SWITCHBOT株式会社が、身につけたまま会話を記録してAIが文字起こしと要約まで済ませるウェアラブル端末「SwitchBot AIマインドクリップ」を2026年8月19日に発売しました。重さは約16.8gで、価格は19,980円(税込)。録音した内容から要点とToDoを抜き出し、カレンダーやリマインダーへ送り込むところまでを担当します。スマートホーム機器で知られる同社が、記録の道具に踏み込んだ格好です。

服に留めて、スライドスイッチで録音する

AIマインドクリップは名前のとおりクリップ型で、襟元やバッグのストラップに留めて使います。約16.8gという重さは、身につけていることを忘れる程度の水準です。

録音の操作は本体のスライドスイッチだけで、アプリを開いたりスマートフォンを取り出したりする手順はありません。立ち話で頼まれごとをした、移動中に企画を思いついた、といった場面で、机に戻るまで覚えておく必要がなくなります。連続録音は最大20時間、本体ストレージは64GBを積んでおり、一日中つけっぱなしにしても容量と電池の心配は薄いという設計です。なお録音時間は使用環境によって変わります。

充電器に挿すと、文字起こしと要約が終わっている

録音したあとにユーザーがやることは、本体を充電することだけです。充電を始めると録音データが自動で転送され、AIが文字起こしから要約までを進めます。すぐ確認したいときは、アプリから手動で転送することもできます。

要約のテンプレートは内容に応じて自動で選ばれます。レッスン、講義、ディスカッション、商談といった型が用意されていて、手動での切り替えも可能です。要約に使う大規模言語モデルもChatGPTやGeminiなど複数から選べるようになっており、用途や好みに合わせて変えられます。複数人での会話は発言者ごとに区別して文字起こしされるため、誰の発言だったかを後から追えます。

会話の中の「やること」がToDoになる

このデバイスの主眼は、録音を残すことよりもその後にあります。AIが会話の中から対応の必要な事柄や期限を拾い出し、ToDoとして並べます。

金曜までに見積もりを確認する、帰りに牛乳とティッシュを買う。この2つは性質がまったく違いますが、どちらも会話の中で生まれた「やること」です。AIマインドクリップは仕事、生活、イベントといったカテゴリに分けて整理し、必要なものはワンタップでAppleカレンダー、Appleリマインダー、Googleカレンダーへ送れます。カレンダーへの同期は端末の標準機能を使う仕組みです。

一日単位、一週間単位で見返す

記録が溜まると、今度は探すのが面倒になります。そこを埋めるのが振り返り機能です。

「毎日の振り返り」は、その日に記録した会話から重要事項や約束、確認すべきことをまとめます。「週間サマリー」はさらに広く、別々の日に記録した会話を横断して分析します。月曜の会議で決まったこと、火曜の立ち話で追加された依頼、木曜に出てきた確認事項が、テーマごとにまとまって進行状況が見えるという作りです。

探すときは「Ask AI」を使います。来週までに終わらせるべきタスクは何か、この前思いついた企画は何だったか、といった質問に、これまでの記録を踏まえて答えます。単に検索するだけでなく、その内容を前提に次の進め方を相談することもできます。記録した内容はスマートフォンアプリだけでなくPCのブラウザからも確認・編集でき、議事録の整形や長い文字起こしの手直しはPCで、という使い分けができます。

蓄積した記録はSwitchBot OpenAPI CLIを通じて、CodexのようなAIエージェントへ渡すこともできます。会議の決定事項や顧客の要望を文脈として渡せば、メールや資料の作成に毎回背景を説明し直す手間がなくなる、という想定です。

身につける機械としてのプライバシー設計

常時身につけて音を拾う製品である以上、扱いには気を遣う必要があります。同社が置いた基準は、いつ記録するかをユーザー自身が握るという点です。録音の開始と停止は本体のスライドスイッチで行い、必要な場面だけを切り取れます。

データはデバイスからクラウドまで暗号化され、AWS上でも暗号化した状態で保存されます。アップロードが終わると端末内の録音データは削除され、Type-Cポートから録音データを直接取り出すこともできない設計です。認証面ではEN 18031、ISO 27001、ISO 27701を取得しています。もっとも、周囲のプライバシーへの配慮は機器の設計だけでは完結しません。必要に応じて相手の同意を得る、施設や場所のルールに従うといった使い手側の判断は変わらず求められます。

価格と発売記念キャンペーン

メーカー希望小売価格は19,980円(税込)で、カラーはディープスペースとルナホワイトの2色です。

発売を記念して、2026年8月19日から9月11日まで対象の販売チャネルでキャンペーンが行われます。各公式ストアでは16,980円(税込)の発売記念価格またはポイント還元が用意され、Amazon公式ストアでは8月19日から21日と9月4日から11日が3,000ポイント還元、8月22日から9月3日が16,980円での販売という切り替わり方をします。全国の対象家電量販店でも同様のキャンペーンが実施されますが、価格や内容は店舗によって異なります。

あわせて、期間中に対象製品を購入してアプリに登録すると、月1,200分まで文字起こしできる「プレミアムプラン」を6か月間無料で試せます。要約、ToDo作成、Ask AIといった主要機能はすべてのプランで使えるため、無料期間が終わっても機能が丸ごと止まるわけではありません。文字起こし時間を足したい場合は追加パックも購入できます。

まとめ

AIマインドクリップは、録音機を名乗りながら、実際には会話を後工程へ渡すための入口として作られています。約16.8gの本体をスライドスイッチで動かし、充電するだけで文字起こしと要約、ToDo抽出まで終わる流れは、記録の手間より思い出す手間を削りにきた設計です。19,980円という価格に加え、9月11日までは16,980円やポイント還元、プレミアムプラン6か月無料という入り口も用意されています。会議とメモの往復に時間を取られている人ほど、効き目がはっきり出るタイプの道具だと言えます。