Googleが、スマートフォンのカメラとマイクを使って会話をリアルタイムに翻訳する「Live Translate」機能に、データ通信なしで動作するオフラインモードを追加しました。これまでは通信環境が必須だった同機能ですが、Pixel 9以降のシリーズであれば、電波の届かない場所や海外のモバイル通信が使えない状況でも会話の翻訳が行えるようになります。

オフラインでも会話翻訳ができるように

Live Translateは、目の前にいる相手との会話をその場でテキスト化・翻訳し、意思疎通を助ける機能です。従来はクラウド上の翻訳エンジンにデータを送信する仕組みだったため、海外旅行中に空港や地下鉄、山間部などで通信が不安定になると、肝心な場面で機能が使えなくなることが弱点でした。今回のアップデートでは、翻訳処理を端末内で完結させることで、この弱点を解消しています。

対応する言語は、英語を軸にフランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語、ヒンディー語、インドネシア語、日本語、ロシア語、スウェーデン語の10言語です。今年の春先に一部で確認されていた開発中の段階では英語・フランス語・ドイツ語・ポルトガル語・イタリア語・スペイン語の6言語にとどまっていましたが、正式な提供開始にあわせて対象言語がほぼ倍増した形です。

ただし注意点もあります。オフラインモードが機能するのは、必ず英語を含む組み合わせに限られます。たとえばフランス語と日本語のように、英語を介さない言語同士の会話をオフラインで直接翻訳することはできません。英語圏以外の旅行者同士が使う場面では、まだ制約が残っていると言えます。

対応端末はPixel 9以降に限定

オフライン翻訳が使えるのは、Pixel 9、Pixel 10、Pixel 11の各シリーズに限定されています。Googleは公式ヘルプで対応機種をこの3世代と案内していますが、Pixel 8以前が対象外となる技術的な理由は公表していません。なお、オンデバイスAIモデル「Gemini Nano」自体はPixel 8シリーズでも利用できるため、オンデバイスAIに対応しているかどうかだけが線引きになっているわけではないようです。他社製のAndroid端末についても、現時点で対応は発表されていません。

通信環境に左右されない安心感

海外での利用を想定した場合、モバイル通信の契約や現地SIMの有無にかかわらず会話翻訳が使えることは大きな利点です。データローミング費用を気にせず使えるほか、山間部や地下、建物の奥まった場所など電波が届きにくい状況でも機能するため、災害時や緊急時のコミュニケーション手段としても期待できます。Googleはこれまでにもオフライン地図など通信に依存しない機能を段階的に拡充してきており、今回のLive Translateのオフライン対応もその流れに沿った取り組みといえます。

まとめ

Google翻訳のLive Translateがオフラインでも動作するようになり、Pixel 9以降のユーザーは通信環境を気にせず10言語との会話翻訳が可能になりました。英語を介した組み合わせに限られる点や対応機種がPixel上位モデルに限定される点は今後の課題ですが、海外旅行や通信の不安定な場所での実用性は着実に高まっています。対応言語の拡大や他機種への展開が進むかどうか、今後の動向が注目されます。

出典: Google 翻訳ヘルプ「リアルタイム翻訳で音声翻訳を聞く」