Anthropicが2026年6月9日(米国時間)、新型AIモデル「Claude Fable 5」を発表しました。これまで一部のサイバー防御組織だけに提供されてきたOpusより上位の「Mythos級」モデルを、新しい安全対策を組み込んだうえで初めて一般ユーザー向けに開放するものです。あわせて、安全対策を一部解除した「Claude Mythos 5」も限定提供されます[1]。

Opusの上位「Mythos級」が初めて一般開放

Mythos級は、AnthropicがOpusの上に新設したモデル階層です。第1弾の「Claude Mythos Preview」は2026年4月、米政府と連携するサイバー防御プログラム「Project Glasswing」を通じて、限られたサイバー防御組織や重要インフラ事業者だけに提供されていました[1]。

今回のFable 5は、同社が一般提供してきたどのモデルよりも高い能力を持ち、テストしたほぼすべてのベンチマークで最高水準(state-of-the-art)に達したとしています。ソフトウェア開発、ナレッジワーク、画像認識、科学研究などで性能向上が顕著で、タスクが長く複雑になるほど既存モデルとの差が広がるとのことです[1]。

なお「Fable」と「Mythos」は同一のモデルで、違いは安全対策の有無のみです。Mythos 5はサイバー分野の制限を解除した版として、当面はProject Glasswingの参加組織向けに提供されます[1]。

ソフトウェア開発から創薬まで 各分野での性能

早期アクセスを得た決済企業のStripeは、5,000万行規模のRubyコードベース全体の移行作業をFable 5が1日で完了させたと報告しています。人手ではチーム全体で2か月以上かかる見込みだった作業です。Cognitionのコーディング評価「FrontierCode」でも、フロンティアモデル中で最高スコアを記録したとされます[1]。

画像認識の進歩を示す例としては、ゲーム「ポケットモンスター ファイアレッド」のクリアが挙げられています。従来のClaudeは補助ツールを組み込んだ複雑なハーネス(補助環境)が必要でしたが、Fable 5はゲーム画面のスクリーンショットだけを入力とする最小構成でクリアまで到達しました[1]。

科学研究分野では、安全対策を解除したMythos 5を使った社内検証で、創薬におけるタンパク質設計の一部工程が約10倍に高速化したとしています。14のターゲットのうち9つで有望な候補が得られたほか、分子生物学の仮説立案ではブラインド比較で社内研究者の約80パーセントがOpus級モデルよりMythosの仮説を支持したとのことです[1]。

一部の質問にはOpus 4.8が代わりに応答する新しい安全対策

Mythos級の能力をそのまま開放すると、サイバー攻撃や危険な生物研究への悪用リスクがあるため、Fable 5には新しい分類器(クラシファイア)が組み込まれています。サイバーセキュリティ、生物学・化学、モデル能力の抽出(蒸留)に関わるリクエストを検知すると、Fable 5本体ではなく次点のモデル「Claude Opus 4.8」が代わりに応答する仕組みで、該当時はユーザーに通知されます[1]。

Anthropicはこの安全対策を意図的に厳しめに調整しており、無害なリクエストが誤検知される場合もあるとしています。ただし、この切り替えが発生するセッションは全体の5パーセント未満で、残るセッションではFable 5の性能はMythos 5と実質同等とのことです。1,000時間を超える外部バグバウンティでも、安全対策全体を無効化する「ユニバーサル・ジェイルブレイク」は見つからなかったとしています[1]。

また、Mythos級モデルの利用データについては、新たな攻撃手法の検知と誤検知の改善のため、法人向けを含む全トラフィックで30日間の保持を必須とする方針です。このデータをモデルの学習に使うことはないと明言しています[1]。

料金は入力10ドル・出力50ドル サブスクは6月22日まで追加費用なし

料金はFable 5、Mythos 5ともに100万トークンあたり入力10ドル(約1,600円)、出力50ドル(約8,000円)で、Mythos Previewの半額以下に設定されました。開発者はClaude APIでモデル名「claude-fable-5」を指定して利用できます[1]。

サブスクリプションプランでは段階的な提供となります。発表当日から6月22日まではPro、Max、Team、シート制Enterpriseの各プランで追加費用なしで利用でき、6月23日以降は利用クレジットが必要になります。容量が確保でき次第、標準提供への復帰を目指すとしています[1]。

※1ドル=160円換算(2026年6月9日時点)

まとめ

Claude Fable 5は、これまで限定提供だったMythos級の能力を、安全対策とセットで一般ユーザーに開放する初のモデルです。誤検知を許容してでも早期リリースを優先する判断は賛否が分かれそうですが、最上位の能力が月額プランでも試せる6月22日までの期間は、性能を見極める好機といえます[1]。

ちなみに、自分で作ったWEBアプリのURLとソースコードを渡し、脆弱性・セキュリティの問題について調査を依頼したところ、安全機能によってチャットが停止してしまいました。攻撃にも使えてしまう領域では、安全策が働きやすいかもしれません。

ただし、ソースコードのみを渡した場合は停止しませんでした。

なお、この記事は一部 Fable5 で作成されました。いかがでしたでしょうか?

出典:https://www.anthropic.com/news/claude-fable-5-mythos-5