AI回答エンジン「Perplexity」を展開するPerplexity AIは2025年5月21日、IT系ニュースサイトを運営するアイティメディアが自社の「パブリッシャープログラム」へ参画したと発表しました[1]。このプログラムは、Perplexityが得る広告収益の一部をメディア側へ分配する仕組みを軸に、AI検索とコンテンツの作り手が協調関係を築くことを狙ったものです[1]。日本のIT専業メディアが参画する形となり、国内におけるAIとメディアの関係づくりを占ううえでも注目される動きです。
パブリッシャープログラムとは
パブリッシャープログラムは、Webメディアをはじめとするコンテンツ供給者との提携を通じて協調関係を構築し、より信頼性が高く正確な情報提供を促す取り組みです[1]。参画したパブリッシャーには、いくつかの実利が用意されています[1]。
具体的には、Perplexityが展開する広告配信機能による広告収入の一部をレベニューシェアできるほか、従業員向けのAPIへのアクセスが提供されます[1]。さらに、期間限定で法人向けプランの「Perplexity Enterprise Pro」を無料で使用できる特典も含まれます[1]。出典を明示しながら回答するPerplexityにとって、信頼できる情報の出し手と直接つながることは、回答の質を支える土台にもなります。
今回の提携により、アイティメディアはPerplexityのAIサービスの提供を受け、自社での活用を推進します[1]。一方のPerplexityは、自社の検索エンジンをより魅力的なものにし、そこから生まれる広告掲載でレベニューシェアを行うという関係です[1]。
アイティメディアの参画とそのねらい
アイティメディアは、テクノロジー関連分野を中心に情報やサービスを提供するインターネット専業のメディア企業です[2]。月間約5,000万ユニークブラウザに利用されており、IT総合情報ポータル「ITmedia」、企業向けIT製品の総合サイト「キーマンズネット」、ITエキスパート向けの「@IT」など、ターゲット別に多数のサイトを運営しています[2]。東証プライム市場に上場し、証券コードは2148です[2]。
アイティメディア 代表取締役社長 兼 CEOの小林教至氏は、自社が日々AIに関する多くの情報を発信し、メディア事業におけるAI活用を通じて企業理念である「メディアの革新」の実現を目指していると説明しています[1]。そのうえで、情報の作り手であるメディアとの共生を積極的に進めるPerplexityの姿勢に強く共感し、今回のパートナーシップに至ったと述べました[1]。
AI検索とメディアの「共生」という文脈
生成AIによる検索や回答エンジンが広がるなかで、コンテンツの作り手であるメディアにどう対価を還元するかは、業界全体で議論が続くテーマです。Perplexityはこの点について、パブリッシャーとの提携によって協調関係を築く方針を打ち出しており、今回の参画もその一環に位置づけられます[1]。
Perplexity AI APAC代表の森田俊氏は、アイティメディアとのパートナーシップがパブリッシャーとの信頼関係を一層強化し、正確かつ迅速な情報を届けるための大きな一歩になるとコメントしています[1]。グローバルでのパブリッシャー連携も着実に拡大しているとし、今回の取り組みが他のメディアにとっても良い模範になるとの見方を示しました[1]。
Perplexityは2022年に設立されたAI企業で、OpenAIやMeta、Quora、Bing、Databricksの出身者らによって創業されました[3]。リアルタイムに信頼できる情報源から回答を集め、インライン引用(出典明示)を付けて回答する設計を強みとしています[3]。出典を示す仕組みを掲げてきた同社が、情報の出し手であるメディアと収益面で手を組む流れは、AI検索とメディアの関係を考えるうえで一つの試金石になりそうです。
まとめ
Perplexityのパブリッシャープログラムへのアイティメディアの参画は、AI検索とメディアが対立ではなく協調を模索する動きを象徴するものです。広告収益のレベニューシェアやAPIアクセス、法人向けプランの提供といった実利を通じて、信頼できる情報の作り手とAI企業が結びつく構図が見えてきます。日本のIT専業メディアが参画したことで、国内でも同様の連携が広がるのか、今後の展開が注目されます。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000157647.html
出典:https://corp.itmedia.co.jp/pr/releases/2025/05/21/perplexity/
