充電器やモバイルバッテリーを手がける株式会社CIOが、国産充電器プロジェクトの第一弾となる『NovaPort DUO III 65W2C』を、応援購入サービスのMakuakeで2026年9月10日から公開しました[1]。最大65W出力でUSB-Cポートを2つ備え、4つの出力モードとTFT液晶、専用アプリ操作に対応します。一般販売予定価格は8,880円で、Makuake限定の早割は7,180円からです[1]。

「日本でつくる」を3つの挑戦に分解した

CIOは大阪府守口市に本社を置き、2017年に設立された企業です。今年で創業10年目を迎え、その節目の取り組みとして国産充電器プロジェクトを立ち上げました[1]。

プロジェクトが掲げる挑戦は3つあります。日本工場を介したものづくり、確かな熱設計と維持し続ける出力、そして可能な限り国内メーカー製部品を使うことです[1]。

製造を担うのは、福島県伊達市のアサヒ電子株式会社です。CIOは、中国で行っていた製造工程をそのまま日本へ移せば実現できるものではないとして、設備の違いや得意分野を国内工場と一つずつ確認しながら製造工程を組み立てたと説明しています。一度きりの取り組みにせず、国内でつくり続けられる環境を目指すという姿勢も示されています[1]。

国内メーカー製部品の採用率は、プロジェクトを始めた2026年4月時点では0パーセントでした。そこから部品を洗い出して置き換えを検討し、2026年5月時点で23パーセント、9月時点では部品点数210個のうち53.3パーセントまで高めています[1]。構想そのものは2025年7月に始まり、国内工場の選定、部品置換、試作と設計見直しを経てMakuake公開に至りました[1]。

なお、CIO自身がプレスリリースの中で、すべての工程を日本で完結しているわけではなく、全部が日本製部品でもないと明記している点は押さえておきたいところです。「国産」と名乗るために必要なラインは超えているものの、100パーセント国内という一般的なイメージとは異なると断っています[1]。

発熱と向き合う4つの出力モード

回路と熱設計には、電気・電子分野を扱うYouTuberのイチケン氏がプロジェクトメンバーとして参加しています。製品を分解して中身を見続けてきた第三者の視点を開発に入れ、外観では分からない回路や部品、熱の状態を一緒に確認しながら設計を進めたとしています[1]。

小型で高出力な充電器は発熱が課題になります。CIOは今回、最大出力の数字だけを追うのではなく、使い続けたときの出力に向き合うことをテーマの一つに据えました[1]。その考え方が、4つの出力モードという形で製品に落とし込まれています。

Full Powerは最大65W出力を活かすモードで、ノートPCなどにしっかり電力を届けたいときに使います。Safety Powerは充電器内部の温度を確認しながら出力を切り替え、発熱を抑えるモードです。Power Saveはスマートフォンのバッテリーをいたわりながら充電するモードで、夜間や就寝時など急ぎでない場面を想定しています。Customは接続機器や使用シーンに合わせて出力を自分で割り振れるモードで、ノートPCとイヤホンを同時につなぐような場面で配分を決められます[1]。

安全面では、温度を常に監視して発熱を自動でコントロールする保護機能「NovaSafety2.0」を搭載します。電力の自動振り分けはCIO独自の「NovaIntelligence」が担い、単ポート使用時は最大65W、2ポート同時使用時は接続したデバイスに合わせて配分します[1]。

充電状態が見えるTFT液晶とアプリ操作

本体にはTFT液晶を搭載し、これまで見えにくかった充電状態を確認できるようにしました。合計出力を見る、各ポートの情報を見る、複数の情報を同時に確認する、必要ないときは表示を消す、といった表示方法を使い方に合わせて選べます[1]。

設定変更は本体だけでなく専用アプリからも行えます。充電器を離れた場所に設置しているときや、手元で操作したいときにアプリ側から切り替えられる仕組みです[1]。

物理的な作り込みも紹介されています。USB-Cポートは本体の下側に配置されており、壁のコンセントに挿したときケーブルが自然に下方向へ伸びます。ケーブルの重さや引っ張る力がプラグにかかりにくく、充電器がコンセントから抜けにくい設計です。電源プラグには絶縁キャップが付き、ディスプレイ部分や操作部分には耐久性に配慮した設計を採用しています[1]。

価格とプロジェクト期間

カラーはブラックとホワイトの2色です。一般販売予定価格は8,880円で、Makuakeでは複数のリターンが用意されています[1]。

限定500個のMakuake Specialが7,180円(税込)で19.1パーセントOFF、限定1000個の超超早割が7,280円(税込)で17.3パーセントOFF、同じく限定1000個の超早割が7,380円(税込)で16.9パーセントOFFという構成です[1]。このほか2個セットや、支援者の名前を掲載するリターンなども設定されています[2]。

プロジェクト期間は2026年9月10日から11月29日までで、リターンのお届け予定は2026年12月です[2]。応援購入は一般的な通信販売ではなく、プロジェクトの実行を支援する仕組みである点には注意が必要です。CIO自身も、この製品はまだ完成していないと明記しています[1]。

まとめ

『NovaPort DUO III 65W2C』は、65W2ポートという仕様だけを見れば市場に競合が多い製品です。この企画で目を引くのは、国内工場との製造体制づくりと、国内メーカー製部品の採用率を0パーセントから53.3パーセントまで引き上げた過程を、数字と時系列で公開している点にあります。発熱を抑えるモードを標準搭載し、外部のエンジニアを設計に迎えた点も、最大出力の競争とは別の方向を向いた選択です。量産と出荷は2026年12月を予定しており、公開された挑戦がどこまで形になるかは、実機が届いてからの評価を待つことになります。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000695.000043212.html

出典:https://www.makuake.com/project/cio-madeinjapan/