Motorolaがインド市場で12.1型タブレット「Moto Pad 70 Groove」を発表しました。背面にJBLの9ユニット構成スピーカーと360度回転する金属キックスタンドを備えた、映像と音に振り切ったモデルです。価格は36,999ルピー(約6万2000円)で、発売は2026年8月7日。Motorolaのインド公式サイト、Flipkart、実店舗が販売窓口になります。

※1ルピー約1.68円換算(2026年8月2日時点)

背面をまるごとスピーカーにした設計

この機種の中心はスピーカーです。背面にはJBL Pro Speaker Systemとして9つのユニットが並びます。内訳はツイーター4基、ウーファー3基、パッシブラジエーター2基で、パッシブラジエーター(振動板を電気で駆動せず、内部の空気圧で鳴らして低音を補う部品)まで積んでいるあたりに、低音を捨てないという意思が見えます。

Dolby Atmosに対応し、Dynamic、Movie、Musicの3つのプリセットが用意されます。加えてBluetoothスピーカーモードを備えており、手元のスマートフォンから音を飛ばして本機を単体のスピーカーとして鳴らせます。タブレットを使っていない時間の置き場所を作った、という点では実用的な機能です。

スピーカーを積んだぶん、背面は平らではありません。本体の厚さは6.8mmですが、スピーカーの膨らみを含めると22.7mmになります。重量は775グラムで、12型クラスとしては軽い部類ではありません。音を優先した結果として素直に納得できる数字といえます。

4つの姿勢を作る360度キックスタンド

背面には360度動く金属製のキックスタンドが組み込まれています。Motorolaはこれを使った4つの使い方を挙げています。角度を寝かせるLean Mode、立てて映像を見るTheatre Mode、通常のStand Mode、そしてフックなどに引っ掛けるHanging Modeです。

キッチンや作業台の上で吊るして使える構造は、スピーカー重視の設計と噛み合っています。電源ボタンと音量キー、13MPのメインカメラも背面に配置されており、スタンドを立てた姿勢で操作することが前提になっているのが分かります。前面のインカメラは8MPです。

画面は12.1型2.5K、中身はDimensity 7400

ディスプレイは12.1型のIPS液晶で、解像度は2,560×1,600ドット。リフレッシュレートは120Hz、輝度は通常600ニト・高輝度モードで800ニトです。色域はDCI-P3を98パーセントカバーし、Dolby VisionとHDR10にも対応します。有機ELではありませんが、動画を見る用途に必要な要素は揃っています。

プロセッサはMediaTek Dimensity 7400です。8コア構成で、Arm Cortex-A78を4基(最大2.6GHz)とCortex-A55を4基(最大2.0GHz)、GPUはArm Mali-G615 MC2を統合します。メモリーは8GB LPDDR5、ストレージは256GB UFS 3.1で、microSDカードによる最大2TBの拡張にも対応します。ハイエンドではありませんが、動画再生と日常的なアプリ利用が主な用途であれば不足はない水準です。

OSはAndroid 16で、Google Geminiが利用できます。アップデートはAndroid 18までのOSバージョンアップと、4年間のセキュリティ更新が約束されています。すでにAndroid 17が出回っている時期の発売としては、出発点がひとつ古い形になります。

電池は10,200mAh、ただし充電は45W

バッテリー容量は10,200mAhで、Motorolaは1回の充電でYouTubeの視聴が最大15時間可能としています。ここで注意したいのは充電まわりです。同梱されるACアダプターは68W対応ですが、本体側が受け付けるのは45Wまでとなっています。アダプターの数字だけを見て判断すると実際の充電速度とずれます。

通信はWi-Fi 6(802.11ax 1x1)とBluetooth 5.4で、セルラー通信には対応しません。屋外で単体で通信させたい場合はスマートフォンのテザリングが必要です。ポートはUSB Type-Cが1つとmicroSDカードスロットで、防塵防滴はIP52。指紋認証センサーとスタイラス対応は省かれており、同梱品はクリアケースです。

筐体は金属製で、色はPANTONE Blue Surfの1色のみ。本体サイズは278.8×181.1×6.8mmです。

なお、Motorolaは先月に上位機の「Moto Pad 70 Pro」を投入しており、Pad 70シリーズを短い間隔で広げています。

まとめ

Moto Pad 70 Grooveは、JBLの9ユニットスピーカーと360度キックスタンドという2つの装備で、タブレットを持ち歩く道具ではなく家の中の映像・音響端末として位置づけた製品です。Dimensity 7400と12.1型2.5K液晶という中身は価格帯相応で、775グラムという重さも音を優先した結果といえます。現時点で確認できているのはインド市場向けの発表のみで、日本を含む他地域での展開についての案内はありません。