Metaは2026年9月23日、ディスプレイ内蔵型のAIグラス「Ray-Ban Display」の販売国を広げると発表しました。これまで米国内の実店舗でしか買えなかった同製品が、英国・カナダ・フランス・イタリア・ドイツでも購入可能になり、オンライン注文にも新たに対応します。あわせて、音声で行き先を案内するナビゲーション機能や、通話相手に自分の姿をリアルなアバターで映し出す新機能も公開されました。

手首のバンドで操作する「見るAIグラス」

Ray-Ban Displayは、右レンズの端に視界を妨げない形でフルカラーの高解像度ディスプレイを組み込んだAIグラスです。手首に着けるNeural Bandと呼ばれるリストバンドが特徴で、指先の筋肉が発する微弱な電気信号を読み取り、親指のスワイプでメニューを送ったり、指先をつまむ動作で決定したりと、画面に触れずに操作できます。2025年9月30日に米国限定・実店舗販売のみで発売され、価格はメガネとNeural Bandのセットで799ドル(約12万5,000円)でした。バッテリーはメガネ本体が混在利用で最大6時間、専用ケースを使えば最大30時間、Neural Band単体では最大18時間持続するとされています。

想定を超える需要で8か月以上足止めされていた海外展開

Metaは当初、2026年初頭には英国・フランス・イタリア・カナダへ販売を広げる計画でした。ところが米国内の注文が想定を大きく上回り、在庫が追いつかない状態が続いたため、今年1月に海外展開をいったん凍結しています。今回の発表は、その凍結からおよそ8か月越しでの再始動にあたります。価格は英国が749ポンド(約15万6,000円)、カナダが1,149カナダドル(約13万3,000円)、フランス・イタリア・ドイツが899ユーロ(約16万1,000円)で、いずれも米国の799ドル(約12万5,000円)に近い水準です。米国・カナダ・英国では発表当日からオンラインでの注文受付が始まり、フランス・イタリア・ドイツでも同日から予約受付が開始され、店頭での取り扱いは10月13日から始まる予定です。度付きレンズについても、米国・カナダではMetaの公式サイトから注文でき、フランス・イタリアでは10月13日からEssilorLuxotticaの眼鏡店で、ドイツでは年内に対応する予定です。

ナビゲーションと、顔を映すホログラム通話が追加

新機能の一つは、自転車移動や公共交通機関の利用時に音声で経路を知らせるナビゲーションです。「黄色い建物の角を左に曲がってください」のように、周囲の目印を交えた案内をしてくれるのが特徴で、まずは9月下旬から米国とカナダで使えるようになります。もう一つの目玉は、WhatsAppの通話中に自分の顔をホログラムのようなデジタルアバターとして相手に見せられる機能です。Meta AIアプリで短時間の顔スキャンを済ませておくと、声の抑揚や話し方から表情を推測し、リアルタイムでアバターに反映させる仕組みで、今秋に米国でWhatsAppの早期アクセス機能として提供が始まります。このほか、周辺のスポットを探せる新アプリ「Explore」や、Dolby Atmos対応の動画撮影、カレンダー連携、通知のミラーリング、Threadsのコミュニティフィード表示なども順次追加される予定です。

まとめ

Ray-Ban Displayは米国限定・実店舗限定という制約が続いていましたが、今回の発表により英国・カナダ・欧州3か国でも購入できる製品へと生まれ変わります。ナビゲーションやホログラム通話といった新機能もあわせて投入され、単なる「表示できるメガネ」から日常の道具としての実用性を高める方向へ進みつつあると言えそうです。今後、対応地域や機能がどこまで広がるのか注目されます。

※為替レート(2026年9月26日時点):1米ドル=157円、1英ポンド=208円、1カナダドル=116円、1ユーロ=179円

参考: https://about.fb.com/news/2026/09/new-features-for-meta-ray-ban-display-navigation-hologram/