手のひらサイズの携帯ゲーム機に、40基の演算ユニットを持つ統合GPUを積んだモデルが登場します。One-Netbook Technologyが2026年7月21日に発表した「ONEXPLAYER X2 Mini Pro」です。8.8型のOLEDパネルにAMDのRyzen AI Max+ 388を組み合わせ、外付け水冷ユニットを装着すると最大120Wまで消費電力枠を引き上げられます。価格は2,499ドル(約40万円)からで、出荷は8月からの予定です。
統合GPUだけでRTX 4060級を狙う構成
心臓部となるRyzen AI Max+ 388は、Zen 5アーキテクチャの8コア/16スレッドCPUに、RDNA 3.5世代のRadeon 8060Sグラフィックスを統合したプロセッサです。演算ユニットは40基で、GPUクロックは最大2,900MHzに達します。One-Netbookはこの構成について、GeForce RTX 4060 Laptop GPUに匹敵する描画性能を単体GPUなしで実現したと説明しています。
性能を底上げしているのが、CPUとGPU、NPUが高速なメモリープールを共有する仕組みです。データを都度コピーせずに直接読み書きできるため、遅延が減り、グラフィックス側へ割り当てられるメモリー容量も大きく取れます。ローカルでAIモデルを動かすときにも、この構造が効いてきます。
なおAIまわりでは、起動直後から使えるローカルAIアシスタントが本体に組み込まれています。クラウドに接続せずオフラインのまま処理する設計で、手元のデータを外に出したくない場面を想定した機能です。
空冷で80W、水冷ユニット装着で120W
携帯型ゲーム機で性能を左右するのは、結局のところ冷やせる熱量です。X2 Mini Proは標準の空冷だけで最大80Wの継続稼働に対応します。放熱フィンの面積は47,200平方mmと、8.8型の筐体としてはかなり大きく取られており、高負荷が続いてもクロックが落ちにくい設計です。
さらに外付け水冷システム「ONEXPLAYER Frost Bay」に接続すると、上限が120Wまで広がります。Frost BayはCNC加工の筐体にRGB照明を組み合わせたユニットで、静音性を保ちながらデスクトップ級の消費電力枠を確保する役割を担います。据え置きで遊ぶときは水冷、持ち出すときは本体だけ、という使い分けが想定されています。
製品ラインナップも空冷モデルと水冷対応モデルの2系統に分かれています。空冷モデルはメモリー48GB+ストレージ1TBが2,499ドル、64GB+1TBが2,799ドル(約45万円)、64GB+2TBが2,999ドル(約49万円)。水冷対応モデルは2,579ドル(約42万円)から始まり、Frost Bayを同梱する64GB+2TB構成は3,229ドル(約52万円)となります。
※1ドル162円換算(2026年7月21日時点)
3つの形に変わる筐体と着脱式バッテリー
X2 Mini Proは、コントローラーを取り外せる構造を採用しています。装着すればゲーム機、外せばタブレット、別売の磁気キーボードを組み合わせればノートパソコンという3通りの使い方が可能です。コントローラーは専用コネクターで直結するため、無線接続の設定や遅延を気にせずそのまま使えます。
操作部分にも手が入りました。スティックにはホール効果センサーを採用し、非接触方式にすることでドリフトや摩耗を抑えています。トリガーは物理的にストロークを切り替えられる2段階式で、ホール効果センシングにより0.1mm単位の精度で入力を拾います。射撃ゲームでは短いストローク、レースゲームでは深いストロークといった使い分けができる仕掛けです。
バッテリーは85Whで、スナップ式に着脱できます。ケーブルによる直結にも対応しており、予備を持ち歩けば充電待ちで手を止めずに済みます。バッテリー単体を充電できる専用ドックも用意され、こちらはLED表示で充電状況を確認できます。
ストレージは内蔵のM.2 2280 PCIe 4.0スロットに加えて、外部のMiniSSD拡張ベイを備えた2系統構成です。ゲームを大量に入れておきたい場合にも、AIモデルを別ドライブに分けたい場合にも対応できます。
主なスペック
ディスプレイは8.8型のOLEDで、解像度1,920×1,200ドット、リフレッシュレートは144Hzです。メモリーはLPDDR5x-7464の48GBまたはLPDDR5x-8000の64GB、ストレージは1TBまたは2TBのNVMe M.2 SSDを搭載します。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、USB4ポートとMiniSSDスロットを備えます。
本体サイズは幅313mm、奥行き138mm、厚さ22mmで、重量は799gです。8.8型としては軽い部類ではありませんが、着脱式バッテリーと大型の放熱機構を積んだうえでの数値と考えると納得できる範囲でしょう。
まとめ
ONEXPLAYER X2 Mini Proは、Ryzen AI Max+ 388とRadeon 8060Sの組み合わせで、統合GPUのまま単体GPU級の描画性能を狙った携帯ゲーム機です。空冷80W、水冷装着時120Wという2段構えの電力枠、着脱式のコントローラーとバッテリー、2系統のSSDと、性能と拡張性の両方に振った構成になっています。2,499ドルからという価格は据え置き型のゲーミングPCが十分に買える水準ですが、持ち出せる本体1台でゲームも創作も済ませたい層には、検討する価値のある選択肢です。予約はメーカー直販で受け付けており、出荷は8月からの予定です。
