ゼンハイザー(Sennheiser)が、耳をふさがないオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤホン「ACCENTUM Clip」を発表しました。耳の縁に挟むクリップ構造で周囲の音を自然に取り込みながら音楽を楽しめるのが特徴で、12mmドライバーとLDAC対応による高音質、片側約6.8グラムの軽さ、ケース併用で最大36時間というバッテリー性能を備えます。まずはカナダから順次発売され、米国での販売は当面予定されていません。
耳をふさがず周囲の音も聞こえるオープンイヤー設計
ACCENTUM Clipは、耳の穴を密閉せず、耳の縁に挟み込んで装着するクリップ型のオープンイヤーイヤホンです。耳をふさがないため、音楽を聴きながらでも周囲の話し声やアナウンス、交通の音といった生活の音が自然に耳へ届きます。通勤中に駅のアナウンスを聞き逃したくないときや、会議の合間にコーヒーを受け取るときなど、何かをしながら聴く場面で使いやすい構造です。
ゼンハイザーは、こうしたオープンイヤー型がこれまで抱えがちだった「開放的な装着感と引き換えに音質が犠牲になりやすい」という課題に取り組んだと説明しています。外音を取り込む電子的なパススルー機能に頼らず、構造そのもので自然な外音と音楽の両立を狙った点を強みに挙げています。
12mmドライバーとLDAC対応のサウンド
音の中核を担うのは12mmのダイナミックドライバーで、クリアさと締まりのある低音、なめらかな高音を狙ってチューニングされています。Hi-Res Audio Wireless認証を取得しており、対応機器ではLDACコーデックを有効にすることで、高ビットレートの高解像度ストリーミングを楽しめます。標準ではSBCとAACに対応し、Google Fast Pairによる素早いペアリングも利用できます。
音量を下げたときに痩せて聞こえがちな低音・高音を自動で補正する「Dynamic EQ」も搭載します。専用アプリ「Smart Control Plus」を使えば、5バンドのイコライザーでの細かな音質調整、設定したサウンドプリセットの共有、聴こえ方を確かめながら好みの設定を探せる「Sound Check」などが使えます。
片側約6.8グラムの軽さと最大36時間バッテリー
本体の重さは片側約6.8グラムで、ゼンハイザーはホテルのカードキーとケース1枚ぶんほどの軽さだと表現しています。柔らかいシリコン製のブリッジが耳のかたちに沿ってフィットし、通勤中や激しい運動中でも安定した装着感と音質を保つとしています。ほこりや汗に強いIP54相当の防塵防滴に対応し、ジムや屋外でも気兼ねなく使えます。
バッテリーは1回の充電で最大9時間、付属の充電ケースを併用すると合計で最大36時間の再生が可能です。USB Type-Cケーブルでの10分間の急速充電で約2時間ぶんの再生ができるため、出かける直前の短い充電でも実用的です。操作は、指で探しやすいよう表面に凹凸を付けたタッチコントロールで、音量・再生・通話をその場で行えます。設計上、音が外へ漏れにくいよう配慮されており、聴いているのは装着者本人だけ、という状態を保ちやすいとしています。
Bluetooth 6.0とAIノイズリダクション
接続にはBluetooth 6.0を採用し、素早いペアリングや、2台の機器を同時につなげるマルチポイント、左右どちらか片方だけでの使用に対応します。通話時には各イヤホンに搭載されたデュアルマイクとAIノイズリダクションが働き、周囲の雑音から装着者の声を聞き取りやすく分離します。
価格と発売地域、日本での展開は
ACCENTUM Clipのカラーはブラックとクリームの2色で、プラスチックを使わない環境配慮型のパッケージで出荷されます。発売はカナダが先行し、2026年7月23日からゼンハイザーの公式サイトおよびBest Buyで、希望小売価格269.95カナダドル(約3万1,000円)で販売されます。
このほか英国では149ポンド(約3万2,000円)、ドイツ・オーストリア・スイスでは179.90ユーロ(約3万3,000円)での展開が見込まれているほか、中国や中南米の一部地域でも順次発売されるとされています。一方で米国での販売は当面予定されていないと案内されており、日本での発売時期や価格も現時点では明らかになっていません。※為替レート(2026年6月29日時点):1カナダドル=約114円、1英ポンド=約214円、1ユーロ=約184円
まとめ
ACCENTUM Clipは、耳をふさがないクリップ型でありながら、12mmドライバーとLDAC対応、Dynamic EQによって音質にこだわったゼンハイザーの新しいオープンイヤーイヤホンです。片側約6.8グラムの軽さと最大36時間のバッテリー、IP54の防塵防滴、Bluetooth 6.0といった日常使いに効く要素も押さえています。周囲の音を保ちながら音楽も楽しみたい人にとって有力な選択肢になりそうですが、現時点では発売地域が限られており、日本での展開が気になるところです。
