HONORが折りたたみスマートフォンの旗艦「Magic V6」を、いよいよグローバル市場へ広げ始めました。3月の発表を経て、まずマレーシアとシンガポールで価格と発売が固まり、6月4日から11日にかけて予約を受け付けています。今後はヨーロッパや中東・アフリカなどへ順次展開していく予定です。最大の見どころは、折りたたんでも8.75mmという薄さに、折りたたみ機としては現行最大級の6,660mAh電池を収めた点です。Snapdragon 8 Elite Gen 5を積み、iPhoneやMacともつながる連携機能まで備えた、各所の妥協を削ぎ落とした1台に仕上がっています。

※為替レート(2026年6月18日時点):1英ポンド=215円、1シンガポールドル=125円、1リンギット=40円で換算

折りたたみなのに普通のスマホ並み、8.75mmの薄さと219g

Magic V6がまず押し出すのは、折りたたみ機とは思えない薄さです。閉じた状態で8.75mm、開いた状態では4.0mm(ホワイトモデル)、重さは約219gに抑えられています。折りたたみスマートフォンは2枚分の画面とヒンジ機構を抱えるぶん、どうしても分厚く重くなりがちで、ここが普及の壁になってきました。Magic V6は、閉じたときに一般的な板状(スラブ型)のスマートフォンに近い握り心地を狙ったとしており、折りたたみの利便性を、日常の持ち運びやすさと両立させようとしています。

現行最大級の6,660mAhを積むシリコンカーボン電池

薄型化と相反しがちなのが電池容量ですが、Magic V6は6,660mAhという、折りたたみスマートフォンとしては現時点で最大級のバッテリーを搭載します。これを可能にしているのがシリコンカーボン電池です。負極材におよそ25%のシリコンを使うことで、921Wh/Lという高いエネルギー密度を実現し、本体を厚くせずに容量を稼いでいます。従来のリチウムイオン電池より、同じ体積に多くの容量を詰め込みやすいのが利点です。充電は80Wの有線と66Wのワイヤレス充電に対応し、ほかの機器へ電力を分けられるワイヤレスリバース充電も使えます。電力効率と通信は、独自の「HONOR E2 Power」チップが受け持ちます。

落としても割れにくい設計と、6,000nitsの明るい画面

頑丈さにも力を入れています。中核となるヒンジには引張強度2,800MPaをうたう「HONOR Super Steel Hinge」を採用し、落下時の衝撃を吸収・分散するAI制御の緩衝システムと組み合わせています。内側ディスプレイには折り目を目立ちにくくするUTGフレキシブルガラスを、外側には5,600層の窒化ケイ素コーティングを施した耐傷加工ガラスを使います。さらにIP68とIP69の両方の防塵・防水に対応し、高圧の水流にも耐える設計です。画面は内外とも1〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応し、外側6.52インチがピーク6,000nits、内側7.95インチがピーク5,000nitsと明るく、反射率1.5%や4320HzのPWM調光といった目への配慮も盛り込まれています。

カメラもソフトもAIが主役、MagicOS 10で動く

頭脳にはQualcommの最新フラッグシップ向けSoC、Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載し、メモリは最大16GB、ストレージは最大1TBの構成が用意されます。カメラは「HONOR AI Falcon Camera」と銘打った3眼構成で、5,000万画素のメインに加え、1/2インチセンサーとCIPA基準6.5段の手ブレ補正を備えた6,400万画素のペリスコープ望遠、5,000万画素の超広角を組み合わせます。撮影後はAIによる色補正やシネマ風の処理、静止画から動画を生成する機能などで仕上げを助けます。ソフトはMagicOS 10で動き、設定や写真整理、提案などを肩代わりする複数の「HONOR AI Agent」を搭載。折る動作で2画面表示に切り替える「Fast Flex」や、3つのアプリを同時に動かせるPC級のマルチタスク機能も用意されます。Googleの「Gemini」とも統合し、カメラ映像や画面を見せながら質問できる「Gemini Live」に対応するほか、購入者にはGoogle AI Proの3か月無料体験が付き、動画生成のVeo 3.1や画像生成のNano Banana Pro、5TBのクラウドストレージなどが使えます。

iPhoneやMacともつながる異種連携

Magic V6で目を引くのが、Apple製品との連携機能です。「HONOR Share」や「Quick Share」を通じて、iPhone・Mac・AirPods・Apple Watchといった機器とつなぎ、ワンタップのファイル転送や通知のミラーリング、Macと組み合わせた2画面での作業に対応するとしています。Androidスマートフォンを使いながらApple製品も併用している人にとっては、機種をまたいだデータのやり取りがしやすくなる点は実用的な魅力です。

価格と展開

本体カラーはレッド、ゴールド、ホワイト、ブラックの4色です。マレーシアでは16GB+512GBがRM7,699(約31万円)、16GB+1TBがRM8,899(約36万円)。シンガポールでは16GB+512GBがSGD2,599(約32万円)、16GB+1TBがSGD2,899(約36万円)。英国では£1,999.99(約43万円)で展開します。今後はヨーロッパや中東・アフリカなどの各市場へ順次広がる見込みです。なお、日本での発売については現時点で公式な案内は出ていません。

まとめ

Magic V6は、薄さ・電池容量・頑丈さ・AI機能・他社製品との連携という、これまで折りたたみ機が抱えてきた弱点を一通りつぶしにいった意欲作です。8.75mmの薄型ボディに6,660mAhの大容量電池を収め、Snapdragon 8 Elite Gen 5やGemini連携まで備えた構成は、価格こそ高めながら、折りたたみの完成度を一段引き上げる内容といえます。まずはマレーシアとシンガポールから始まったグローバル展開が、今後どの市場まで届くのかが次の焦点です。