Sandiskが8月20日(現地時間)、NASでの常時稼働を前提に設計したSSD「SANDISK NAS 600 SATA SSD」と「SANDISK NAS 800 NVMe SSD」を発表しました。上位のNAS 800は7.68TBモデルで14,000TBWという書き込み耐久性を確保し、PCIe 5.0接続でシーケンシャル読み出し最大14,900MB/sに達します。発売は9月、価格は179.99ドル(約2万9,000円)からです。

NASのSSD選びで効いてくるのは速度より耐久性

NASは、電源を入れっぱなしにして複数人が同時に読み書きする使われ方をします。写真や動画の共同編集、バックアップの受け皿、仮想マシンのデータ置き場といった用途では、書き込みが途切れず続きます。この環境に一般的なコンシューマー向けSSDを入れると、まず先に寿命が問題になります。

SSDの寿命の目安になるのがTBW(Terabytes Written)で、保証期間内に書き込める総量を示します。今回Sandiskが打ち出したのは、まさにこのTBWを引き上げた製品群です。同社で製品管理を担当するAnil Moolchandani氏は、NASの使われ方そのものが変わり、扱うデータ量の増加とチームでの共同作業、24時間動き続ける前提に対応する必要があると説明しています。プロシューマーや小規模事業者を想定した位置づけです。

HDDからの置き換えを狙う「NAS 600 SATA SSD」

NAS 600は、SATA 3.0接続の2.5インチ(厚さ7mm)モデルです。容量は500GB、1TB、2TB、4TBの4種類で、NANDフラッシュには3D TLCを採用します。

速度はシーケンシャル読み出しが最大560MB/s、書き込みが最大520MB/s、ランダム読み出しが最大87,000IOPS、書き込みが最大77,000IOPSです。SLCキャッシュのみでDRAMキャッシュは持ちません。数字としてはSATA接続の上限に近く、突出したものではありませんが、狙いは別のところにあります。

書き込み耐久性は500GBが350TBW、1TBが600TBW、2TBが1,300TBW、4TBが2,500TBWです。MTTF(平均故障間隔)は225万時間、製品保証は5年間が付きます。外形寸法は幅69.85mm、奥行き100.5mm、高さ7mm、重量は34.5gです。

3.5インチベイに2.5インチSSDを載せる形で既存NASのHDDを置き換えられるため、筐体をそのままに静音化と応答性の改善を狙えます。RAIDや複数台構成での安定動作を前提に設計されている点も、家庭用SSDとの違いになります。

オールフラッシュ向けの「NAS 800 NVMe SSD」

NAS 800はPCI Express 5.0(x4)対応のM.2 2280モデルです。容量は960GB、1.92TB、3.84TB、7.68TBの4種類で、3D TLC CBA NANDを採用します。

シーケンシャル読み出しは最大14,900MB/s、書き込みは最大13,200MB/s。ランダム性能は読み出し最大230万IOPS、書き込み最大210万IOPSに達します。DRAMキャッシュとSLCキャッシュの両方を搭載しており、SATA側とは設計思想がはっきり分かれます。

注目したいのが耐久性で、960GBが1,750TBW、1.92TBが3,500TBW、3.84TBが7,000TBW、7.68TBが14,000TBWです。7.68TBモデルの14,000TBWは、単純計算で容量いっぱいの書き込みを毎日繰り返しても5年近く持つ水準になります。MTTFは175万時間、保証は5年間です。外形寸法は幅22mm、奥行き80mm、高さ2.38〜3.88mm、重量7.5〜8.8gとなっています。

Sandiskは想定用途として、キャッシュや階層化ストレージのほか、データベース、仮想化、映像制作、そしてエージェント型AIの処理まで挙げています。ローカルにデータを置いたままAIを動かしたいという需要が、NASの要求水準を押し上げているという読みです。M.2 2280としての互換性については、主要なNAS製品での動作確認を行ったとしています。

価格と発売時期

両シリーズとも9月に、Sandiskの公式サイトおよび世界各国の販売店とオンラインストアで取り扱いが始まります。想定売価はNAS 600が500GBモデルの179.99ドル(約2万9,000円)から、NAS 800が960GBモデルの309.99ドル(約4万9,000円)からです。

※1ドル=159円換算(2026年8月21日時点)

国内での発売時期や価格は現時点で明らかになっていません。ただ、NAS用SSDというカテゴリー自体が近年になって各社から出そろってきた分野で、選択肢が増えることは素直に歓迎できます。HDD前提で組んだNASを長く使ってきた人ほど、置き換えの候補として気になるところではないでしょうか。

まとめ

SandiskのNAS向けSSDは、SATA接続でHDDからの移行を受け止めるNAS 600と、PCIe 5.0でオールフラッシュ構成を狙うNAS 800の2本立てです。いずれも5年保証で、最上位の7.68TBモデルは14,000TBWという高い書き込み耐久性を備えます。発売は9月、価格は179.99ドルからで、常時稼働と多人数アクセスに耐えるNAS用ストレージとして現実的な選択肢になりそうです。