Anthropicは、企業のClaude導入を支援するパートナー向けプログラム「Claude Partner Network」を拡充し、実績に応じてパートナーを格付けする「Services Track」と、各社の到達状況を可視化する公開ポータル「Claude Partner Hub」を新たに導入したと発表しました[1]。認定資格者数や本番環境への導入実績を共通の基準で測り、企業がClaude導入を任せる相手を選びやすくする狙いがあります。

拡大が続くClaude Partner Network

AnthropicがClaude Partner Networkを立ち上げたのは2026年3月のことです。パートナーの研修・技術支援・共同マーケティングに1億ドル(約160億円)を投じる枠組みで、企業へのClaude導入を支援する事業者を対象としています[1]。※1ドル=160円換算(2026年6月3日時点)

発表によると、その後4万社を超える企業が参加を申請し、1万人以上のコンサルタントがClaude認定資格を取得しました。この認定は事業者単位ではなく個人が保有するもので、本番環境でClaudeを構築・展開する訓練を受けたことを示します[1]。

世界有数のプロフェッショナルサービス企業も、自社の業務にClaudeを取り入れながら顧客への導入を進めています。Anthropicは、Accentureが3万人の専門人材にClaudeを学ばせ、Cognizantが約35万人の従業員にClaudeを展開し、Deloitteが世界で47万人に提供、KPMGが27万6,000人を超える従業員に統合していると説明します。さらにInfosysが業種別のClaude活用エージェントを構築し、PwCは米国チームを起点にClaude CodeとCoworkの展開を始め、数十万人規模のグローバル従業員へ広げているとしています[1]。

実績を3段階で格付けする「Services Track」

今回新設されたServices Trackは、各社がClaudeでどれだけの実績を積んだかを3つの段階で示す仕組みです。判断材料となるのは、現役の認定資格者数(直近90日以内にClaudeを利用した有資格者)、本番環境でClaudeを稼働させている顧客数、そして公開された導入事例で実績を保証してくれる顧客数の3点です[1]。

段階 主な要件
Select 現役の認定資格者10人以上、直近12カ月で本番導入した共同顧客2社以上、公開導入事例1件以上
Preferred 認定資格者100人以上、本番導入した共同顧客15社以上、公開導入事例3件以上
Global Premier 認定資格者1,000人以上、3地域以上にまたがる本番導入顧客100社以上、公開導入事例15件以上、役員が名を連ねる共同事業計画

特徴的なのは、企業規模で基準が変わらない点です。10人規模のAIネイティブな事業者でも、グローバル規模のコンサルティング会社でも、同じ要件で評価されます。規模が大きいからといって基準が下がったり段階が上がったりすることはなく、認定資格者を増やすことで上の段階を目指す設計です[1]。各社のダッシュボードにはAnthropic側が見ているのと同じ数値が表示され、四半期ごとに状況が検証されます。各段階の詳細な要件は公式サイト(claude.com/partners)で公開されています[1]。

状況を毎日更新する公開ポータル「Claude Partner Hub」

もう1つの柱が、パートナーの到達状況を可視化するClaude Partner Hubです。各パートナーは公開要件に対する自社の立ち位置を毎日更新される形で確認でき、Claudeの専門知識を求める顧客は案件に最も適した事業者を探せます[1]。各社の段階・認定チーム・顧客導入実績・公開事例はポータルの公開ディレクトリに掲載され、パートナーを評価する側はその事業者が何を築いてきたかを把握できます[1]。

さらにPartner Hubは、新しいMCPコネクタ経由でClaudeと連携できます。これにより、自社が次の段階の要件に対してどの位置にいるか、登録した案件の状況、有効な認定資格を持つコンサルタントの人数などをClaudeに尋ね、その場で対応できるようになります[1]。

パートナーにとっての意味と今後

Anthropicは、パートナーが計画を立てやすいよう4つの原則を掲げています。第1に、自社の立ち位置が常に分かることです。公開要件に対する現状と、次の段階に必要な条件がPartner Hubで毎日更新されます。第2に、実績づくりと案件紹介を別々に評価することです。段階の格付けは認定資格者数や本番導入数といった「築いた実績」を測る一方、Anthropicへの新規案件紹介は紹介クレジットや案件保護という別の仕組みで報われ、どちらかを選ぶ必要はありません[1]。

第3に、昇格の時期が事前に分かることです。昇格は年2回、1月1日と7月1日に処理され、初年度となる2026年は10月1日にも追加の見直しが行われます。降格は年1回の12月31日の見直し時のみで、要件を満たさなくなった場合に限られ、90日間の猶予と挽回の機会が与えられます[1]。第4に、3月に表明した1億ドルが研修・専属の技術支援・共同マーケティングの原資になることです。早期に参加した事業者は、今後追加される認定資格を優先的に利用できます[1]。

今後は、特定の業種や用途に向けた専門領域(Specializations)の追加や、導入規模の拡大に応じて増える報奨も予定されています。参加自体は無料で、Anthropic Partner Academyの認定試験を利用できます。新規申請者はまず、最低10人の認定資格者確保を前提とする入門段階「Registered」から始まり、Selectからが正式なパートナーシップとなります[1]。

まとめ

Anthropicは、Claude Partner NetworkにServices TrackとClaude Partner Hubを加え、パートナーの実績を共通の基準で格付けし、その状況を公開する仕組みを整えました。認定資格者数や本番導入実績を軸に、規模を問わず同じ要件で評価する設計は、企業がClaude導入の委託先を見極める際の指標になりそうです。専門領域の追加など今後の拡張も予告されており、Claudeを軸にしたパートナー経済圏の動きが一段と加速しそうです。

出典:https://www.anthropic.com/news/services-track-partner-hub