、性能を欲張るほど筐体が大きくなり、置き場所の自由さと引き換えになります。Cubi 5 1Mはその天秤を置き場所側に振った製品です。実際、MSIが想定している用途として挙げているのは店舗のレジ回りやデジタルサイネージ、教育現場、官公庁といった、置く場所も配線もあらかじめ決まっている環境が中心です。

3種類のCPUと4つの価格帯

米国で用意されたのは4つの構成です。ベアボーンのCore 3-100U版が329.99ドル(約5万3000円)、Core 5-120U版が399.99ドル(約6万4000円)、Core 7-150U版が529.99ドル(約8万5000円)となっています。ここに16GBのメモリと1TBのSSDを組み込んだCore 7-150U版も選べますが、こちらは1,209.99ドル(約19万5000円)まで跳ね上がります。

※1ドル161円換算(2026年7月31日時点)

3種類のCPUはいずれもIntelのRaptor Lake-U系で、内蔵グラフィックスを使います。最新世代のAI向け演算器を積んだチップではありませんので、生成AIをローカルで動かすような用途には向きません。文書作成、表計算、ブラウザーでの業務、動画再生といった日常的な処理を静かに回し続ける役回りと考えるのが妥当です。

価格の並びを見ると、ベアボーンの3構成が素直に階段状に上がるのに対し、メモリとストレージ込みの完成品だけが極端に高く見えます。差額でメモリとSSDを買っても十分に釣りが来る計算ですので、自分で組み込む手間を惜しまないなら、ベアボーンを選ぶ理由は明確です。

端子は小型機としてはかなり多め

この大きさとしては端子が充実しています。前面にThunderbolt 4が1基、10Gbps対応のUSB Type-Aが2基、マイク入力とヘッドホン出力の兼用端子が1基。背面には10Gbps対応のUSB Type-Aがさらに2基、HDMI出力が1基、DisplayPort 1.4が1基、そして有線LANが2.5GbEと1GbEの2系統並びます。側面にはケンジントンロックと、外付け電源スイッチ用のピンヘッダーも用意されています。

LANポートが2つあるのは、この価格帯の小型デスクトップとしては目を引く部分です。ルーターやファイアウォールの用途、あるいは業務用の閉じたネットワークと外向けの回線を分けたい場面で効いてきます。映像出力はThunderbolt 4を含めて最大3画面までの同時出力に対応します。

無線はIntelのWi-Fi 6E AX211を搭載する構成と、Wi-Fi 5のモジュールを搭載する構成があり、Bluetoothはそれぞれ5.3と5.0です。購入時にどちらの構成なのかは確認しておいたほうがよさそうです。

メモリの規格表記に食い違いがある

注意しておきたい点が1つあります。MSIの公式仕様表では、メモリはDDR5-5200のSO-DIMMを2枚まで、最大64GBと記載されています。一方、米国Amazonに掲載された構成ではDDR4-3200として案内されており、規格が一致していません。

メモリを自分で用意するベアボーン構成では、この違いはそのまま買い間違いにつながります。DDR4とDDR5はモジュールの形状が異なるため、規格を取り違えると物理的に装着できません。購入前に販売ページの記載を確認し、可能であれば実機に付属するマニュアルの表記まで見ておくのが安全です。

ストレージ側は分かりやすく、PCIe Gen4 x4対応のM.2 2280スロットが1基と、2.5インチドライブ用のベイが1基です。SSDで速度を確保しつつ、大容量のHDDやSATA SSDを併設する構成が組めます。保証期間は3年です。

まとめ

Cubi 5 1Mは、0.83リットルという容積にThunderbolt 4と2系統の有線LANを詰め込んだ小型デスクトップです。ベアボーンなら329.99ドル(約5万3000円)から選べ、8月1日から出荷が始まります。CPUはRaptor Lake-U系ですので性能面での驚きはありませんが、置き場所を選ばず端子が揃っている点は日常業務向けとして分かりやすい強みです。メモリ規格の表記が公式仕様と販売ページで食い違っているため、ベアボーンを買う場合は事前確認をおすすめします。