Xiaomiが、同社として最大級となる13.3型タブレット「Xiaomi Pad 9 Pro Max」を9月7日に中国で発表しました。3.4K解像度の3対2ディスプレイ、自社設計の「Xring O3」プロセッサー、そしてPCの2枚目の画面として使えるUSB Type-C接続を備え、価格は8GB+256GB構成の4,799元(約715ドル)からです。タブレットを大きくするのではなく、PCの作業をそのまま持ち込む方向に振った1台です。
13.3型・3対2の画面は「書類のための比率」
まず目を引くのが画面です。対角13.3型で解像度は3.4K、縦横比は3対2、リフレッシュレートは144Hzです。動画向けの16対9より縦に余裕があるため、書類やWebページを1画面で見渡しやすい比率です。ピーク輝度は最大1,000ニト、色差はデルタEが0.47前後とされています。デルタEは値が小さいほど元の色に忠実で、1を下回れば人の目には色ずれがほぼ分からない水準です。Xiaomiはこのパネルを、PC向けアプリを動かすのに適したものだと説明しています。
本体はメタルの一体成型で、厚さ5.67mm、重量は645g。色は深い赤系、シルバー、ブラックの3色が用意されます。上位構成では、映り込みを抑えるナノテクスチャー加工の「ソフトライトスクリーン」も選べます。マグネットで浮かせて固定する専用キーボードも別売で用意されます。
自社設計「Xring O3」を初めてタブレットへ
中身で最大の変化は、Xiaomiが自社で設計したフラッグシップ向けチップ「Xring O3」を、タブレットとして初めて採用した点です。CPUは10コアすべてを高性能コアで固めた構成で、最大動作周波数は4.35GHz。GPUは16コアの「G2-Ultra NX」で、Xiaomiは前世代比でグラフィックス性能が85パーセント向上し、消費電力は64パーセント減ったとしています。
同社はAnTuTuで561万点というスコアも公表しており、マルチコアCPUとGPUの性能はAppleのM5に迫ると主張しています。ベンチマークの数字はあくまで自社公表値なので、実機での持続性能や発熱の扱いは発売後の検証を待つ必要があります。
メモリにはLPDDR6を採用し、帯域幅は最大113.8GB/秒と、前世代のXring O1比で48パーセント広がったとしています。スマートフォン向けチップの多くがまだLPDDR5Xの段階にあることを考えると、ここは素直に新しい部分です。
USB Type-Cで「PCの2枚目の画面」になる
用途面で分かりやすいのが、フル機能のUSB Type-C接続です。ケーブル1本でPCと直結し、外部ディスプレイとして動作します。PC側の書類を見ながらタブレット側で別の資料を開く、といった使い方が想定されています。
同じ端子はゲーム機にも使えます。DP 1.2以上に対応しているため、携帯ゲーム機の映像を受けて大画面で遊ぶことが可能です。手のひらサイズの画面で遊んでいたタイトルを、そのまま13.3型に移せるわけです。
入力周りでは、ペンの「Focus Stylus Pro」と、ダイヤル型のコントローラー「TourBox」を同時に使えます。片手でパラメーターを操作しながら、もう片方の手で描くという両手操作を想定した組み合わせです。
HyperOS 4が変える書類とブラウザの扱い
ソフトウェアは新しい「HyperOS 4」を初搭載します。ファイル管理では、そのファイルがどこから来たのかという出所を追える仕組みが入りました。書類ビューアーは手書きの注釈、特殊フォントの読み込み、細かい印刷設定に対応します。
ブラウザはPCに寄せた作りに変わり、Web翻訳、外部のAIプラグイン、縦型タブ、タブのグループ化が使えます。Xiaomiはアクセス数の多い上位500サイトに合わせて表示を調整したとしています。メモアプリの「Xiaomi Notes」は、ワンクリックでマインドマップを作る機能、音声の速記、音声や画像の取り込みに対応しました。
画面分割は2、3、6アプリの同時表示に対応します。13.3型という面積があってはじめて成立する数字で、大画面を持て余さないための工夫と言えます。
価格は4,799元から、中国以外の展開は未定
中国での価格は、8GB+256GBが4,799元(約715ドル)、12GB+256GBが5,299元、16GB+256GBが5,799元です。512GBモデルは12GBが6,099元、16GBが6,599元。ソフトライトスクリーン版は16GB+512GBが6,899元、最上位の16GB+1TBが7,899元(約1,177ドル)となります。浮遊型キーボードは1,099元の別売です。
発表前に伝えられていた仕様も確定しました。バッテリーは12,000mAhで120Wの有線充電に対応し、重量は約645g。スピーカーは8基でDolby Atmosに対応し、マイクは6基。カメラは背面5,000万画素、前面3,200万画素で、Wi-Fi 7にも対応します。
一方、中国以外での発売時期と価格は、この記事の執筆時点でまだ公表されていません。日本国内での取り扱いについても案内はありません。Xiaomiのタブレットは上位機種ほど中国先行になる傾向があるため、国内で買えるかどうかは慎重に見ておいたほうがよさそうです。
まとめ
Xiaomi Pad 9 Pro Maxは、13.3型3.4Kの画面と自社設計のXring O3を組み合わせ、PCの作業をタブレットに引き受けさせることを狙った製品です。USB Type-Cでの外部ディスプレイ動作や6分割表示は、大画面を単なる動画再生用にしないための設計と読めます。中国での価格は4,799元からと出そろった一方、中国以外での展開と実機での持続性能はまだ分かりません。この2つが埋まったとき、iPadを含む大型タブレットの選択肢がどう変わるかが見どころです。
