NECパーソナルコンピュータが、個人向けのパソコンとタブレット計6機種を2026年夏モデルとして発表しました。発売は8月27日、価格はいずれもオープン価格です。中心に据えられた16型ノート「LAVIE N16」は、上位モデルに最大50TOPSのNPU性能を持つAMD Ryzen AI 400シリーズを採用してCopilot+ PCに対応しながら、バッテリやメモリ、SSDを利用者自身で交換・増設できる設計を新たに取り入れました。
買い替えではなく使い続けることを前提にした設計
今回のラインアップで最も目を引くのは、LAVIE N16に採用されたセルフメンテナンス設計です。消耗品であるバッテリはもちろん、メモリとSSDについても、利用者が自分で簡単かつ安全に交換・増設できるよう設計されました。ノートPCの内部に手を入れる行為はメーカー側が敬遠しがちな領域ですが、そこを正面から製品仕様として認めた形になります。
背景にあるのは、パソコン本体の価格が上がり続けている状況です。数年ごとに買い替える前提が崩れつつある以上、1台をどれだけ長く使えるかが選択の基準になります。容量が足りなくなったらSSDを足す、バッテリがへたったら交換する、という延命手段が公式に用意されていれば、購入時に上限いっぱいの構成を選ばなくても済みます。
耐久性の面でも、MIL-STD-810Hに準拠した試験をクリアした筐体、キーボード裏の防水シートや水抜き穴を備えた防滴構造、キーキャップの外れや印字の剥がれを抑えた頑丈なキーボードなどが用意されています。長く使うという方針が、拡張性と物理的な作りの両面から支えられている格好です。
上位モデルはCopilot+ PC、店頭モデルは3構成
LAVIE N16の店頭販売モデルは3構成に分かれます。最上位のN1675/MALがAMD Ryzen AI 7 445、N1665/MAシリーズがAMD Ryzen AI 5 430、N1655/MAシリーズがAMD Ryzen 5 230を搭載し、Ryzen AI 400シリーズを載せた上位2構成がCopilot+ PCに対応します。
メモリはいずれもDDR5 16GBで空きスロットが1本残り、ストレージは最上位が約512GB、下位2構成が約256GBのPCIe接続SSDで、こちらにも空きスロットが1本あります。買った時点の構成が天井ではない、という点がこのモデルの性格をよく表しています。
ディスプレイは16.0型ワイドのスーパーシャインビューLED WUXGA IPS液晶で、解像度は1920×1200ドット、輝度は400cdです。アスペクト比が16:10になっているため、同社の15.6型(16:9)搭載モデルと比べてWebサイトやExcelの行を縦方向に多く表示できます。重量は約2.0kgで、片手で開けるワンハンドオープンにも対応しました。
インターフェイスはUSB 3.2 Gen2のType-Cが2基とType-Aが2基、HDMI出力端子、有線LANコネクタ、microSDメモリーカードスロット、そしてDVDスーパーマルチドライブという構成です。光学ドライブと有線LANを残している点は、この価格帯の国内向けノートらしい判断だと言えます。無線はN1675/MALとN1665/MAシリーズがWi-Fi 7、N1655/MAシリーズがWi-Fi 6Eに対応します。カラーはプルシャンブルー、クラリスシルバー、クラリスゴールドの3色で、Web限定モデルではエレメントブラックも選べます。
パソコンのことをパソコンに聞ける「LAVIE AI Plus」
ソフトウェア面の目玉は、強化された「LAVIE AI Plus」です。キーボードのF12キーを押すとチャット画面が開き、パソコンに関する疑問に答えてくれます。一般的な生成AIと違うのは、使っているパソコン自体の状態に加えて、LAVIE専用のマニュアルやサポートのQ&A情報を参照する点で、機種に即した回答が返ってくる仕組みになっています。
今回のアップデートでは、質問をうまく言語化できない利用者への配慮が加わりました。AIの側から原因の候補を複数提示し、利用者はその選択肢を選んでいくだけで原因を絞り込めます。何が起きているのか説明できないから調べようがない、というパソコンのトラブル特有の詰まり方に効く改良です。
このほか、利用状況に応じて約40種類の便利なヒントを提案する「LAVIE AI Plus Hint」、Copilotキーから呼び出せるMicrosoft Copilot、利用状況を見て画面の輝度やバックグラウンド処理を自動調整するロングバッテリーモードも用意されています。
2台目のSSDへ黙々と書き続ける自動バックアップ
新機能の「LAVIEスマートバックアップ」は、一度設定すれば自動でバックアップを続けてくれる仕組みです。内蔵SSDが2台ある構成では1台目から2台目へ自動的に書き出し、外付けストレージをバックアップ先に指定することもできます。復元はまるごとでもファイル単位でも可能で、別のパソコンで復元する使い方にも対応します。
前述の増設スロットと組み合わせると意味がはっきりします。空きスロットにSSDを足せば、それがそのままバックアップ先になるわけです。クラウドに預けることに抵抗がある人にとっては、現実的な落としどころになりそうです。なお利用にはシステムとは別の保存先ストレージと初回設定が必要です。
デスクトップとAndroidタブレットも同時に更新
同時発表された「LAVIE A27」「LAVIE A23」は、27型と23.8型のフルHD IPS液晶を採用した一体型デスクトップです。プロセッサーはいずれもIntel Core i5-1335Uで、画面の高さ調整とチルト機構、HDMI入力端子、マルチペアリング対応キーボード、YAMAHAサウンドシステムを備えます。HDMI入力があるため、仕事用のノートPCをつないで外部ディスプレイとして使う運用もできます。カラーはファインブラックです。
NECダイレクト専用の「LAVIE Direct N15 Slim」は、15.3型で16:10の液晶を搭載しながら約1.6kg、厚さ約18.9mmに収めたドライブレスモデルです。プロセッサーはIntel Core 7 350、Core 5 315、Core 3 304から選べ、Wi-Fi 7に対応します。カラーはコズミックブルーとルナグレーの2色です。
タブレットは「LAVIE Tab T11N」と「LAVIE Tab T11」の2機種で、どちらもAndroid 16を搭載し、11型で2560×1600ドットの液晶とMediaTek Dimensity 6300を採用します。本体サイズは254.6×166.2×7.0mm、質量は約485gです。T11Nはメモリ8GBとストレージ約256GBに加えてデジタルペンBと手書き認識ノートアプリ「Nebo」が付属する学生向け、T11はメモリ4GBとストレージ約128GBでリフレッシュレート90Hzの入門モデルという住み分けになっています。両機種ともパソコンとのファイル転送やセカンドディスプレイ化に対応する「つながる! LAVIE」が使えます。
まとめ
NECパーソナルコンピュータの2026年夏モデルは、AI機能の強化と長期利用の両立を狙った6機種構成です。主役のLAVIE N16は上位モデルがCopilot+ PCに対応する一方で、バッテリ、メモリ、SSDのセルフ交換とスマートバックアップという、買った後の使い方を支える機能が前面に出ています。設計から品質保証までを米沢事業場で一貫して行い、修理は群馬事業場と全国のNECフィールディング拠点が担う体制も維持されました。発売は8月27日、価格はオープン価格です。派手さより、値上がりが続くパソコンを何年使えるかという問いに正面から答えようとした夏モデルだと言えます。
