Huaweiが8月5日に中国で開く発表会に向け、14型ノートパソコン「MateBook Pro S」の中身を自ら小出しにしています。重量798グラム、厚さ11.9mmという寸法に加えて、自社設計の新しいプロセッサ「Kirin XE90」を積むことも明かされました。同社はこの機種を14型として世界最軽量になると位置づけています。
798グラムに寄せるための作り
寸法は厚さ11.9mm、重量798グラムです。14型としては、Appleの13インチMacBook Airよりも軽い水準に収まる計算になります。数字だけを見ると誤植を疑いたくなるところですが、Huaweiは実現の手立てとして2つの要素を挙げています。
1つはマグネシウムリチウム合金の筐体です。もう1つは、マザーボードを3つに分けて配置する構成で、平らな板を1枚置く代わりに基板を分割し、部品の高さが偏らないように収めています。厚みを削るときに効いてくるのは、いちばん背の高い部品がどこにあるかですので、この作りは11.9mmという数字と直結しています。
すでに出回っている実機の写真からは、左右それぞれの側面にUSB Type-Cポートが1基ずつ、背面に2つのカメラ、そして通常のウェブカメラが確認できます。キーボードにはAI機能を呼び出す専用キーも用意されているようです。メモリは16GBから32GB、ストレージは512GBから1TBという構成が見込まれていますが、この部分はまだ確定情報として扱えません。
自社設計の「Kirin XE90」を初採用
搭載されるのはKirin XE90です。10個のCPUコアを持ち、最大2.45GHzで動作します。Huaweiの説明では、従来のKirin X90と比べてシングルコア性能が23パーセント向上し、電力効率は25パーセント改善しています。NPU(AI処理を担う演算器)の動作の滑らかさについては40パーセントの上積みをうたっています。
薄型ノートパソコンでは、チップの素の性能よりも「発熱をどこまで許せるか」が実際の速さを決めます。電力効率を25パーセント引き上げたという説明は、798グラムの筐体に収める前提を考えると、性能値そのものより重い意味を持つ部分でしょう。
電池と冷却は細かい積み上げ
電池には負極にシリコンを10パーセント使ったセルを採用しました。従来のセルに対してエネルギー密度が15パーセント高く、重量は10パーセント軽いとしています。これで動画再生は最長18時間、さらに本体の両側から66Wの逆急速充電にも対応します。
冷却側では、3D形状の羽根を102枚並べたダイヤモンドアルミファンを載せ、風量を20パーセント増やしました。これにより最大20Wぶんの性能を引き出せるとしています。加えてMateBookとして初めてスーパーチャージポンプ技術を採り入れ、駆動時間を1時間延ばしました。電力管理の作り込みでさらに3.7時間、セラミック複合の放熱パッケージと基板のマイクロホール熱伝導プロセスによってチップ自体の発熱処理を70パーセント改善したと説明しています。
通信面ではWi-Fi 7+に対応し、超薄型パソコンとしては初めて、キロメートル級の長距離ネットワーク接続に対応するとしています。この機能がどのような使い方を想定したものかは、発表会での説明を待つことになります。
同じ日に折りたたみPCも登場
8月5日の発表会は、MateBook Pro S単独のものではありません。18型の折りたたみパソコン「MateBook Fold Ultimate Design」の2026年モデルも同時に登場します。こちらは3.3Kの二層OLED、スタイラス対応、そして性能を25パーセント高めたKirin X90 Plusを備えるとされています。ほかにMatePad Proの新型、スマートフォンのnova 16 SE、RGB MiniLEDのテレビも並ぶ予定です。
中国以外での販売については、いずれの製品も現時点で案内がありません。Huaweiの直近のパソコンは自社チップと自社OSで固めた構成が続いており、MateBook Pro Sもその流れの上にあります。国外で買える見込みは薄いものの、798グラムという数字が実際にどこまで通用するのかは、8月5日以降のレビューで見えてくるはずです。
まとめ
MateBook Pro Sは、14型で798グラム・11.9mmという寸法に、自社設計のKirin XE90を組み合わせた薄型ノートパソコンです。マグネシウムリチウム合金の筐体と3分割マザーボード、シリコン負極の電池、102枚羽根のファンといった要素を積み上げて、18時間の動画再生を成立させたとしています。正式な仕様と価格は8月5日の発表会で明らかになります。
