Xiaomiが、スマートホームのサブブランド「MIJIA(米家)」を欧州市場へ本格的に投入します。舞台は9月4日から8日までベルリンで開かれる家電見本市IFA 2026で、同社にとって初めての大規模出展となります。会期に先立つ9月3日午前10時30分(現地時間)には記者発表会が予定されており、そこでMIJIAの欧州展開が正式に打ち出される形です。

130以上のカテゴリー、2,000を超える製品群

MIJIAは、Xiaomiが自社のスマートホーム製品をまとめてきたブランドです。現在は130を超えるカテゴリーにまたがり、製品数は2,000点以上に達します。生活家電から小物まで幅が広く、そのすべてが同じアプリと同じ設計思想の上に載っているのが特徴です。

ブランドとしての立ち位置は「The Art of Smart Living」という言葉で示されています。掲げているのは、使う人を起点にした設計、長く使える耐久性、そして部屋に置いたときに主張しすぎない造形の3点です。スマートホーム製品は機能を詰め込むほど見た目が装置じみていきますが、MIJIAはそこを抑えて、家具や日用品の並びに溶け込むことを優先してきました。

この製品群がまとめて欧州に入るという点が今回の要点です。単発のヒット商品を持ち込むのではなく、カテゴリーを横断した棚ごと持ってくる。Xiaomiがアジアで築いてきた「1つ買うと次が欲しくなる」構造を、そのまま欧州でも成立させにいく動きと読めます。

会場で見られる3製品

IFA 2026の会場では、MIJIAの新しい取り組みを示す製品が実機で展示されます。挙げられているのは次の3つです。

1つ目は、洗濯槽を3つ備えた洗濯機です。衣類を色や素材で仕分ける手間と、汚れの落としにくいものを別扱いする手間を、槽を分けることで機械側に引き受けさせる考え方になっています。

2つ目はエアコンで、ミリ波レーダーを使って室内の状況を把握します。人がいるかどうか、どこにいるかをセンサーで捉えられれば、部屋全体を一律に冷やし続ける必要がなくなります。快適さと消費電力の両立を狙った設計です。

3つ目は冷蔵庫で、「Cryo Fresh」と呼ばれる鮮度保持技術を搭載します。食材が長持ちすれば買い物の回数も廃棄も減るため、日々の暮らしに効いてくるタイプの改良と言えます。

いずれも派手な新カテゴリーではなく、洗う・冷やす・保つという家事の基本動作を機械側で少しずつ引き取る方向の製品です。スマートホームというと音声操作や連携の話になりがちですが、MIJIAが前面に出したのは家事そのものの負担を減らす部分でした。

「人 × 車 × 家」を1つの会場で

MIJIAの欧州展開は、Xiaomi全体の出展の一部でもあります。同社はIFA 2026で「The Surging Wave of AI」をテーマに掲げ、380点を超える製品を並べる過去最大規模の展示を行います。スマートフォンやウェアラブル、スマートホーム機器、そして自動車までを1つの動線で見せる構成で、同社が「人 × 車 × 家」と呼んできたエコシステムの現在地を示す場になります。

この文脈でもう1つ発表されているのが、Xiaomiの自動車事業の欧州進出です。ドイツを含む地域へ2027年に持ち込む計画が示されました。家電と車が同じアカウント、同じアプリの上に乗る前提で作られている以上、片方だけが欧州に入っても構図は完成しません。MIJIAの本格展開と自動車の進出予告が同じ舞台で語られたのは、順序として自然な流れです。

まとめ

MIJIAの欧州展開は、130カテゴリー・2,000製品超をまとめて持ち込む点にスケールがあります。IFA 2026で示されたのは、三槽式洗濯機やミリ波レーダー搭載エアコン、Cryo Fresh対応冷蔵庫といった、家事の手数を減らす方向の製品でした。さらに2027年には自動車が欧州に入り、「人 × 車 × 家」の構図が現地でも揃うことになります。欧州のスマートホーム市場は既存の家電メーカーが強く、価格だけで押し切れる領域ではありません。品ぞろえの厚みと連携のしやすさをどこまで武器にできるかが、この展開の成否を分けそうです。