OpenAIは、法人向けの「ChatGPT Enterprise」とコーディング支援AI「Codex」を、Samsung Electronicsの従業員へ大規模に提供すると発表しました[1]。韓国国内の全従業員と、世界中のDX(Device eXperience)部門の全従業員が対象で、OpenAIにとってこれまでで最大級の法人向け導入のひとつになります。研究開発から製造、マーケティング、管理部門まで、業務の広い範囲でAIの本格活用を進める取り組みです。
過去最大級となる法人導入
今回の合意により、ChatGPTとCodexはSamsung Electronicsの韓国国内の全従業員に加え、同社のDX(Device eXperience)部門で働く世界中の全従業員に提供されます[1]。DX部門はスマートフォンや家電など、消費者向け製品を手がける中核部門です。OpenAIはこの展開を、自社にとって過去最大級の法人向け導入のひとつだと位置づけています。
特定のチームや職種に限ってAIを試すのではなく、世界規模の従業員が日々の働き方そのものを変える基盤としてAIを取り入れる点に、今回の導入の特徴があります。OpenAI KoreaのジェネラルマネージャーであるHarrison Kim氏は、技術と製造を率いるグローバル企業がAIを「一部の機能に限られた道具」としてではなく、従業員の働き方と革新を底上げする中核プラットフォームとして受け入れたことに大きな意義があると述べています[1]。
開発から管理部門まで広がる用途
Samsung Electronicsは、ChatGPTとCodexを技術系・非技術系の双方の業務で活用する計画です。具体的には、ソフトウェア開発、マーケティング、製品開発、製造といった幅広い機能にまたがって使い、従業員の生産性と問題解決の力を高める狙いがあります[1]。
ChatGPTを使えば、情報の検索と分析、文書の作成、アイデアの発展、データの読み解きといった知識労働を効率よくこなせます。法人向けの「ChatGPT Enterprise」は、データ保護や利用者・アクセスの管理、セキュリティ制御といった企業向けの機能を備えており、Samsung Electronicsの従業員は自社のセキュリティ方針やガバナンスの枠内で先進的なAIを利用できます[1]。
「Codex」は開発者以外にも
もともとCodexはソフトウェア開発のための道具として始まりましたが、近年は用途が広がっています。コードの記述やレビュー、デバッグを通じて開発者の生産性を高めるだけでなく、非技術系のチームが日々の業務をこなすうえでも役立つようになってきました[1]。たとえばアイデアを実際に動くソフトウェアや社内ツール、ウェブサイト、自動化されたワークフローに落とし込む、といった使い方ができます。
利用の広がりは数字にも表れています。現在、Codexは世界で500万人を超える人々が毎週、技術的・非技術的なワークフローや役割のなかで利用しています[1]。とりわけ韓国でのCodexの週間アクティブユーザーは、2026年2月1日からおよそ800パーセント増加したとされ、現地での導入が急速に進んでいることがうかがえます。
韓国で広がるAI導入
OpenAIとSamsung Electronicsは、これに先立ってグローバルなAIインフラの分野でも協業を始めていました。Samsung Electronicsは次世代AIインフラに必要な先端メモリ半導体の供給でOpenAIと連携しており、今回のChatGPT Enterprise採用によって、両社の関係はインフラ供給から、働き方の変革と全社的なAI導入へと広がる形になります[1]。
韓国国内では、ほかにもAI導入の動きが相次いでいます。ソウル大学校(Seoul National University)は、学生・教職員を含む4万7000人のコミュニティ全員に対し、教育向けの「ChatGPT Edu」を無償で提供し始めました[1]。OpenAIはまた、Kakaoと組んで、メッセージアプリ「KakaoTalk」のグループチャット内で直接ChatGPTに質問し、回答を受け取れるようにしています。
第三者の報道でも、Samsung Electronicsが社内業務にChatGPTやGemini、Claudeといった外部の生成AIを取り入れる方針が伝えられており、企業ぐるみでのAI活用が韓国の大手で本格化していることがうかがえます[2]。LG Electronicsをはじめとする多くの韓国企業も、ChatGPT EnterpriseやOpenAIのAPI、Codexを利用しているとされます[1]。
まとめ
OpenAIによるSamsung Electronicsへの「ChatGPT Enterprise」と「Codex」の提供は、同社にとって過去最大級の法人導入のひとつです。韓国国内の全従業員と、世界中のDX部門の全従業員を対象に、開発から製造、マーケティング、管理部門までの幅広い業務でAIを活用します。Codexは世界で週500万人超が使い、韓国では2026年2月以降に利用が急増しました。特定の部署にとどまらず、グローバル企業が働き方の基盤としてAIを取り込む段階に入ったことを示す事例といえそうです。
出典:https://openai.com/index/samsung-electronics-chatgpt-codex-deployment
