OPPOは2026年9月17日、中国・珠海で開いた開発者会議「ODC26」で、スマートフォン向けOSの新版「ColorOS 17」を正式に発表しました。Android 17をベースに、画面全体の見た目と動きを統一する「流体デザイン」、描画とメモリーを担う「極光エンジン」、バックグラウンド管理の「潮汐エンジン」を作り直したのが柱です。写真編集やノート、音声アシスタント「小布(Xiaobu)」にもAI機能が大幅に追加されました。新OSは今後登場する「Find X10」シリーズ、「OnePlus 16」、「OPPO Watch S2」に最初から載り、既存機種向けの安定版は中国で10月8日から順次配信されます。OPPO・OnePlus・realmeの3ブランドで130機種以上が対象となる一方、日本を含むグローバル向けの配信時期はまだ示されていません。
見た目は「流体デザイン」、動きの統一が主眼
ColorOS 17でまず変わるのが、システム全体の表現をそろえる「流体デザイン(Fluid Design)」です。透明感のあるブラー、画面下に浮かぶナビゲーションキー、自由度を広げたロック画面のカスタマイズ、動きのある通知表示などを、アプリをまたいで同じ文法で見せる考え方です。OPPOは、アニメーションとタッチした際の反応を一貫させることで、操作の途中で「別のアプリに来た」と感じにくくすることを狙っています。
こうした演出を支えるのが「極光エンジン(Aurora Engine)」です。描画の仕組みそのものに組み込まれており、アプリの起動時と動作中に使うメモリーを25パーセント減らし、描画の負荷を最大30パーセント抑えるとOPPOは説明しています。見た目を派手にしながら軽くもする、という両立を数字で示した形です。
「潮汐エンジン」でバックグラウンドの残り方を改善
性能面のもう1つの柱が「潮汐エンジン(Tidal Engine)」です。ユーザーがどのアプリをどれくらいの頻度で、どのくらいの時間使うかを学習し、その傾向に合わせてシステム資源を割り当てます。特徴的なのは記憶保持の考え方で、SNSのタイムラインを途中まで読んだり、フォームに入力している途中で別アプリに切り替えたりしても、戻ったときに続きから再開できるようにバックグラウンドの状態を残す仕組みです。
OPPOが挙げた数値は、バックグラウンドアプリの保持が55.6パーセント向上、サードパーティー製フォトギャラリーのスクロールと読み込みが最大50パーセント高速化、ミニプログラムの起動が30パーセント向上、アプリ間の移動が15パーセント高速化、というものです。中国のスマホでは、WeChatなどの中で動く小さなアプリ(ミニプログラム)を頻繁に使うため、その起動速度を性能指標に含めているあたりが土地柄を感じさせます。
写真とノートのAI機能が大幅拡張
AI機能で最も分かりやすいのが「AI Photo Editor」です。写り込んだ不要な物の除去、手ブレや動きによるブレの軽減、色味やトーンの調整をひとつの編集画面にまとめました。編集内容の提案やテンプレートの推薦も行います。さらに「参考画像の再現(Reference Image Replication)」という機能で、別の写真の色や光、肌の色合いを、いま編集している写真へ移すこともできます。裏側では「ダ・ヴィンチ視覚理解モデル」と呼ぶ仕組みが動いており、光と影、画質、構図、色、人物、画面内の要素という6つの領域に特化したモデルを組み合わせて写真を解析するとのことです。写真の出力はネイティブで2KのProXDRに対応します。
「AI Memory Gallery」は、雑多に撮った写真を自動でまとめ、AIが文章を添えて物語仕立てのフォトブログに仕上げる機能です。他社製カメラやNASと直接つながる「アルバム直結」も用意され、端末のストレージを圧迫せずに最新の撮影データを閲覧できます。
ノート機能も大きく手が入りました。新しい「AI Notes」は、会議の音声を録音しながら同時にメモを取り、写真も添付できます。本や動画、思いついたアイデアをワンタップで取り込んで構造化された知識ノートを作ったり、内容の全体像を図として書き出して共有したりできます。保存した過去のアイデアを掘り起こす「ひらめきの瞬間」カードも追加されています。
小布アシスタントは「生活サービスの窓口」へ
中国向けの音声アシスタント「小布(Xiaobu)」は、ColorOS 17で次世代版になりました。個人の予定や用件をまとめる「小布スペース」が中心で、期限が迫った支払いや忘れかけていた予約などを拾い上げ、必要なサービスへの入り口を提示します。旅行では、一文で希望を伝えるだけで図解入りの旅程を作り、移動手段や宿泊情報、注意点まで分解して小布スペースに取り込みます。サービスの提案は700を超える場面に対応するとしています。
