Lenovoが、円形の超小型デスクトップPC「Yoga Mini i(Gen 11)」に、メモリを64GBへ増やした新構成を追加しました。すでに中国のJD.comで販売が始まっており、価格は17,999元(約43万円)です。手のひらに載るサイズながら、CPU・GPU・NPUを合わせて最大180 TOPSのAI性能を備え、クラウドに頼らず手元で生成AIを動かすことを狙った1台に仕上がっています。
※1人民元=23.8円換算(2026年7月10日時点)
手のひらに載る円形ボディ
Yoga Mini iの最大の特徴は、四角い一般的なミニPCとは異なる円筒形のデザインです。容積は約0.65リットル、重さはおよそ600グラムで、片手に載るほどのサイズに収まります。アルミ素材の筐体は底面にARGBのライティングを備え、本体を軽くたたくと起動するスマートセンサー機能も持たせています。省スペースを重視しつつ、机の上に置いても様になる見た目を意識した設計です。
Core Ultra X7 358HとArc B390
中核となるのは、Intelの最新世代「Panther Lake」に属するプロセッサー「Core Ultra X7 358H」です。動作電力は25Wで、高性能コア4基・高効率コア8基・低電力の高効率コア4基を組み合わせた16コア構成を採ります。内蔵グラフィックスには上位の「Intel Arc B390」を統合し、動画編集や軽めのゲームといったGPUを使う処理にも対応します。
さらに、AI演算を専門に受け持つNPU(ニューラル処理ユニット。AI処理を効率よくこなす専用回路)を搭載し、CPU・GPU・NPUを合わせたシステム全体で最大180 TOPSのAI性能をうたいます。TOPSは1秒あたりの演算回数を表す指標で、数値が大きいほど画像認識や生成AIの処理を速くこなせます。
64GBメモリでローカルLLMを本体だけで
今回の新構成の目玉が、メモリ容量です。Yoga Mini iはCES 2026で公開された当初、上位モデルでも最大32GBのメモリにとどまっていましたが、64GBのLPDDR5Xメモリを積んだ構成が新たに加わりました。ストレージにはPCIe 4.0接続の1TB SSDを組み合わせます。
メモリを64GBに増やした狙いは、ローカルでの大規模言語モデル(LLM)の実行です。Lenovoは、この構成なら最大800億(80B)パラメーター規模のモデルまで本体だけで扱えると説明しています。データを外部のクラウドへ送らずに手元で処理を完結できるため、機密性を重視する用途との相性が良い点を打ち出しています。
接続端子と価格、入手性
小型ながら、端子類は充実しています。高速なThunderbolt 4を2基備えるほか、HDMI、USB-A 3.2 Gen 2、USB-C 3.2 Gen 2、給電に対応するUSB-C、3.5mmオーディオ、2.5ギガビット対応の有線LANを搭載します。無線はWi-Fi 7に対応し、複数のディスプレイへの同時出力もこなします。付属品としてワイヤレスのキーボードとマウスも同梱されます。
一方で、販売は当面中国のJD.comが中心です。Lenovoの製品仕様データベース「PSREF」には執筆時点で64GB構成が反映されておらず、この構成がそのまま世界市場へ広がるかどうかは不透明です。日本を含む海外での展開を期待するユーザーは、今後の情報を見守る必要がありそうです。
まとめ
Lenovoの「Yoga Mini i」に加わった64GBメモリ構成は、手のひらサイズの円形ボディにCore Ultra X7 358Hと大容量メモリを収め、外付けGPUなしでローカルAIを動かすことを狙ったミニPCです。価格は17,999元(約43万円)と手軽とは言えませんが、省スペースと静音性を保ちつつ手元でLLMを扱いたいユーザーにとって、注目の選択肢になりそうです。
