ASUSのゲーミングブランドROGと、AR(拡張現実)グラスを手がけるXrealが共同開発した「ROG XREAL R1」が、海外で予約受付を始めました。目の前に最大171インチの仮想大画面を映し出す、ゲーム用途に振り切ったARグラスです。グラス型としては珍しい240Hzの高速表示に対応し、価格は849ドル(約13万7,000円)。日本では7月中旬の発売が案内されています。

目の前に171インチ、ゲームのための「かけるディスプレイ」

ROG XREAL R1は、レンズ部分に映像を映し出して、視界の中に大きな画面が浮かんでいるように見せるARグラスです。重さは約91グラムと、一般的なメガネより少し重い程度に収まっています。本体に電池は持たず、つないだ機器から電力を受け取る仕組みで、消費電力はグラス単体で3W未満、専用ドックを介しても7.5W未満とされます。

映し出せる画面は、約4メートル先に最大171インチ相当の大きさです。視野角(FOV)は57度で、目の前の集中して見る範囲のうち95パーセントを覆うとされ、視界いっぱいに映像が広がります。表示パネルには片目あたりフルHD(1920×1080)のMicro-OLED(極小サイズの有機ELパネル)を採用し、深い黒と鮮やかな発色を狙っています。

ゲーミングに振った独自の装備

最大の特徴は、表示の滑らかさを示す書き換え速度です。一般的なARグラスが120Hz止まりのなか、R1は市販のARグラスとして初めて240Hzに対応したとうたいます。あわせて、画面が切り替わる応答速度は0.01ミリ秒で、動きの速い場面でも残像が出にくいとしています。ただし240Hz表示は画像を引き伸ばす処理で実現しており、本来の解像度に比べて文字などがわずかに甘くなる場合があると説明されています。

据え置きでの利用を支えるのが、付属の「ROG Control Dock」です。HDMI 2.0を2系統とDisplayPort 1.4を備え、パソコンとゲーム機をつないだまま、ボタン1つで映像の入力元を切り替えられます。さらに、ROGのゲーミングモニターで培った機能も移植されており、照準や残り時間、フレームレートを画面に重ねて表示する「GamePlus」や、ゲームの種類に合わせて画質を最適化する7種類の「GameVisual」、HDR映像をそのまま受けて見やすく整える機能などを利用できます。

携帯ゲーム機「ROG Ally」との連携も深く、USB-Cケーブル1本でつなぐだけで、7インチの携帯機を171インチの大画面に拡張できます。接続中はAlly側の画面が操作パネルとして残り、専用アプリから明るさや画面サイズ、調光の濃さ、3D表示などをゲームを止めずに調整できます。

見え方と装着感への配慮

R1のレンズには、電気を流して濃さを変える調光技術(エレクトロクロミック)が組み込まれており、3段階で外光の入り方を調整できます。明るいカフェでも暗い部屋でも、レンズの濃さを変えてコントラストを保てる設計です。本体内蔵の空間処理チップ「X1」により、頭を動かしても画面が空中の一点に留まる「アンカーモード」など、3DoF(頭の傾きや向きの動きを検知する仕組み)にも対応します。

音まわりはBoseが監修し、足音や環境音などの方向が分かりやすい音作りとしています。指向性を持たせて音漏れを抑える設計ですが、静かな場所や完全なプライバシーが必要な場面ではイヤホンの併用が推奨されます。色再現はsRGBカバー率106パーセント、ピーク輝度は700ニトです。このほか、通常の2D映像を立体的に見せる「Instant 3D」や、頭の動きに合わせて360度を見回せる「Instant Sphere」なども備えます。

装着面では、鼻あてをM・Lの2サイズ用意し、つるの角度も調整できます。瞳の間隔(IPD)に合わせた2サイズ展開で、57〜75ミリの利用者の95パーセントをカバーするとし、視力矯正用レンズの装着にも対応します。目への負担に配慮した光学設計で「TÜV Eye Comfort」認証を取得しており、45〜60分ごとに10分の休憩を取ることが勧められています。

対応機器と価格、発売時期

接続は幅広く、USB-CのDisplayPort出力に対応する機器であれば、ROG AllyやiPhone 15/16、Androidの上位機種などに直接つなげます。映像出力端子しか持たないPlayStation 5やXbox、デスクトップパソコンは、ROG Control Dockを介して接続します。Nintendo Switchも、ドック経由かつ外部給電を行えば利用できますが、Switchやスマートフォンは60Hz止まりとなるなど、240Hzを生かせるかは接続先の性能に左右されます。USB-Cケーブルは高速表示を安定させるため1.2メートルに固定されています。

価格は849ドル(約13万7,000円)です。Xrealの上位モデル「One Pro」が649ドルであることを踏まえると、ゲーミング向けの機能を盛り込んだぶん強気の設定と言えます。日本では7月中旬の発売が案内されており、価格は14万円前後とされています。

※1ドル=161.5円換算(2026年6月24日時点)

まとめ

ROG XREAL R1は、ASUSのROGとXrealが組んだゲーミング特化のARグラスです。約91グラムの軽さで171インチの仮想大画面を映し、市販のARグラスとして初の240Hz表示や応答速度0.01ミリ秒、ROG Control Dockによる入力切り替え、ROG Allyとの密な連携といった、ゲームのための装備を詰め込みました。一方で、849ドルという価格や、240Hz表示が引き伸ばし処理である点、本体に電池を持たない仕組みなど、購入前に押さえておきたい点もあります。日本では7月中旬の発売が見込まれており、大画面ゲーミングの新しい選択肢としてどこまで支持を集めるかが注目されます。