NVIDIAは8月13日、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」のアップデートを発表しました[1]。長らくベータ扱いだったLinux向けネイティブアプリが正式版になり、クラウド側ではDLSSフレーム生成の応答性が改善されています。あわせて、ChromebookでGeForce RTXクラスのPCゲームを遊ぶための「Chromebook Fast Pass」も改めて案内されました。

Linux版アプリがベータを卒業

今回の目玉は、GeForce NOWのLinuxネイティブアプリが正式にベータを卒業したことです[1]。数か月にわたるコミュニティからのフィードバックを踏まえ、パフォーマンス、安定性、細部の作り込みに手を入れたうえでの正式リリースとされています。対応環境は引き続きUbuntu 24.04以降です。

導入まわりも整理されました。新たにFlatpak形式のリポジトリが用意され、初回のインストールとその後のアップデート受け取りが以前より簡単になっています。ディストリビューションごとにパッケージを探し回る手間が減るのは、Linuxで日常的にゲームをする人にとって地味ながら効いてくる変更です。

Linux環境でのゲームというと、これまではドライバーの相性や互換レイヤーの設定に時間を取られがちでした。GeForce NOWはレンダリングをすべてクラウド側で処理するため、手元のマシンにハイエンドGPUを積む必要がありません。使い慣れたLinuxのデスクトップを維持したまま、最新のGeForce RTXの性能だけを借りてくる形になります[1]。

クラウド側の最適化でフレーム生成の応答性が向上

サービス側の改善も入りました。GeForce NOWはクラウド上でのDLSSフレーム生成を最適化し、遅延を抑えて操作の手応えを高めたとしています[1]。効果がわかりやすいのは1440pや4Kで60fpsまたは120fpsのストリーミングを行う場面で、マウスの動きやカメラの振り向きがより即座に反映されるようになるという説明です。

もう1つ、Performance会員向けにはサーバー側ソフトウェアの最適化が追加されています[1]。CPU負荷の高い一部のタイトルでフレームレートが伸びるという内容で、重量級のゲームほど恩恵を受けやすい構成です。これらはいずれもクラウド側で自動的に適用されるため、会員が何かをインストールしたり設定を変更したりする必要はありません。追加費用もかかりません。

手元の機材を買い替えなくても、契約したまま待っていれば体験が少しずつ良くなる。クラウドゲーミングというサービス形態の分かりやすい利点が出ている部分です。

Chromebookが「PCゲーム機」に変わる

もう一方の柱がChromebookです。学校や自宅で講義やグループ作業に使っているChromebookでも、対応ブラウザーかアプリを開けば、手持ちのライブラリーから2000本以上のPCゲームをストリーミングできます[1]。処理そのものはクラウドが引き受けるため、端末側の性能は問われません。同じ仕組みはMac、Surface、一般的なノートPC、Steam Deck、モバイル端末にも広がっています。

さらに、対象となるChromebookおよびChromebook Plusの新規購入者は、「Chromebook Fast Pass」で1年間分のGeForce NOWを無償で利用できます[1]。広告が入らず、混雑時の待ち行列を飛ばして優先的にサーバーへ接続できるのが特徴です。

Fast PassはGoogleとNVIDIAの協業として2025年11月20日に始まった施策で、Steam、Epic Games Store、Xboxなど既存ストアのライブラリーをそのまま接続でき、ゲームを買い直す必要はありません[2]。無償枠は月10時間のプレイ時間が上限で、使い切らなかった分は最大5時間まで翌月へ繰り越せます[2]。毎日長時間遊ぶ用途には足りませんが、授業の合間や週末に少し触る程度なら十分収まる範囲でしょう。

今週追加されるタイトル

今週GeForce NOWのライブラリーに加わるのは9本です[1]。

  • Car Wash Simulator(Steamで8月10日に新規リリース)
  • Pax Autocratica(Steamで8月10日に新規リリース)
  • Clawed(Steamで8月13日に新規リリース)
  • Hell Let Loose: Vietnam(Steamで8月13日に新規リリース)
  • Sandustry(SteamおよびXboxで8月13日に新規リリース)
  • Cat Mail Co.(Steam)
  • Misery(Steam)
  • Monster Hunter Wilds Prologue Demo(Steam)
  • Pratfall(Steam)

新作の発売当日にクラウド側でも遊べるタイトルが並んでいる点は、対応の速さという意味で評価できるところです。

まとめ

GeForce NOWのLinuxネイティブアプリが正式版となり、Ubuntu 24.04以降とFlatpakリポジトリに対応しました。クラウド側ではDLSSフレーム生成の最適化で遅延が減り、Performance会員はCPU負荷の高いタイトルでフレームレートの向上が見込めます。Chromebook側では、対象の新規購入者が1年間無償のFast Passを利用でき、広告なしかつ優先接続で2000本以上のPCゲームをストリーミングできます。手元の端末を選ばずに最新GPUの性能を借りる、という方向性がさらに一歩進んだ格好です。

出典: [1] https://blogs.nvidia.com/blog/geforce-now-thursday-linux-native-app/

出典: [2] https://blog.google/products-and-platforms/devices/chromebooks/chromebooksgeforce-now-fast-pass/