移動中の支援としては、徒歩・バス・地下鉄の案内に加えて「最寄りの地下鉄入口」「次の乗り換え」「降りる駅」を能動的に知らせる「AI流体クラウド」があります。宅配の受け取りコードや連絡先を保存し、チケット争奪戦向けのアラームまで設定できる「AIワンタッチ閃記」、カメラをかざして物の説明や書類の鮮明化、カロリー表示、Wi-Fi接続まで行う「AI拍一拍」も用意されました。いずれも中国国内のサービスと密接に結びついた機能で、グローバル版でどこまで再現されるかは今後の発表待ちです。
車・カメラ・イヤホン・時計との連携
端末間の連携では、スマホと車を直接つなぐ「Car+」が加わりました。徒歩ナビの途中で車に乗ると、その瞬間に地図が車載の大画面へ引き継がれる「歩行ナビの受け渡し」が特徴です。イヤホンは会話のリアルタイム通訳に対応し、相手の言葉を訳して耳元で再生しつつ、自分の発言はスマホのスピーカーから相手の言語で流します。
スマートウォッチ向けには、脂肪燃焼に適した心拍数の範囲を個人ごとに計算し、運動中に音声で強度を指示する「FatMax(超燃脂)モード」が入りました。「運動流体クラウド」は心拍数や消費カロリーをスマホやタブレットにリアルタイムで表示する機能で、坂道で動画を見ながら、あるいはフィットネス動画に合わせて動きながら、手首を上げずに状態を確認できます。時計側のジェスチャーも増え、人差し指と親指を2回合わせると曲や動画をスキップ、手首を返して2回合わせると戻る、さらに時計からスマホのシャッターを切ることもできます。文字盤はモジュール単位でカスタマイズできるようになりました。
詐欺対策とアクセシビリティ
セキュリティでは、アプリをまたいで詐欺の兆候を捉える「AIクロスアプリ詐欺対策」、顔のすり替え(ディープフェイク)を見抜く「AIフェイススワップ検出」、通話中の詐欺を検出する「AI通話詐欺対策」の3つが新設されました。行動パターンを個人ごとにモデル化し、利用場面に応じて不審な動きを見つける仕組みです。
アクセシビリティ関連では、触れた文字やボタン、画像をAIが音声で説明する読み上げ機能が強化され、配車や旅行、買い物、エンターテインメントといった場面を想定した案内が行われます。撮影時には構図の取り方を声で導き、被写体の説明もより細かな言葉で返すとのことです。関連する設定をワンタップでまとめて有効にする「ケアモード」も追加されています。
配信スケジュールは中国向けのみ、日本は未定
既存機種向けの安定版は、中国では10月8日にFind N6、Find X9シリーズ、OnePlus 15/15T、realme GT8 Proといった最新フラッグシップから始まります。10月16日にはFind N5、Find X8シリーズ、OPPO Pad 5 Pro、Pad Mini、OnePlus 13/13T、OnePlus Pad 3 Pro、realme GT7 Pro、GT8、Neo8が続き、10月20日にOPPO Watch X3シリーズとOnePlus Ace 6シリーズ、10月22日にReno16/Reno16 Pro、10月30日にOPPO Watch X2シリーズという流れです。11月26日にはFind N3シリーズ、Find X7シリーズ、Reno15/Reno14シリーズ、K15シリーズ、OnePlus 12、Ace 5シリーズ、Turbo 6シリーズ、realmeのGT/Neo/15シリーズなど大きなグループが控え、12月26日にはOnePlus 11、Ace 3シリーズ、realme GT6、14シリーズなどが対象になります。Find N2/N2 Flipは2027年第1四半期の予定です。
注意したいのは、これらの日程がすべて中国国内向けである点です。OPPOはグローバル版ColorOS 17の配信計画をまだ公表しておらず、日本で販売されているFind X9 UltraやReno16、OnePlusの各機種がいつ受け取れるかは現時点で分かりません。グローバル版は別途のアナウンスを待つ形になります。日本向けには、小布まわりの中国国内サービス連携がどう置き換わるのかも気になるところです。
まとめ
ColorOS 17は、流体デザインで見た目と動きをそろえ、極光エンジンと潮汐エンジンで「軽さ」と「戻ったときの続きやすさ」を数字で打ち出した更新です。写真編集、ノート、アシスタントのAI機能は中国のサービスと深く結びついており、グローバル版での実装範囲が次の注目点になります。中国では10月8日から順次配信が始まりますが、日本を含む海外向けの時期は未発表で、続報を待つ必要があります。
