Acerが9月2日、ベルリンで開いた次世代製品発表会「next@acer」で、8インチの携帯ゲーム機コンセプト「Project DualPlay Mini」を披露しました。画面を回転させて開くと物理キーボードが現れ、そのままミニノートPCとして使えます。同時に、7インチの新型携帯ゲーム機「Predator Atlas 7」も正式発表されました。
開くとキーボードが出てくる8インチ機
Project DualPlay MiniはPredatorブランドのコンセプト機で、携帯ゲーム機とモバイル作業機の2役を1台でこなすことを狙った設計です。閉じた状態では左右にグリップとスティックを備えた携帯ゲーム機ですが、ヒンジで画面を起こして反転させると、バックライト付きの物理キーボードが現れます。
Acerがこの構造を用意した理由ははっきりしていて、ジャンルごとに最適な入力が違うからです。FPSのようにキーボードとマウスが有利なタイトルはノートPCモードで、それ以外のタイトルはコンソール機に近い携帯モードで、という使い分けを想定しています。ゲームを離れれば、外部ディスプレイに接続して出先の作業機として使うこともできます。
携帯ゲーム機を持ち歩く人の多くが、結局ノートPCも別に持ち歩いているという現実を踏まえると、この発想は理にかなっています。実際、2台の荷物が1台に減るなら重量的な妥協はある程度受け入れられる、という層は少なくないはずです。
背面のモールス信号は創業50年の刻印
デザイン面では、背面カバーに施された装飾が目を引きます。一見すると模様にしか見えない点と線の並びは、モールス信号で「Acer 50 since 1976」と読める仕掛けです。1976年創業のAcerにとって、2026年はちょうど50周年にあたります。
内部には冷却機構も抜かりなく積まれています。すでに製品化されているPredator Atlas 8と同じ2ファン構成を継承しつつ、金属ファンのブレードをさらに薄くしたものが入ります。プロセッサはIntel製とだけ公表されており、詳しい型番は明かされていません。
なお、Project DualPlay Miniはあくまでコンセプト機で、製品化の予定は示されていません。Acerは2024年のIFAでも、タッチパッド部分が着脱式コントローラーになる「Project DualPlay」を披露しており、こうした試作機の公開は同社の恒例行事になっています。
実売機として登場するPredator Atlas 7
一方、実際に発売されるのがPredator Atlas 7(型番PA07-I51)です。5月のCOMPUTEXで発表された8インチのPredator Atlas 8を、7インチへ小型化したモデルにあたります。
プロセッサは最上位でIntel Arc G3 Extreme、グラフィックスはIntel Arc B390を選べます。メモリは最大24GBのLPDDR5x(7467MT/s)、ストレージはPCIe Gen4接続のM.2 SSDで最大1TBです。画面は7インチのフルHD(1920×1080)で、リフレッシュレートは120Hz、最大輝度は500ニト、可変リフレッシュレート(VRR)にも対応します。表面はGorilla Glass Victusで保護され、強化ガラス製の保護フィルムも同梱されます。
本体サイズは292×112.7〜123×28.5〜48.4mm、重量は80Whバッテリー搭載時で750g未満、60Whバッテリー搭載時で700g未満です。OSはWindows 11 Homeで、Xbox Game Pass PremiumとPC Game Passの2か月分が付属します。
冷却と操作系はAtlas 8の設計を継承
Atlas 7で目を引くのは冷却です。金属製の「Predator AeroBlade」ファンは0.1mm厚のブレードを89枚備え、樹脂ファンと比べて風量が最大10パーセント増えるとしています。これに樹脂ファンを組み合わせた2ファン構成に、筐体内部の角度付き流路で熱気を排出するVortex Flowを組み合わせ、負荷が続く場面での温度上昇を抑える構成です。
操作系では、スティックにTMR(トンネル磁気抵抗)方式を選べる点が実用的です。使い込むほど中央がずれていくスティックドリフトを原理的に抑えられるため、長期間使う携帯機とは相性が良い技術といえます。トリガーはホール効果式のアナログ入力で、踏み込み量を細かく拾う操作にも対応します。電源ボタンには指紋センサーが内蔵され、Windows Helloで素早くログインできます。
接続まわりはThunderbolt 4を2基、UHS-II対応のmicroSDカードスロット、3.5mmのコンボ端子を用意し、無線はIntel Killer Wi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応します。音まわりは2Wスピーカー2基とDTS:X Ultra、マイクにはノイズ低減を担うAcer PurifiedVoiceが入ります。
発売時期は北米が2026年第4四半期、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が2026年11月です。先に発表されていたPredator Atlas 8は、北米とEMEAで2026年9月から供給が始まります。価格は地域ごとに異なるとして、この時点では公表されていません。
まとめ
Project DualPlay Miniは、携帯ゲーム機とノートPCという別々に持ち歩かれてきた2つの形を、回転ヒンジで1台にまとめたコンセプト機です。製品化の予定は示されていませんが、8インチ級の携帯機に物理キーボードを載せるという発想は、次の世代の形を考えるうえで示唆に富んでいます。実売機のPredator Atlas 7は、Intel Arc G3 Extremeと80Whバッテリー、金属ファンによる冷却を7インチに詰め込み、北米で2026年第4四半期から登場します。
