パナソニック コネクトは2026年9月15日、堅牢PC「タフブック」シリーズの新モデル「FZ-34」を発表しました。12.4型のデタッチャブル(着脱式)2in1で、発売は2026年10月、価格はオープンプライスです。CPUにIntelのCore Ultra シリーズ 3(Core Ultra 5 335)を採用し、タフブックとして初めてCopilot+ PCの要件を満たしました。バッテリーはパウチセルへ切り替えて軽量化しつつ、単体で約13時間、オプションのセカンドバッテリーを足すと最大約26時間の駆動を実現しています。落下や粉塵、水しぶき、氷点下から炎天下までを想定した耐環境設計はそのままに、拡張モジュールをユーザー自身で付け替えられるようになった点も見どころです。
30周年のタフブック、現場向け2in1をフルモデルチェンジ
タフブックは1996年に登場した業務用の堅牢PCで、2026年で30周年を迎えました。パナソニック コネクトによれば、堅牢ノートPC市場では24年連続でグローバルシェア首位を維持しているとしています(VDC Research の2026年第1四半期調査に基づく同社の説明)。
FZ-34は12型クラスのデタッチャブル機「CF-33」系の後継にあたります。キーボード部を外せば堅牢タブレット、装着すれば堅牢ノートPCとして使え、キーボード部を反転させたプレゼンスタイルや、360度回転させるコンバーチブルスタイルにも対応します。現場ではタブレットとして撮影や図面確認、事務所ではノートPCとして入力作業、という使い分けを1台で済ませる狙いです。
型番は標準モデルの「FZ-34CY90XAJ」と、5GとLTEに対応するワイヤレスWANモデル「FZ-34CY90HAJ」の2種類です。いずれもWindows 11 Proを搭載します。
Core Ultra 5 335でタフブック初のCopilot+ PC
プロセッサーはIntel vProプラットフォーム対応のCore Ultra 5 335で、メモリーは16GBのLPDDR5x、ストレージは512GBのPCIe SSDです。前モデルが搭載していたCore i5-1345Uからは3世代分の更新となり、パナソニック コネクトの説明ではPCMark 10のスコアが40パーセント向上したとしています。
Core Ultra シリーズ 3はNPU(AI処理専用エンジン)を強化した世代で、毎秒40兆回以上の演算性能というCopilot+ PCの条件を満たします。これにより、リコール(プレビュー版)やClick to Do、ライブキャプション、Windows Studio Effectsといった、Windows 11のオンデバイスAI機能が使えるようになりました。通信環境が不安定な現場でも端末内でAI処理を完結できるため、データを外部に出さずに済む点は業務用途では利点になります。
インターフェースは本体側にThunderbolt 4を2基、USB 3.2 Gen 1、有線LAN(Gigabit Ethernet)を備え、無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応します。キーボード部にはUSB 3.2 Gen 1が2基とUSB 2.0、有線LAN、HDMI出力、シリアルポート、SDカードスロットが用意されています。
落下180cm、IP66、-10度から50度までの耐環境設計
堅牢性はタフブックの核となる部分です。タブレット単体では米国国防総省のMIL-STD-810Hに基づき、合板への180cm落下(26方向)と鉄板への120cm落下(26方向)の試験を実施しています。ノートPCの状態でも独自基準で120cm(26方向、合板)と90cm(6方向、コンクリート)の落下試験を行っています。
防塵・防滴はIP65に適合し、タブレット単体ではIP66となります。動作温度はマイナス10度から50度で、低温時にはSSD下部のヒーターで保証温度まで温めてから起動する仕組みを備えます(特許取得済み)。落下時にケーブルが抜けないバックフリップ式のFPCコネクターや、バッテリーとキーボードドックの接点にあそびを持たせたフローティング構造など、細部の設計も見直されました。なお、これらの性能はいずれも無破損・無故障を保証するものではないとメーカーは注記しています。
パウチセル採用で軽く、長く
今回の大きな変更点がバッテリーです。従来の円筒形セルからパウチセルへ切り替え、容量は45Whから40Whとわずかに減った一方で、重量は約322gから約197gへと大幅に軽くなりました。プロセッサーの省電力化と合わせて、1基での駆動時間は前モデルの約12.5時間を上回る約13時間(動画再生時)、アイドル時では約21.2時間とされています。
セカンドバッテリー(FZ-VZSU2LU、税込23,100円)を装着すると最大約26時間まで延び、電源を切らずに交換できるホットスワップにも対応します。充電を段階的に制御して劣化を抑える設計で、低温環境での急な電圧低下も抑えるとしており、長期運用の総コストを下げる狙いがあります。
拡張モジュールはユーザー自身で交換可能に
タブレット部の背面には3つの拡張エリアがあり、用途に応じたモジュールを取り付けられます。ラインアップは非接触ICカードリーダー(税込20,900円)、バーコードリーダー(税込56,100円)、シリアルコネクター(税込11,000円)、USB 2.0 Type-Aポート(税込9,900円)、HDMI出力端子(税込14,300円)、そして前述のバッテリーパックです。上部の拡張エリアは1つしか選べないため、バーコードリーダーとHDMI出力を同時に載せることはできません。
従来はこうしたカスタマイズを工場で行う必要がありましたが、FZ-34ではユーザーが自分で装着・交換できるようになりました。SSDもユーザーが取り外せる構造で、故障時のダウンタイムを短くできます。業務内容が変わったときに本体を買い替えず、モジュールだけ足せばよいというのは、法人の資産管理の面でも扱いやすい設計です。
画面は12.4型の3:2、カメラは約1,260万画素に
ディスプレイは12.0型から12.4型へ大きくなり、解像度は1,920×1,280ドットの3:2比率です。最大輝度は約1,000cd/m²で、反射を抑えるARフィルムと組み合わせて屋外での視認性を確保しています。タッチパネルは指先、手袋、水滴が付いた状態を自動で判別して最適なモードへ切り替えるオートモードを搭載し、電磁誘導式のデジタイザーペンも付属します。
背面カメラは従来のUSB接続・800万画素からMIPI接続・約1,260万画素へ引き上げられ、前面には約500万画素のWebカメラとWindows Hello対応の顔認証IRカメラを備えます。91dBのラウドスピーカーは騒音の多い現場でのWeb会議を想定したものです。
本体サイズはタブレット部が308×243.6×25mmで、重量は約1.356kg(5G対応モデルは約1.41kg)。キーボード装着時は313×288.4×46.1mm、約2.571kg(5G対応モデルは約2.625kg)です。タブレット部は前モデルより約0.2kg軽くなっています。
まとめ
FZ-34は、タフブックの12型デタッチャブル機を「Core Ultra シリーズ 3でCopilot+ PC化」「パウチセルで軽量・長時間化」「拡張モジュールをユーザー交換式に」という3点で刷新したモデルです。堅牢性の水準は従来通り高く、現場で使うPCとしての完成度をさらに上げてきた印象です。発売は2026年10月で、価格はオープンプライスのため、導入を検討する場合はパナソニック コネクトの法人窓口や販売パートナーへの問い合わせが必要になります。
