GMKtecが、AMDのRyzen AI 9 HX 470を採用したミニPC「EVO-X1 Pro」の販売を始めました。12コア24スレッドのCPUに専用のNPUを組み合わせ、システム全体で最大86 TOPSというAI処理性能をうたう構成です。メモリは64GBを標準で搭載し、前面のOCuLink端子からデスクトップ向けGPUを引き込めます。価格は64GBメモリと1TB SSDの構成が251,999円(税込)からとなっています。

12コア24スレッドに55 TOPSのNPU

中身の主役はAMD Ryzen AI 9 HX 470です。12コア24スレッドで動作周波数は最大5.2GHz、内蔵GPUにはRadeon 890Mを備えます。演算ユニットは16基で、グラフィックス側の動作周波数は最大3.1GHzとされています。

AI処理を受け持つのはXDNA 2世代の専用NPUで、単体で最大55 TOPS。CPUとGPUを合わせたシステム全体では最大86 TOPSに達します。数字だけを追うと大型のAI向けミニPCには及びませんが、画像生成や音声認識といった手元で完結させたい処理を回すには十分な水準です。

出荷時にはGMKtec Clawというソフトウェアが導入済みで、ローカルで動かすAIモデルやAIエージェントをすぐ試せる状態で届きます。動作モードは最大65Wのパフォーマンスモードを用意し、冷却はCPU専用のクーラーとシステムファンを組み合わせた2ファン構成です。小型筐体で高負荷が続く場面をどこまで支えられるかは、実機のレビューを待ちたいところです。

OCuLinkとUSB4で外付けGPUに対応

拡張の要はOCuLink(PCIe 4.0 x4)です。デスクトップ向けのGPUを直結できるため、ゲームだけでなく動画編集やローカルでの大規模言語モデル実行にも効いてきます。ホットスワップには対応していないため、GMKtecは本体の電源を切った状態で着脱するよう案内しています。USB4経由でも外付けGPUを接続できるので、手持ちの機材に合わせて2通りの選択肢がある形です。

映像出力はHDMI 2.1、DisplayPort 2.1、USB4の3系統で、3画面までの同時出力に対応します。解像度は最大8Kまで。USB4は最大100Wの電源入力も受けられます。

有線LANは2.5GbEを2ポート備え、無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応します。このほかUSB-A 3.2 Gen 2(10Gbps)を4ポート、3.5mmオーディオジャックを搭載し、OSはWindows 11 Proです。2.5GbEが2つあるので、仮想化やNAS用途で構成を組む余地もあります。

メモリは増設不可、ストレージは最大16TB

注意したいのはメモリの扱いです。64GBのLPDDR5-6400を基板に直付けしており、あとから差し替えたり容量を足したりはできません。最近のミニPCでは高速化と薄型化を優先してオンボード実装を選ぶ例が増えており、EVO-X1 Proもその流れに沿った設計です。64GBという初期容量が十分かどうかを、購入前に見極めておく必要があります。

一方でストレージには余裕があります。M.2 2280(PCIe 4.0 x4)スロットを2基備え、8TBのSSDを2枚差せば合計16TBまで拡張できます。出荷構成は1TBと2TBの2種類です。

価格は251,999円から

価格は税込で、64GBメモリと1TB SSDの構成が251,999円、64GBメモリと2TB SSDの構成が278,999円です。クーポンコード「A8X1PRO」を使うと5,000円引きになります。

米国のGMKtec公式ストアでは、1TB構成の通常価格が2,299.99ドル(約36万円)とされ、そこから値を下げた1,599.99ドル(約25万円)が販売価格として掲示されています。さらに20ドル引きのクーポンコードも用意されており、立ち上がり時期の値引き幅は大きめです。

※1ドル156円換算(2026年8月3日時点)

参考として、前モデルにあたるEVO-X1(Ryzen AI 9 HX 370搭載)は日本のGMKtec公式ストアで155,999円から販売されています。CPUの世代とメモリ容量、そしてNPUの性能差を踏まえると、EVO-X1 Proは同じEVOシリーズの中でも上位を狙った位置づけと言えます。

まとめ

EVO-X1 Proは、12コア24スレッドのRyzen AI 9 HX 470とXDNA 2世代のNPUを組み合わせ、システム全体で最大86 TOPSをうたうミニPCです。64GBのLPDDR5はオンボードで増設できませんが、M.2スロット2基で最大16TBまで伸ばせるほか、OCuLinkとUSB4の両方で外付けGPUを足せる拡張性が特徴です。3画面8K出力、2.5GbE 2ポート、Wi-Fi 7と周辺も一通りそろっており、価格は251,999円(税込)から。手元でAIモデルを動かしつつ、必要なときだけGPUを繋いで性能を伸ばしたい人に向いた1台です。