Logitechが、開発者向けのAIコントローラー「MX Keypad」を2026年9月8日に発表し、同日から一部市場で販売を始めました。表示内容を自由に変えられるカラー液晶キーを9つ並べ、GitHub CopilotやClaude Code、VS Code、IntelliJ IDEAといったツールの操作を物理キーに割り当てられます。価格は99.99ドル、日本円にしておよそ1万5,500円です。
9つの液晶キーが、開いているアプリに合わせて中身を入れ替える
MX Keypadの本体には、9つのカラー液晶キーとページ切り替えボタンが並びます。キーの絵柄はソフト側から書き換えられるため、押したときに何が起きるかが指先の下に表示されたままになります。ページは最大15枚まで用意でき、単純計算で100を超える操作を1台に格納できる計算です。
面白いのはプロファイルの扱いです。主要なアプリを自動で認識し、手前に来ているソフトが切り替わるとキーの割り当ても一緒に入れ替わります。VS Codeを触っているときはリファクタリング用のコマンド、ターミナルに移ればエージェントの実行、といった具合に、同じ9キーが文脈ごとに別の道具へ変わるわけです。保存しておいたプロンプト、スクリプト、マクロ、アプリの起動、ドキュメント管理など、割り当てられる対象はかなり広く取られています。
AIコーディングツールが増えるほど、覚えるべきショートカットと打ち込むべき定型文も増えていきます。Logitechでバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるAnatoliy Polyanker氏は、いまのコーディングの巧拙は増え続けるAIツールをどれだけ軽々と行き来できるかにかかっている、と発表の中で述べています。MX Keypadは、その行き来を画面の中ではなく机の上で処理しようという製品です。
GitHubとの共同開発、Copilot Pro+の3カ月分が付く
MX Keypadは、Microsoft傘下のGitHubと密に組んで開発されました。発売時点でVS CodeとGitHub Copilotアプリのネイティブ統合を備え、対応ツールは今後も広げていく方針が示されています。設計にはGitHubのコミュニティと、Logitech自身が抱えるMX Collectiveのフィードバックが反映されたとのことです。
購入特典として、GitHub Copilot Pro+の3カ月分が全製品に付属します。受け取りはLogitechの設定ソフトLogi Options+から行い、新規ユーザーだけでなく既存ユーザーも対象になります。
GitHubで開発者リレーションのバイスプレジデントを務めるMartin Woodward氏は、優れた開発ツールは開発者の邪魔をしないものだとしたうえで、MX KeypadによってCopilotを使う動作がワークフローの一部として自然になる、とコメントしています。周辺機器メーカーとコード管理プラットフォームが製品段階から組むという座組み自体、これまであまり見なかった形です。
SDKを開放し、コミュニティがClaude CodeとCodexを載せた
もう一方の柱が、Logi Actions SDKの開放です。ドキュメントがAIに読ませやすい形で整備されているため、コーディングエージェントにSDKを渡せば独自の連携をその場で書かせられる、というのがLogitechの説明です。半日あれば自分専用の拡張が作れる、という想定になっています。
この仕組みはすでに動き始めていて、コミュニティの手によってClaude CodeとOpenAI Codex向けのプラグインがLogi Marketplaceに公開されています。エージェントが今どの状態にあるかを液晶キー側でリアルタイムに追える機能や、CLIの操作をキーに載せる機能が含まれます。Logitechによれば、Logi Actions SDKで作った拡張が届く先は互換デバイスで1億台を超えるとしています。MX Keypadという1製品の話にとどまらず、既存のLogitechデバイスまで含めた入力レイヤーをAIエージェントに開けにいく動きと見たほうが実態に近そうです。
環境対応にも触れておくと、本体にはポストコンシューマー再生プラスチックが使われており、比率はGraphiteが64パーセント、Pale Greyが49パーセントです。パッケージにはFSC認証林などの管理された供給源による紙を採用しています。
主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キー | カラー液晶キー9つ+ページ切り替えボタン |
| ページ数 | 最大15ページ |
| 対応ツール | GitHub Copilot、Claude Code、VS Code、IntelliJ IDEA ほか |
| 接続 | USB(ケーブル長150cm) |
| 本体サイズ | 幅77.9×奥行き25.5×高さ91.7mm |
| 重量 | 96g |
| カラー | Graphite、Pale Grey |
| 価格 | 99.99ドル/99.99ユーロ |
| 発売日 | 2026年9月8日(一部市場) |
※為替レート(2026年9月16日時点):1米ドル=155円、1ユーロ=184円
99.99ユーロは日本円でおよそ1万8,400円です。販売はLogitech.comが窓口で、対象は「一部市場」とされています。日本ではLogitechの製品がロジクールのブランド名で展開されていますが、今回の発表で国内の取り扱いについては触れられていません。
まとめ
MX Keypadは、9つの液晶キーとプロファイル自動切り替えによって、複数のAIコーディングツールを横断する操作を手元に集約する製品です。GitHubとの共同開発によるネイティブ統合、Copilot Pro+の3カ月分の付属、そしてSDK開放によるClaude CodeやCodex向けのコミュニティ製プラグインと、ソフト側の作り込みに重心があります。価格は99.99ドルで、2026年9月8日から一部市場で販売中です。日本での展開は現時点で明らかにされていません。
