Arm PC向けチップ「N1」搭載マザーボードが流出——ゲーミングノートの新星となるか。
NVIDIAがMediaTekと共同開発しているArmベースのAI PC向けSoC「N1」および「N1X」。
昨年のComputex 2025での正式発表は見送られたものの、中国のプラットフォームにおけるマザーボードの流出や、Geekbenchでの最新テスト結果の登場により、その全貌が明らかになってきました。

出品されたNVIDIA N1マザーボードの実物
IntelやAMDが支配するPC市場に一石を投じる「ゲームチェンジャー」として、期待が高まっています。
最新ベンチマークが流出
以前、初期のエンジニアリングサンプル(2コア制限)による低いベンチマークスコアが話題になりましたが、今回新たに Geekbench 6 のデータベースに、ハイエンド向けとされる「N1X」の実機テスト結果が登場しました。

未発表のHP製システム「8EA3」(Ubuntu 24環境)で計測されたそのスコアは、大方の予想を上回るスコアを記録していました。
N1 / N1Xの驚異的なアーキテクチャとスペック
これまでのマザーボード流出や各種リーク情報、そして今回のベンチマークデータによると、以下のようなスペックと予想されています。
- CPU構成(20コア):NVIDIAのAIスパコン向けプロセッサ「GB10」と非常に似た構成で、10基の「Cortex-X925」コアと、10基の「Cortex-A725」コアを搭載した20スレッド仕様とみられています。
- 動作クロック:ベースクロックは2.81 GHzですが、詳細データによれば最大4.051 GHzまでブースト可能です。
- メモリ:SK hynix製のLPDDR5X(8,533 MT/s)を採用。ベンチマーク上では「119 GB」と認識されていますが、これは総容量128 GBのうち、8 GBがGPU用に予約されているためだと推測されています。
- GPU性能:仮にN1Xが「GB10 Superchip」と同じダイを使用している場合、最大6,144基のCUDAコアを搭載できる計算になります。これはデスクトップ向けの「RTX 5070」チップと同等の規模であり、従来のノートPCの常識を覆すグラフィック・AI処理性能を秘めています。
デスクトップ版とノート版の展開、パートナーシップ
非公式の情報によれば、NVIDIAはこのSoCを2つのバリエーションで展開する準備を進めているようです。1つはデスクトップ向けとみられる「N1」、もう1つがノートPC向けとされるハイエンドの「N1X」です。
搭載予定のOEMパートナーも徐々に判明しています。 今回のテスト環境で確認されたHPに加え、Dell(ゲーミングブランドのAlienwareで初採用見込み)や、Lenovo(Legion、IdeaPad、Yoga、Yoga Proシリーズで全面展開)が最初の採用メーカーになると報じられています。
これまでは「Windows on Arm(WoA)」デバイスにおけるGPUドライバやゲームパフォーマンスの未熟さが課題とされてきましたが、GPU開発の絶対王者であるNVIDIAが参入することで、その状況は一変すると予想されます。
数ヶ月後に迫ったComputex 2026での正式なロードマップ発表、そして今年後半と噂される製品リリースに向けて、NVIDIAの今後の動向に注目です。