3リットルの小型筐体にノート向けの上位GPUを詰め込んだASUSのゲーミングミニPC「ROG NUC 16」に、価格を抑えた新構成が加わりました。プロセッサをIntel Core Ultra 7 270HX Plus、グラフィックスをGeForce RTX 5060 Laptop GPUに落とし、米国では2,499ドル(約40万円)で予約を受け付けています。出荷は2026年8月1日からの予定です。

※1ドル約161円換算(2026年7月31日時点)

上位構成から1,300ドル下げた新しい入口

ROG NUC 16はもともと、Core Ultra 9 290HX PlusとRTX 5080 Laptop GPUを積んだ3,799ドル(約61万円)のモデルで登場したシリーズです。その後にRTX 5090 Laptop GPUを載せた特別仕様が5,999ドル(約97万円)から追加され、価格帯は上へ上へと伸びていました。

今回の構成は、その流れとは逆方向に振ったものです。上位構成との価格差は1,300ドル(約21万円)で、シリーズの入口が一段下がりました。組み合わせはCore Ultra 7 270HX PlusとRTX 5060 Laptop GPU、メモリーはDDR5-6400の32GB、ストレージはPCIe Gen 4接続という内容です。

RTX 5080からRTX 5060へ落ちる分、フレームレートの上限は当然下がります。ただしBlackwell世代のRTX 50シリーズは、DLSS 4.5のDynamic Multi Frame Generationで描画コマ数を補う仕組みを持っています。4K最高設定で常に余裕を持たせたい人にはRTX 5080構成のほうが向きますが、フルHDから1440pで遊ぶ用途であれば、この構成でも現行タイトルの多くは十分に動かせる範囲でしょう。

筐体と冷却は上位モデルと共通

価格が下がっても、ROG NUC 16というシリーズそのものの作りは変わりません。容積3リットルの筐体は付属スタンドで縦置きにも横置きにも対応し、内蔵のGセンサーが向きを検知して冷却設定を自動で切り替えます。カラーはObsidian BlackとMoonlight Whiteの2色です。

冷却は102×102×17mmのファンを3基並べ、CPUとGPUの両方に接触するベイパーチャンバーを組み合わせた構成です。ASUSはこの設計でCPU側の放熱能力を12パーセント引き上げ、負荷が続く場面でも動作音を38dB(A)未満に抑えられるとしています。SSD専用のヒートシンクも備え、装着しない場合と比べて発熱を18.5パーセント減らし、動作温度を59度まで下げられるという説明です。

筐体は落下試験や衝撃試験を通したMIL-STD-810Hの基準もクリアしています。電源アダプターのワット数はSKUによって変わり、今回のRTX 5060構成には280W(20V/14A)のアダプターが付属します。RTX 5080などの上位構成に付く380Wアダプターは、前世代のROG NUC(2025)用と比べて出力が15パーセント高く、重量は18パーセント軽くなっています。

メモリーとSSDは工具なしで増設できる

小型PCで気になるのは後から手を入れられるかどうかですが、ROG NUC 16はメモリースロットを2本備え、DDR5-6400のCSODIMMで最大128GBまで拡張できます。今回の構成は32GB搭載なので、用途に応じて後から積み増す余地があります。

M.2スロットも2基あり、片方はPCIe Gen 5、もう片方はPCIe Gen 4に対応します。メモリーとSSDのどちらも工具を使わずにアクセスできる設計で、購入時に上位構成を選ばず、あとから自分で容量を足していく買い方も成り立ちます。

端子とネットワークは小型機として手厚い部類

インターフェースは、20GbpsのUSB 3.2 Gen2 Type-Cが1基、10GbpsのUSB 3.2 Gen2 Type-Aが前面2基と背面4基、Thunderbolt 4、DisplayPort 2.1(UHBR20)が2基、HDMI 2.1 FRLが2基、2.5ギガビット対応の有線LAN、3.5mmヘッドセット端子という構成です。

映像出力はHDMI 2.1とDisplayPort 2.1、Thunderbolt 4を合わせて4Kディスプレイを最大5台まで、DisplayPort 2.1経由なら8K/60Hzを2台まで扱えます。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、Wi-Fi 7では320MHz幅のチャネルを利用できます。ソフトウェア面ではArmoury Crateによるファン制御やハードウェア監視、複数端末で画面を共有するGlide X3、HDMI CEC経由でモニターと電源を連動させるPower Syncが使えます。

まとめ

ROG NUC 16の新構成は、Core Ultra 7 270HX PlusとRTX 5060 Laptop GPUの組み合わせで2,499ドルという値付けです。筐体、冷却機構、拡張性、端子まわりは上位モデルと共通のまま、GPUとCPUのグレードだけを落として価格差1,300ドルを作った格好になります。現時点で確認できているのは米国での予約のみで、ほかの市場に同じ構成が投入されるかどうかは明らかになっていません。3リットルの箱で本格的にゲームを動かしたい人にとっては、シリーズの現実的な入口といえる1台です。

参考リンク