AI回答エンジン「Perplexity」を展開するPerplexity AIが、2026年5月11日に東京・渋谷のSHIBUYA QWSで「日米AIガバナンス・シンポジウム」をスタンフォード大学、米日財団、京都大学とともに共同開催しました[1]。前デジタル大臣の平将明衆議院議員が基調講演に立ち、抽象的な原則論から実装段階へと移ったAIガバナンスの課題を、日米の政策立案者や産業界のリーダーが議論する場となりました。

渋谷に日米のリーダーが集結

本シンポジウムは、スタンフォード大学と米日財団が主催し、京都大学とPerplexity AIが後援・協力する形で開かれました[1]。会場は渋谷スクランブルスクエア15階のSHIBUYA QWS スクランブルホールで、招待制の対面イベントとして実施されています[1]

率直でハイレベルな対話を促すため、発言者を特定しない「チャタムハウス・ルール」のもとで進行しました[1]。政策立案者、法学界、テクノロジー企業、実務家が一堂に会し、AIがどのように統治され社会へ統合されるかというプロセス全体への「信頼(Trust)」が、全セッションを貫く中心テーマとして浮かび上がっています[1]

平将明議員の基調講演「世界で最もAIフレンドリーな国へ」

基調講演には、自民党でAIの進化と社会実装に関するプロジェクトチームの座長を務める平将明衆議院議員が登壇しました[1]。平氏は、日本が掲げる「世界で最もAIフレンドリーな国」というビジョンを軸に、技術革新を妨げない柔軟な統治と社会の安全性をどう両立させるかという、日本独自のガバナンスモデルの重要性を語りました[1]

そのうえで、AIの進化に伴う新たなリスクや国際的な視点を踏まえた「信頼ある社会基盤」の構築に向け、産官学が連携して進めるべき次の一手について幅広い展望が示されています[1]

パネルで示された3つの論点

パネルディスカッションでは、大きく3つの論点が整理されました[1]

1つ目は規制の収束です。日本の柔軟なアジャイル型、欧州の法規制型、米国の市場主導型という各国の手法は文化的な背景によって異なるものの、現在は日本の「柔軟で信頼ベースのモデル」へと収束しつつあるとの見解が示されました[1]。日本は各国の規制アプローチをとりなす「架け橋」として重要な位置にあるという整理です[1]

2つ目は知的財産です。著作権を巡る不確実性に対しては、訴訟による境界線の明確化と、直接ライセンスやデータ共有基盤といった契約による実践的な協力の両輪が必要だと議論されました[1]。とりわけ、出典を明示するRAG(検索拡張生成)の仕組みは、適切な帰属と対価の支払いを可能にする現実的な解決策として期待が寄せられています[1]

3つ目は社会実装です。日本のAI導入はPoC(概念実証)から大規模導入への転換期にあり、AIをワークフロー全体へ組み込む組織では、人間の役割が監視・判断・戦略的な意思決定へと移っていくと指摘されました[1]。信頼とプライバシーの確保には、ローカルとクラウドを組み合わせたハイブリッド構成が重要だとされています[1]

多彩な登壇者と「協調的行動」という結論

各パネルには、政策・法務・テクノロジーの第一線で活躍する顔ぶれが揃いました[1]。パネル1はスタンフォード大学のネイト・パーシリー教授がモデレーターを務め、内閣府の人工知能政策推進室企画官や塩崎彰久衆議院議員らが登壇しています[1]。パネル2は京都大学の羽深宏樹特任教授が進行し、早稲田大学の上野達弘教授や楽天グループの執行役員らが知的財産や情報の健全性を論じました[1]。日米協力と社会実装をテーマとするパネル3には、Perplexity AIの最高事業責任者(CBO)ドミトリー・シェヴェレンコ氏のモデレーションのもと、Sakana AI共同創業者兼CEOのデビッド・ハ氏や日本マイクロソフトの最高技術責任者らが加わっています[1]

シンポジウムは、単一の主体や規制手法に頼るのではなく、政府・AIプロバイダー・エコシステム全体が足並みをそろえる「協調的行動」こそが信頼あるAI社会への道だという結論で締めくくられました[1]

Perplexityは2022年に設立されたAI企業で、「世界中の好奇心を加速させること」をミッションに掲げています[2]。信頼できる情報源に基づき出典明示付きで回答する回答エンジン「Perplexity」を中核に、AIネイティブなWebブラウザ「Comet Browser」や大規模マルチモデル・オーケストレーション基盤「Perplexity Computer」を展開し、現在は世界中で毎月15億件以上の質問に回答しているとされます[1][2]

まとめ

Perplexity AIがスタンフォード大学らと共同開催した「日米AIガバナンス・シンポジウム」は、AIガバナンスの議論が抽象的な原則から実践的な実装へと移っていることを示す場となりました。規制の収束、知的財産との共生、そして人間の役割の変化という論点を貫いたのは「信頼」というキーワードであり、政府・産業界・研究機関が連携する「協調的行動」の重要性が改めて確認されています。日本が各国の規制をとりなす「架け橋」となれるかが、今後の焦点になりそうです。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000157647.html

出典:https://www.perplexity.ai/