Googleが8月12日、スマートフォンの最新世代となる「Pixel 11」「Pixel 11 Pro」「Pixel 11 Pro XL」の3機種を発表しました。新チップのGoogle Tensor G6を全機種に載せ、Pro系にはカメラのフラッシュ周りに配置したLEDで通知を知らせる「HiLight」を新たに搭載しています。予約受付はすでに始まっており、店頭に並ぶのは8月20日です。
画面を見ずに済ませる「HiLight」
今回いちばん目を引くのが、Pixel 11 ProとPixel 11 Pro XLに入ったHiLightです。カメラのフラッシュを囲むように配置したカラーLEDが、端末を伏せたままでも状況を色と光り方で伝えます。
分かりやすいのはGeminiとのやりとりで、聞き取り中、考えている最中、返答中でそれぞれ光のパターンが変わります。着信については連絡先ごとに色を割り当てられるため、机に伏せた端末が特定の色で光れば、誰からの電話かを画面を裏返す前に判断できます。Googleは今後、お気に入りの連絡先からのメッセージ通知にも対応させると説明しています。
通知のために画面を確認する回数を減らすという発想自体は目新しくありませんが、専用のインジケーターを再び物理的に持たせた点は、ここ数年のスマートフォンとしてはむしろ珍しい方向です。使い勝手が定着するかどうかは、対応する通知の種類がどこまで広がるかにかかっています。
カメラは望遠と暗所の底上げが中心
カメラは3機種すべてが刷新されました。標準モデルのPixel 11はメインセンサーが大型化して4,800万画素になり、Pixel 10と比べて56パーセント多くの光を取り込めます。5倍の望遠レンズはTensor G6と組み合わせて30倍のスーパーズームに対応しました。
Pro系はメインカメラのセンサーが新規設計に変わり、望遠側も4,800万画素へ刷新されています。センサーが大きくなったことで光の取り込みが30パーセント増え、5倍でのポートレートモードが使えるようになりました。ズームはPro ZoomでPixel 11 Proシリーズが120倍まで伸びます。
地味ながら効いてきそうなのが処理速度です。Tensor G6の新しいISP(画像信号処理プロセッサ)とソフトウェアの作り直しにより、夜景撮影のNight Sightは最大4.5倍速く仕上がるとしています。撮ってから待たされる時間は撮影体験に直結するため、画素数の数字より体感差は大きいかもしれません。
Tensor G6は電力あたりの性能を重視
Tensor G6は、前世代のTensor G5(発売時点)と比べてWebブラウジングが25パーセント、アプリ起動が15パーセント高速になりました。より大きいのはAI処理の側で、TPUの演算能力が50パーセント増え、最新のGemini Nanoと組み合わせた端末内でのAI処理は最大3.5倍高速、消費電力は最大3.5分の1になるとしています。
セキュリティ面では新しいTitan M3チップを搭載し、Tensor G6と連携してセキュアブートに耐量子暗号を導入しました。量子コンピューターによる解読を見据えた備えを、実際に手に取れる端末の起動処理へ組み込んできた形です。
本体側の変更も実用寄りです。カメラバーの厚みはPixel 11で40パーセント薄くなり、Made by Googleのケースを付ければ平らな机の上でもがたつきません。Pro系のSuper Actuaディスプレイはピーク輝度3,600ニトに達し、新しい耐傷コーティングにより引っかき傷への強さが前世代の2倍以上になっています。防水防塵はIP68準拠です。
充電まわりでは、3機種とも記憶容量が256GBから始まり、Pixelsnapを内蔵します。Pixel 11とPixel 11 ProはQi 2.2の25Wワイヤレス充電に新たに対応しました。有線ではPixel 11 Pro XLが15分の充電で15時間分のバッテリー駆動を確保します。
価格と発売日
米国での価格は、Pixel 11が899ドル(約14万円)、Pixel 11 Proが1,099ドル(約17万円)、Pixel 11 Pro XLが1,299ドル(約21万円)です。予約は発表と同じ8月12日に始まり、Google Storeと取扱店に並ぶのは8月20日となります。
※1ドル159円換算
カラーはPixel 11がピスタチオ、ハイビスカス、フロスト、オブシディアンの4色、Pro系がキャニオン、フォグ、オリーブ、そして全面マット仕上げのオブシディアンの4色です。OSとセキュリティ、Pixel Dropの更新は3機種とも7年間提供されます。
まとめ
Pixel 11シリーズは、Tensor G6による端末内AIの高速化と省電力化を軸に、望遠と暗所を伸ばしたカメラ、そしてPro系限定の通知LED「HiLight」を組み合わせた世代です。カメラバーの薄型化や耐傷性の向上、Titan M3による耐量子暗号の導入など、派手さより日常の使い勝手と長く使うための備えに寄った内容といえます。米国では8月20日に店頭へ並びます。