フィンランドのスポーツウォッチブランドSUUNTO(スント)の日本法人が、ロードランニングとマラソン練習に絞って設計した「Suunto Run 2」を9月15日に発表しました。時計本体の重さは初代と同じ35gのまま、画面の明るさを約3倍の2,000ニトに引き上げ、無料のオフラインマップとデュアルバンドGNSSを新たに搭載しています。発売日は9月29日で、価格は4GBモデルが59,950円、64GBモデルが64,900円(いずれも税込)です。胸に巻くタイプの心拍ベルト「Suunto Smart Heart Rate Belt 2」(19,800円、税込)も同じ日に発売されます。

初代から変わったところ

初代Suunto Runは軽さが売りのシンプルなランニングウォッチでしたが、Run 2は「軽さを保ったまま足りなかったものを足す」方向の更新です。SUUNTOが公開している比較表をもとに、主な違いを整理します。

画面は1.32インチのLTPS AMOLEDで、サイズは据え置きながら最大輝度が600ニトから2,000ニトになりました。真夏の直射日光の下でペースや心拍数を読み取る場面では、この差がそのまま視認性に効いてきます。

バッテリーは容量が295mAhから380mAhへと29%増え、日常使用で最大10日間(初代は8日間)、最高精度のGPSモードで最大24時間(初代は20時間)持つとされています。フルマラソンはもちろん、ウルトラマラソンの前半戦くらいなら余裕がある計算です。

測位は新世代のデュアルバンドGNSSに更新され、GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSS(みちびき)のL1/L5信号に対応します。ビルの谷間や高架下で軌跡が暴れにくくなることが期待できます。

心拍センサーは12チャンネルの光学式に刷新され、2.5Dの曲面ガラス越しに手首の信号を拾います。インターバル走のように心拍が急に上下する場面での追従性を高めた、というのがメーカーの説明です。

ストレージは4GBに加えて64GBモデルが用意されました。地図と音楽を両方入れて使うなら、64GBを選んでおくのが無難でしょう。

本体サイズは46×46×11.7mmで、初代の11.5mmから厚さが0.2mm増えただけです。ステンレススチールのベゼル、Gorilla Glass、5ATMの防水性能は引き続き備えています。

追加料金なしのオフラインマップ

今回の目玉は、この価格帯のランニングウォッチとしては珍しい、無料のグローバルオフラインマップです。出走前にSuuntoアプリから地図やルートを時計本体へ転送しておけば、通信圏外でも手元で現在地と周囲の道が確認できます。旅先や遠征先のレースで初めてのコースを走るとき、あるいは街ランの途中で少し脇道に入りたいときに、スマートフォンを取り出さずに済むのは地味に便利です。サブスクリプション契約は不要で、地図の提供に追加費用はかかりません。

音楽もオフライン再生に対応しており、Bluetoothイヤホンとつなげばスマートフォンを持たずに走れます。

レース中の「余力」を数字で見せる

Suunto Run 2には、レース中に身体への負荷と残りの余力の目安をリアルタイムで表示する「EnergySense」が搭載されています。今のペースを維持するのか、抑えるのか、それとも上げるのかという判断材料を手首の上に出す機能で、あわせて現在のペースで走り続けた場合の予想フィニッシュタイムも表示されます。なお、EnergySenseはベータ版としての提供で、提供時期や対応機種、機能内容は変更される可能性があるとSUUNTOは注記しています。

マラソンモードには、あらかじめ設定した目標ペースとの差を追いかける「Ghost Runner」も用意されています。仮想のペースメーカーと競争するようなイメージで、設定タイムに対して今どれだけ先行あるいは遅れているのかが一目で分かります。

トレーニング計画の側面では、Suuntoアプリ内の「Suunto Coach」が無料で使えます。目標レース(5km、10km、ハーフ、フル)と走れる日数・時間を伝えると、AIがイージーラン、インターバル、ロングランを組み合わせた個別のプランを作成します。トレーニング負荷やHRV(心拍変動)、睡眠、回復状態もアプリ上で確認でき、走るか休むかの判断に使えます。

心拍ベルト2で計測の精度を底上げ

同時発売の「Suunto Smart Heart Rate Belt 2」は、胸部から心拍数と一拍ごとのR-R間隔を取得するベルト型センサーです。手首の光学式センサーが苦手とする、運動強度が激しく変化する場面でも安定した計測が見込めます。

対応するSuuntoウォッチと組み合わせると、HRVをもとにその日の身体の反応に合わせた運動強度を有酸素、無酸素、VO₂maxの3領域でリアルタイム表示する「ZoneSense」が使えるほか、ケイデンス、接地時間、上下動、滞空時間、左右の接地バランスといったランニングフォームの指標も記録できます。交換式のCR2032電池で最大約460時間動作し、接続が途切れたときやスイミング中のデータを最大20時間分本体に保持します。Bluetooth機器は最大3台まで同時接続が可能です。

価格と販売チャネル

Suunto Run 2の本体色はAll Black、Feather Gold、Aloe Greenの3色です。価格は4GBモデルが59,950円、64GBモデルが64,900円で、Suunto Smart Heart Rate Belt 2は19,800円(いずれも税込)です。どちらも9月29日から、SUUNTO公式オンラインストア、Amazon、楽天市場などで販売されます。

まとめ

Suunto Run 2は、35gという初代の軽さをそのまま引き継ぎつつ、明るい画面、長いバッテリー、デュアルバンド測位、そして無料のオフラインマップという「あれば嬉しかったもの」を一通り揃えてきたモデルです。EnergySenseがベータ版という点は割り引く必要がありますが、6万円前後でここまで入っているランニングウォッチは多くありません。秋以降のマラソンシーズンに向けて時計を新調するなら、有力な候補に入れてよいでしょう。