Redmiが、ゲーミング向けスマートフォン「Redmi K90 Ultra」を6月30日に中国で発表します。最大の見どころは、本体に冷却ファンを組み込んだアクティブ冷却機構です。チップにはあえて最新世代ではないQualcommのSnapdragon 8 Eliteを選び、8,500mAhの大容量バッテリーと組み合わせました。価格は3,000元(約7万2000円)を下回る帯に収め、性能と価格のバランスで勝負する1台になります。

本体にファンを内蔵したアクティブ冷却

K90 Ultra最大の特徴は、スマートフォン本体に冷却ファンを組み込んだ点です。背面カメラの下に横長の排気口を設け、内部の熱を能動的に外へ逃がします。クリップ型の外付けクーラーではなく、冷却機構そのものを端末の設計に組み込んでいるのがポイントです。

この冷却機構は、上位機にあたる「K90 Max」と同じ独立した冷却構造を採用するとされます。冷却部分をバッテリーとは別の層として持たせることで、大容量電池を積みながら冷却性能を確保し、防水防塵性能も損なわない作りです。Redmiによると、この仕組みで端末の温度を短時間で大きく下げられるとしています。

スマートフォンは高い負荷が続くと発熱で動作周波数を落とし、性能が頭打ちになります。いわゆるサーマルスロットリングと呼ばれる現象です。物理的に風を当てて熱を逃がすアクティブ冷却は、この性能低下を抑え、長時間のゲームプレイでも安定した処理性能を保つことをねらっています。Redmiは、高負荷の3Dゲームを最高画質で長時間動かしても、フレームレートが落ちにくいと説明しています。いずれもメーカーの測定値で、ゲームのタイトルや使用環境によって変わります。

あえて最新ではないチップを選んだ理由

K90 Ultraが搭載するのは、Qualcommの「Snapdragon 8 Elite」です。これは前世代の最上位チップで、現行の「Snapdragon 8 Elite Gen 5」ではありません。Gen 5は「K90 Max」やXiaomiの「Xiaomi 17」シリーズ、さらにVivoやOPPO、HONORといった各社の最新フラッグシップに広く採用されており、その分だけ部材コストも高くつきます。

一方で前世代のSnapdragon 8 Eliteは、すでに価格がこなれた高性能チップです。Redmiは、コストを抑えやすくなったこのチップにアクティブ冷却を組み合わせることで、長時間でも性能が落ちにくいゲーミング体験を、より手の届きやすい価格で実現しようとしています。最新チップを積まないのは妥協ではなく、価格を抑えるための戦略的な選択というわけです。

この立ち位置は、HONORがゲーミング機の「Win」と「Win RT」を異なる価格帯で展開した手法にも通じます。Redmiも、最新チップを求める層には「K90 Max」を、安定したゲーミング性能を割安に求めるQualcomm派には「K90 Ultra」をと、2つの軸で選び分けられるようにした格好です。

8,500mAh電池と6.89インチ高リフレッシュOLED

バッテリーは8,500mAhと大容量で、100Wの有線急速充電に対応します。容量と充電仕様はいずれも中国の3C認証で確認されており、Redmiによると0からおよそ50分で満充電にできるとしています。ゲームで電池を激しく消費するユーザーにとって、現実的な使い勝手につながる構成です。

ディスプレイは約6.89インチの1.5K解像度OLEDで、リフレッシュレートは最大165Hzに対応します。なめらかな表示はゲームの操作感に直結する部分です。指紋認証には、画面内に組み込む超音波式センサーを採用しました。光学式に比べて認証精度が高く、濡れた指でも反応しやすいのが利点です。

さらに、ステレオ構成のデュアルスピーカーや、IP68とIP69の二重の防水防塵性能も備えます。最初に公開された本体カラーは「Space Silver」で、カメラ下の横長の排気口がそのまま外観のアクセントになっています。冷却用のハードウェアを隠さず、機能をデザインとして見せる方向にまとめました。

価格と位置づけ

K90 Ultraの価格は、3,000元(約7万2000円)を下回る帯に設定されます。これは、最新チップを積む上位機「K90 Max」の3,499元(約8万4000円)からという価格よりも安い水準です。最上位の性能をうたうのではなく、長時間でも落ちにくいゲーミング性能を割安に届けることに振った価格設定と言えます。

※1人民元=24円換算(2026年6月時点)

発表は6月30日に中国で予定されており、より詳しい仕様はそれまでに順次明らかになる見込みです。現時点では中国市場向けの発表で、ほかの地域での展開は明らかにされていません。

まとめ

Redmi K90 Ultraは、本体に冷却ファンを内蔵したアクティブ冷却と、前世代ながら高性能なSnapdragon 8 Elite、8,500mAhの大容量バッテリーを組み合わせたゲーミングスマートフォンです。最新チップをあえて避けてコストを抑え、長時間でも性能が落ちにくい体験を3,000元(約7万2000円)未満で狙う点に独自性があります。約6.89インチの165Hz OLEDや超音波式指紋認証、IP68/IP69の防水防塵も備え、価格と持続性能のバランスを重視するゲーマーに向いた構成です。発表は6月30日、まずは中国市場からの登場となります。