充電器メーカーの株式会社CIOが、創業10周年を機に日本国内での充電器づくりに挑む「国産充電器プロジェクト」を始動すると発表しました[1]。日本工場を介した製造、安定した出力を支える熱設計、国内メーカー部品の採用という3つのテーマを掲げ、新シリーズ「NovaPortⅢ」の構想とともに進めていく中長期の取り組みです。電気・電子分野で知られるYouTuberのイチケン氏が技術監修として参加します[1]

プロジェクトの出発点は「日本で作ってほしい」というユーザーの声

CIOは、これまで海外のパートナー工場と組んで、性能と価格と品質を両立する製品を作り続けてきた充電器メーカーです[1]。今回のプロジェクトは、応援するユーザーから繰り返し届いていた「いつか日本で作ってほしい」「国内メーカーだからこそ日本を盛り上げてほしい」「いつか世界に羽ばたく日を期待している」といった声が出発点になりました[1]

代表取締役の中橋翔大氏は、創業10周年という節目を「日本でどこまでできるかに向き合うタイミング」と位置づけています[1]。同時に「コストもかかるし、調整することも多い」と難しさも率直に認めており、短期的な収益性ではなく、国内のものづくりや雇用に向けた波及を意識した中長期の挑戦であることを明確にしています[1]

CIOによると、2025年から水面下で国内産業の実態調査を進めてきましたが、設備とノウハウの多くがすでに海外へ移管された状態にあり、製品化までの一連の流れを日本国内で一から組み立て直すには現時点で膨大な時間とコストがかかると判断しています[1]。そのため本プロジェクトは「完成がゴールではなく、完成がスタート」と位置づけ、できる事を少しずつ増やしながら協力パートナーを段階的に広げていく方針が示されています[1]

取り組みは「日本工場」「熱設計」「国内部品」の3本柱

国産充電器プロジェクトでは、3つのテーマに沿って開発を進めるとしています[1]。1つ目は日本工場を介したものづくりへの挑戦で、製造拠点の国内化に段階的に踏み出すことが目的です。2つ目は確かな設計と維持し続ける出力で、ACアダプタとして安心して使い続けられる安定性の高いUSB充電器を目指す軸です。3つ目は可能な限り国内メーカー部品を採用する取り組みで、回路に使う部品レベルから国産化の余地を探る内容です[1]

特に2つ目の熱設計に関しては、サーマルマネジメントの知見が豊富な電気・電子系YouTuberのイチケン氏が技術監修として参加し、共同開発を進めることが明らかにされています[1]。小型USB充電器は構造上どうしても熱が発生しやすい製品ですが、CIOは「出力が高いだけでなく、使い続けても性能をしっかり維持できる」ことを価値の中心に据えており、長期使用に耐える設計を狙う構えです[1]

3つ目の国内メーカー部品の採用については、コンデンサ、トランス、パワー半導体などの調達先を国内へ広げる可能性を現在も調整中であるとCIOは説明しています[1]。同社は「見える部分だけでなく、見えない中身まで含めて向き合う」と表現しており、外装だけでなく内部の部品構成からも国産化を検討する姿勢を示しています。

イチケン氏との合流のきっかけは「NovaPort SOLOⅡ 65W」の分解検証

イチケン氏との協業は、2025年7月に発売された「NovaPort SOLOⅡ 65W」の発売後、同氏が当該製品を分解・検証し、サーマルスロットリング(温度上昇に伴う出力制限)に関する仕様を取り上げた動画が市場で大きな反響を呼んだことがきっかけだとCIOは説明しています[1]

CIOによれば、その動画をきっかけにユーザーからは「小さくて軽いのも魅力だが、電力降下しない製品も作ってほしい」「たとえ最小でなくても、電力降下しない充電器をCIOが作ってくれるなら嬉しい」という声が寄せられたといいます[1]。CIO代表の中橋氏は「NovaPort SOLOⅡ 65W」のコンセプト自体は否定しないとしたうえで、別の方向性として「電力降下しないだけでなく、まったく新しい、わくわくするAC充電器」を作りたいという想いから、新シリーズ「NovaPortⅢ」の構想に着手したと述べています[1]

イチケン氏はCIOからの参加要請について、「分解して厳しい指摘をした相手なら距離を置かれてもおかしくないが、CIOは逆に『一緒に作ってほしい』と来た。その姿勢を見て、この会社となら本気でやれると思った」と参加の経緯を振り返っています[1]。製品化までの過程はすべて動画でオープンに発信していく予定で、どんな判断をしてどんな設計になっていくのか、設計判断や部品選定の経緯まで含めて公開する方針が示されています[1]

特設サイトと動画で進捗を公開、国内部品メーカーにも参加を呼びかけ

プロジェクトの詳細は、CIOが用意している10周年特設ドメイン上の「国産充電器プロジェクト」特設ページにまとめられています[2]。設計思想や考え方、進捗報告は同ページとYouTube動画で順次公開していく方針です[1]。プロジェクト紹介としては、CIO公式チャンネルの動画[3]と、イチケン氏チャンネルの動画[4]が併せて公開されています。

イチケン氏は、日本の部品メーカーに対しても「コンデンサ、トランス、パワー半導体など、自社の部品で貢献できるという技術や製品をお持ちなら声を上げてほしい」と参加を呼びかけています[1]。現在の充電器市場は部品のほとんどが海外メーカー製で占められている状況であり、本プロジェクトを通じて国内部品メーカーの参画を募り、調達ネットワークを国内で広げていきたい考えです[1]

中橋氏は「一社だけの取り組みで終わらず、共感の連鎖が生まれ、少しずつでも日本のものづくりの裾野が広がっていく流れをつくれたら嬉しい」とのコメントを寄せており、本プロジェクトをCIO単独の記念企画ではなく、続けられる挑戦として位置づける姿勢が打ち出されています[1]

まとめ

CIOの「国産充電器プロジェクト」は、創業10周年を機にUSB充電器の国内製造へ向き合う中長期の取り組みです[1]。日本工場を介した製造、サーマルマネジメントを意識した熱設計、国内メーカー部品の積極採用という3本柱で進められ、新シリーズ「NovaPortⅢ」の構想とともに具体化が始まります。技術監修として参加するYouTuberのイチケン氏は「NovaPort SOLOⅡ 65W」の分解検証動画が縁となった人物で、設計判断や部品選定の経緯までオープンに発信していく姿勢が示されています[1]。完成品としての結実はこれからですが、調達網と熱設計の両面で「中身まで国産で挑む充電器」がどこまで実現できるのか、見守っていきたいプロジェクトです。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000645.000043212.html

出典: https://cio-c10.com/madeinjapan/

出典: https://youtu.be/NaOHvsoPGIk

出典: https://youtu.be/wOYg67r9oL0