Adobeが全国のビジネスパーソン1,000名を対象に実施した「生成AIの業務活用実態調査」で、回答者の約6割が業務で画像生成AIを使っている実態が明らかになりました[1]。生成AIを「業務で使っていない」と答えた人は0パーセントで、特に若手世代を中心に日常業務へ定着している様子がうかがえます。一方で著作権や情報漏洩への懸念も根強く、安心して使える環境の整備が課題として浮かび上がっています。
全世代で生成AIが業務に浸透
今回の調査で目を引くのは、生成AIを業務で活用していない人が全体で0パーセントだった点です[1]。頻度の差こそあれ、回答者の全員が何らかの形で生成AIを業務に取り入れていることになります。
特に20〜30代では約半数が「ほぼ毎日」または「週3〜4回」利用していると回答しており、若手世代ほど利用頻度が高い傾向が見られます[1]。主な用途は業務効率化や時間短縮で、幅広い業務シーンで使われているとのことです。生成AIが一部の専門職だけのツールではなく、職種や年代を問わない日常的な道具になりつつあると言えるでしょう。
画像生成AIは「アイデア出し」と「資料作成」が主軸
画像生成AIに絞って見ると、「ほぼ毎日」「週1〜2回以上」を合わせた利用者は約6割に達しました[1]。主な用途は「アイデア出し」が40.7パーセント、「社内向け資料の挿絵・デザイン」が38.0パーセントと、社内業務での活用が中心です[1]。
一方で、社外向け資料での利用は約2割にとどまっています[1]。社内の効率化や表現力の向上には積極的に使う半面、取引先や顧客に届く成果物への適用には慎重な姿勢が残っていることがわかります。後述する著作権や権利関係への懸念が、この差につながっていると考えられます。
著作権・情報漏洩への懸念は依然根強い
利用が広がる一方で、課題も浮き彫りになりました。画像生成AIを使ううえで感じている懸念として、「著作権侵害リスク」が30.9パーセント、「肖像権・プライバシー侵害」が30.4パーセント、「情報漏洩リスク」が27.7パーセントと、上位を権利・セキュリティ関連の不安が占めています[1]。
注目したいのは、こうした懸念が利用の伸びしろにも直結している点です。画像生成AIの利用者の約7割が「著作権侵害のリスクがなければ、業務で使う機会や用途が今より増える」と回答しました[1]。さらに、現時点で画像生成AIを使っていない層でも約4割が「リスクがなければ使いたい」と答えており、潜在的な利用意欲は小さくありません[1]。リスクを取り除く仕組みが整えば、利用はさらに広がる余地があると言えそうです。
来歴情報の開示を求める声と、アドビの取り組み
信頼性への意識の高まりも調査から読み取れます。生成AIで作ったコンテンツについて、作成経緯や使ったAIツールといった来歴情報の開示が必要だと答えた人は約6割に上りました[1]。理由としては「信頼性と透明性の確保」が54.3パーセント、「著作権・知的財産保護」が54.8パーセント、「偽情報・フェイクコンテンツ対策」が45.7パーセントと続いています[1]。
こうした課題に対し、Adobeは自社の取り組みを示しています。画像生成AI「Adobe Firefly」のトレーニングには、Adobe Stockをはじめとする適切な使用許諾を得たコンテンツと、著作権の保護期間が満了したパブリックドメイン素材のみを使い、利用者の個人コンテンツは学習データに使わないとしています[1]。また、デジタルコンテンツに改ざん防止のメタデータを付与する「コンテンツクレデンシャル」を製品に実装し、来歴証明の標準化を目指す「コンテンツ認証イニシアチブ」には5,000を超える企業や組織が賛同しているとのことです[1]。
まとめ
今回の調査からは、画像生成AIが日本のビジネス現場にすでに定着している一方、著作権や情報漏洩への不安が利用拡大のブレーキになっている構図が見えてきます。リスクを抑える仕組みや、来歴情報を明らかにする透明性の確保が、これからの普及を左右する鍵になりそうです。なお本調査はインターネット調査として、20〜60代の男女1,000名を対象に2025年10月29日から31日にかけて実施されたものです[1]。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000536.000041087.html
