Samsungは、現地時間7月22日にロンドンで開いた「Galaxy Unpacked」で、新しいスマートフォン向けソフトウェア「One UI 9.0」を正式に発表しました。基盤には最新のAndroid 17を採用し、同時に披露された新型フォールダブル「Galaxy Z Fold 8」「Galaxy Z Fold 8 Ultra」「Galaxy Z Flip 8」に初めて標準搭載されます。派手な新機能よりも、AIアシスタントの使い勝手とフォールダブル向けの最適化に重点を置いた更新です。

新型フォールダブル3機種に初搭載

One UI 9.0は、Samsungのスマホをまとめるソフトウェアレイヤーの最新版で、土台には最新のAndroid 17を採用しています。安定版として初めて載るのは、Unpackedで披露されたGalaxy Z Fold 8、Z Fold 8 Ultra、Z Flip 8の3機種です。いずれも工場出荷時からOne UI 9.0が入っており、購入直後から最新のプラットフォームを利用できます。

Samsungは、折りたたみ形状や画面比率が異なる3機種それぞれに合わせてソフトを調整したと説明しています。たとえば横長のカバー画面を備えるGalaxy Z Fold 8では、設定などを操作するコントロールパネルが、影の付いたフローティングウィンドウとして表示されるといった作り込みが加えられています。開発自体は5月から進んでおり、Galaxy S26シリーズにはこれまでに4回のベータ版が配信されてきました。目に見える大きな変更は多くありませんが、刷新されたメディアプレーヤーなどが新しい要素として盛り込まれています。

AI機能を軸に強化、Gemini連携が深まる

今回の更新でSamsungが最も力を入れたのはAI関連です。画面の内容を読み取って最適なタイミングで操作の近道を提案する「Now Nudge」は、One UI 9.0でシステムへのアクセス権が広がります。たとえば友人と予定を相談しているときに、カレンダーの確認を先回りして促すといった使い方が想定されています。

Googleの「Gemini」との連携も一段と深まります。Geminiはシステムレベルでアプリにアクセスできるようになり、1回の指示でメールの下書きとカレンダーの確認をまとめて片づけるなど、複数の操作を続けて実行できるようになります。純正ブラウザ「Samsung Internet」には、開いているWebページの内容についてそのまま質問できる「Ask AI」も加わります。

Samsungは特定のAIに固執しない方針も示しています。自社の「Gauss」や「Bixby」が端末純正の機能を担い、Google連携の処理はGeminiが受け持つ一方、Perplexityとの協業も進め、外部パートナーの拡大も検討しているとしています。同社は2026年内にGalaxy AIの対応端末を8億台へ広げる目標を掲げており、One UI 9.0はその足がかりにもなります。

Android 17由来の使い勝手も向上

土台となるAndroid 17により、日常の使い勝手も細かく改善されます。これまでメッセージ系アプリなどに限られていた「フローティングバブル」表示が、あらゆるアプリで使えるようになり、作業を中断せずに別のアプリをのぞけます。連絡先の共有では、アプリに渡す相手を個別に選べる新しい仕組みが加わり、アドレス帳全体ではなく必要な連絡先だけを許可できるようになりました。プライバシー保護の面で、iOSに近い挙動へと近づいた形です。加えて、アプリが画面の向きを固定することを原則として認めない方針が示され、折りたたみ端末やタブレットでの表示が扱いやすくなります。

デザイン面でも細かな調整があります。明るさや音量のスライダーが太くなってタッチしやすくなったほか、ロック画面やクイックパネルのメディアプレーヤーはサイズを変えられ、再生中の曲のジャケットに合わせて波形が動く演出も加わりました。

展開スケジュールと対象機種

One UI 9.0はまず新型フォールダブル3機種に搭載され、既存のGalaxyデバイスへの安定版配信は今後段階的に進む見込みです。対象は、最新の「Galaxy S26」シリーズから「Galaxy S23」シリーズ、普及価格帯の「Galaxy A」シリーズまで、60機種を超えると報じられています。ただし、これまでのUnpackedと同様に、旧機種向けの詳しい配信ロードマップは今回も公表されていません。具体的な対応時期は、今後のベータ版の展開を待つ必要があります。なお「Galaxy S25」向けの更新では、「Now Nudge」に加え、撮影時の水平を保つ「Horizon Lock」やライブ配信を撮影する「My FanCam」といった機能も届く見通しです。

まとめ

One UI 9.0は、Android 17を土台に、新型フォールダブル「Galaxy Z Fold 8」シリーズへ初めて搭載される最新ソフトウェアです。目玉となる新機能は控えめながら、「Now Nudge」やGeminiとの連携強化などAIまわりを厚くし、折りたたみ形状に合わせた画面最適化や、連絡先共有の絞り込みといったプライバシー・使い勝手の改善も盛り込みました。まずは新型フォールダブルから始まり、60機種を超えるGalaxyへ順次広がる予定で、Samsungが掲げる「AIをより身近にする」戦略を体現する更新と言えそうです。